MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)は、医療現場に広がっている多剤耐性菌で、免疫が低下している人々に致命的な感染症を引き起こす可能性がある。(PHOTOGRAPH BY FABRIZIO BENSCH, REUTERS/REDUX) 80年前にペニシリンが広く使われるようになった直後から、細菌は抗生物質(抗菌薬)をかわす方法を見つけ始めた。それ以来、危険な微生物と人類との間では“軍拡競争”が繰り広げられてきた。新たな研究によると、この闘いで人類は敗北を続けているという。 ギャラリー:人類が地球を変えてしまったと感じる、空から撮った絶景 写真23点 「薬剤耐性菌のパンデミック(世界的大流行)は非常にゆっくりと進行してきたため、あまり注目を浴びてきませんでした」。しかし、現在の耐性菌の増加傾向と、この問題に対処できる新たな抗生物質の不足を考えれば、より注目される必要があると、米国立衛生研究