上野千鶴子の東大入学式での祝辞がバズっている。 平成31年度東京大学学部入学式 祝辞 | 東京大学 社会学や女性学の蓄積を踏まえた、社会に向けたメッセージ性の強いものになっている。メディアの報道では、好意的なものが多い。 僕はここで、ジェンダー/フェミニズムについて取り上げたいわけではない。 ちょうど今読んでいる本のなかでこんな記述が出てきた。 「女性は、差別される者として男性と非対称的な関係を結びながら、この「男社会」の構造に男性とともに関与し、それを生産・再生産してきたもう一方のまさに当事者なのである」 (吉澤夏子『女であることの希望』より) 「女性はつねに被差別者である」という見方を、ジェンダー論では「抑圧史観」というらしい。 現代はポリコレや#Metooがかなり広範に浸透したので、まさに「世間」として抑圧史観の時代に突入したといえる。 上野千鶴子の話は、問題提起としては至極真っ当な