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中東情勢
news.yahoo.co.jp
「革命」と「テロとの戦い」の正義は潰え、「復興」と「無関心」が新たな大義となった――2018年のシリアをめぐる動きはこう約言できよう。 2011年に「アラブの春」が波及して生じたいわゆるシリア内戦は、7年を経て事実上の終わりを迎えようとしている。むろん、戦争の古典的定義が当てはまらないこの紛争には、宣戦布告による「始まり」もなければ、終戦宣言による「終わり」もない。だが、諸外国の代理戦争、イスラーム国やアル=カーイダ系組織に対する「テロとの戦い」、シリア軍と反体制派の戦闘のどれをとってもほぼ決着している。 独裁の打倒、自由と尊厳の実現をめざす「シリア革命」は決して終わらない、そう口にする者もいる。だが、こうした言葉は、シリアを題材とした映画や演劇に触れた時のような感傷を呼び起こすことはあっても、現実を言い表していない。 イスラーム国の台頭を受けて、声高に主唱されるようになった「テロとの戦い
news.yahoo.co.jp/byline/aoyamahiroyuki
国際紛争としてのシリア内戦は終わった――筆者は拙稿「今こそ、シリアの人々の惨状を黙殺することは人道に対する最大の冒涜である」(Newsweek日本版、2017年9月23日)で、2017年後半のシリア情勢をこう約言した。 「国際紛争としての内戦」とは矛盾した表現ではある。だが、この奇妙な言い回しこそが、2011年3月に「アラブの春」が波及するかたちで発生したシリア内戦が辿った悲劇を言い当てているように思う。 今世紀最悪の人道危機シリア内戦は、バッシャール・アサド政権の強権に対する抗議行動に端を発し、当初は体制打倒(あるいは政権打倒、体制改革)の是非やその方法が争点だった。だがほどなく、欧米諸国、アラブ湾岸諸国、トルコが「人道」の立場から政権の正統性を否定し、反体制派への梃子入れを始めた。また、これを「主権」侵害と非難するロシアやイランが政権を全面支援していった。シリア内戦は「代理戦争」(pr
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