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シリコンバレーに来て苦労したことは何か、と最近複数回聞かれたので、「来たばかりの頃は・・・」と思い出しながら、勢いでざーーっと書いてみました。「苦労したこと」という話と「失敗したこと」というのが混じってます。 右も左も分からない いくらシリコンバレーが優れた人材の集まる場所と言っても、道を歩けば名門大学卒の一流ハッカーに当たる、なんてわけではない。人脈をたどっていかないとデキる人にはつながらない。大体そもそも、名門大学を出ているからといって全員が一流というわけでもない。加えて、いくらアメリカ人が社交的と言っても、優秀な人はそれなりに忙しかったり自分の時間を大切にしたりするので、こちらが色々な会合に顔を出しても全然そういう人に会えず、コンサルタントの名刺ばかり増えることになる。人脈ができるには時間はかかるものだ。腰を据えてネットワークを広げていくつもりで長く持たせる予算とスケジュールを組むこ
シリコンバレー・カンファレンスの起業パネルで、時間があれば話そうと思って個人的に考えていたことをもう少し。 「日本より起業しやすい環境」について シリコンバレーでは起業に必要な色々な制度や仕組みが整っていることは確かだが、一番大きな要素はそこにいる「人」のマインドセットの問題だと思う。ここに住む人は、ここがイノベーションを生み出す土地であるということが体に染み入っていて、起業に対してポジティブ。ここにるVCやエンジェル投資家も起業経験者が多く、起業が大学のMBAコースで教わるような美しいビジネスプランでどうにかなるものではないことを熟知していて、起業の泥臭いところをわかって投資している。いわゆる文系出身の僕がシリコンバレーに惹かれるのは、「人」の問題だからかも知れない。 ここでは有限責任が明確であり日本では曖昧というのは、「日本人は議論が苦手」という話と似ている。日本では、起業した創業者が
ベースを長年弾いてきて、変な部分で慣れてしまったことがある。それは、周囲のプレイヤー同士が噛み合っていない部分を調整して音楽としてサウンドをうまく成り立たせること。例えばギターが少し早め早めに弾く人(音楽用語では「ツッコむ」あるいは「ハシる」人)でドラムが少し遅め遅めに叩く人(音楽用語では「タメる」あるいは「モタる」人)の場合、ベースはその間を取ってギターよりは少し遅め、ドラムよりは少し早めになるように弾くとサウンドとしてまとまる。 これがベーシストにとって大事な仕事なんだと思って今までやってきたのだが、最近実はこれはあんまり良いことじゃないんじゃないかと思い始めてきた。自分の演奏の録音をよくよく聴き返してみると、確かにまとまってはいるんだけど、明らかに一流のミュージシャンとは演奏内容が違う。説得力がないというか、ソリッドな感じが足りない。何が違うんだろう? それはおそらく自己主張なのだろ
友達からリンクを教えてもらった。アルトサックスのチャーリー・パーカーとトランペットのディジー・ガレスピーのソロバトルをネタにした秀逸な動画。実際にソロを取っているプレイヤーがこういう気持ちで演奏しているわけではないが(いや、実はしてるのか?)、ネタとしてかなり面白い。細かいところ、良くできてるなあ。
SneakerPlayシャットダウンの記事を読んで、Riottt.comをやっていた頃を思い出す。当時(2006年頃)は、Web2.0の波の中で「いかに先行するMySpaceなどと差別化するか」を考えた結果「ターゲットセグメントを絞る」という教科書的なアプローチを取って「ストリートファッションやアートなど、人より先を行くcutting-edgeなユーザ」を対象としたサービスを作ろうとしていた。SneakerPlayともターゲットは重なっていたので、協業の話などもあった。 今考えればこの戦略は勘違いで、Web2.0環境によってニッチセグメントを含めた人と人(あるいは人と物)のきめ細かなマッチングができることは「個人」をベネフィットするのであって、そこをベースに一つのビジネスを構築できるところまでの利益性はなかなか見込めない。せいぜい、数人がサイドビジネスとして趣味的に共同でサイト運営していく
・・と言っても僕が今回就職活動をした中で感じた、極めて主観的な感想であることをお断りしておく。職種もWeb系のソフトウェアエンジニアに限った話です。 「会社に就職しよう」と思ってからまず行ったことはレジュメ(履歴書)をアップデートしてジョブサイトにアップロードすることだった。ジョブサイトはいくつもあるが、ソフトウェアエンジニア系ならDice.comが一番信頼できると思ったので、とりあえずDice.comだけにアップしてみた。 果たして、アップロードした翌日の朝から、電話がじゃんじゃんリクルーターからかかってきた。どうやら、Dice.comのリクルーターが見るページには「最近アップロードされたレジュメ」のようなメニューがあるらしい。彼らは「これこれのポジションをオープンしている会社があるからお前受けてみろ」というような電話をかけてくる。採用が無事に成立すればリクルーターは会社側から手数料をも
僕が初めて「アメリカ」を意識したきっかけは、たまたま参加することになった米国ビジネス視察ツアーだった。どれだけたまたまだったかというと、このツアーに本当に参加する予定だったのは父親だったのだが、彼が諸事情により行かれなくなったので急遽「お前行って来い」と振られた話だったのだ。 当時26歳だった。ちょうど最初の会社の原型を作り、ソフトウェアの受託開発をやりながら自分たちのオリジナルな製品を作ろうという体制を作りつつある時だったから、忙しかったし充実していたし自分でアメリカに行ってみようというつもりは全く無かった。当時はベンチャーブームで、渋谷中心に「ビットバレー」というネット系ベンチャーで盛り上がる動きが出てきている時だったが、その言葉の由来としてしかシリコンバレーという名前も知らなかったくらいだ。 アメリカへの視察ツアーと聞いて、興味は少し湧いたが何を視察してくればいいのか良く分からなかっ
少し前のエントリにも書いたが、不況に入るからといって起業そのものがものすごく難しくなるわけではない。VentureBeatのこの記事に書かれたような「むしろ今は起業に有利な時期だ」という理屈にもかなり同意する。ただ、自分の中で一旦「事業化する」ネタが尽きた感じがあり(儲からなさそうなネタはいくつかあるが)、アイデアが十分固まらないままに「起業するために起業する」というのも意味がないので、今起業するという選択肢は捨てた。起業家と名乗るのもやめる。 理由は他にもある。何と言うか、人生とか生活とかの考え方が少し変わってきた気がする。今はちゃんと価値を生む仕事をして給料をもらいつつ、自分が好きにやりたいことは仕事という形ではない方法で好きにやっていきたい。そして、もっと自分の好きなこと、ベースを弾いたり、自分の考えたネタを無料Webサービスとして公開したりということを仕事やお金と絡まない所でやって
HotJobsの記事「会社があなたに教えない、給料に関する5つの秘密(5 Salary Secrets Your Company Won't Tell You)」にふと目が止まった。 http://hotjobs.yahoo.com/salary-articles-5_salary_secrets_your_company_won_t_tell_you-22 目が止まったのは「5つの秘密」のうちの第一項目、 「大体の会社を平均すると会社側で予算上用意してある昇給率は3.9%」 というところだ。これを見て思い出したことがある。 シリコンバレーでやり始めてしばらく経った頃、職探しをしているアメリカ人の友人がいた。ちょうど会社では製品のQA(品質テスト)をやるスタッフが足りなかったので、その友人を仲間に引き入れた。まだ売上も伸びていない頃だったので、会社のビジョンを説明して「一緒に頑張ろう」とい
金融やウォールストリート事情には全く疎い僕である。僕の理解では、ウォールストリートの株式市場が「取引市場ファクターによって増幅させた企業の将来の価値を現在に引き直した信用的取引」という仕組みによってベンチャーのExitを支えているからこそ「起業で成功して大金持ちになる」というインセンティブが強く働いている(あるいは、働いてきた)ので、ウォールストリートとシリコンバレーは密接なつながりがある。ただ、スタートアップから軌道に乗って成功が見えてくるまでの間は金融市場云々よりも目の前にやらなければいけないことがたくさんあるので、普段はあまり考えていない。株もやらないし、株式市場も今は興味ない。 そういう、東海岸方面にアンテナを張っていない僕でも、今回の金融ショックはかなりの大事らしいことは分かる。起業という面から考えれば、資金調達は総論的には難しくなるだろう。VCは既存のポートフォリオの「火消し」
毎年夏にスタンフォード大学の構内で行われる「スタンフォード・ジャズ・ワークショップ」。今までは忙しかったり、内容を良く知らなかったりで参加したことはなかったのだが、今年は正式には申し込まなかったものの、知り合いが何人か参加していたこともあり、ちょくちょく顔を出して様子を見に行った。 このワークショップは、夏休み中の3週間の間に地元シリコンバレーを中心に全国のアマチュアミュージシャンやプロを目指すミュージシャンが参加料を払って参加するセミナーイベント。大物アーティストを含む現役のジャズアーティストが講師として参加者をみっちり指導する。今年の目玉講師はピアノのバリー・ハリスとサックスのチャールズ・マクファーソンだったが、彼ら以外にも数多くの第一線で活躍するアーティスト達が講師として参加した。一般の大人は最後の1週間しか参加できないが、十代の若者などはユース・プログラムと一般プログラムの両方に参
昨日はサンノゼのダウンタウンにある有名ホテルHotel De Anza内のHedley Clubで演奏した。最近良く一緒にやるボーカルのLeanneのバンドで、彼女のオリジナル曲やジャズスタンダードを演奏。昨日は4ステージもやって疲れた! ステージの合間にドラムのKevinとした会話が面白かった。 ケ 「そういや、会社はうまくいってるの?」 僕 「いや、色々あって実は辞めてしまったんだよ」 ケ 「へえ。まあ、そういうのは早く分かる方がいいね」 僕 「うん」 ケ 「俺も前に自分の会社作ったけどうまくいかなかったな。ああいうビジネスはもういいや」 僕 「へえ、そうだったんだ」 ケ 「会社勤めをしたこともあるけど、俺は学歴も良くないからいつ首を切られるかとビクビクしててねえ。結局、音楽で食っていくことにしたよ」 僕 「ドラマーの生徒たくさん持ってるよね」 ケ 「最初は大変だったんだぜ。生徒が全然
「判断」には3種類ある。一番良いのは「正しい判断」。次に良いのが「間違った判断」。そして最悪なのが「判断しないこと」。 スタートアップベンチャーでは会社や自分の置かれた状況が常に変化し、毎日がdecision makingの連続だ。その中で、常に正しい判断を採り続けられれば言う事無しだが現実にはそうは行かない。時には間違った判断をすることもある。 むしろ大事なのは、間違った判断をした時でも次善策を採ることのできる柔軟性(というか現実的にはプライドの無さとガムシャラさ)である。自分が行った「間違った判断」によって次に採りうる選択肢を狭めてしまってはいけない。自分の採った判断が間違いでなかったと見せかけるために論理をこじつけても良いことは何もない。周囲にはとうに気づかれている。自分が間違ったことを認めて、会社がその状況からでも一歩成功に近づくためにはどうすれば良いかをプライドを捨てて考えられる
日本からシリコンバレー視察に来た学生さんたちと話をしていて「起業家とは何か」が話題になった。 一つのキーワードとして出たのは「クレイジーさ」だった。起業家はクレイジーでなければならない。クレイジーの定義は人によって多少変わりそうだが、思い切り上品に言えば「ビジョンを示し、言葉で人を動かせる人」ということだと自分は考える。 言葉で人を動かすのは難しい。人が自分の言葉を聞いてくれるかどうかは、普通は自分がこれまでに培ってきた経験や実績による。しかし実績をきちんと積んでいこうとすると時間もかかる。ある時点から、具体的な実績を積み重ねる過程をすっ飛ばして、先に先に考えをめぐらせていくこと、その思索の末に行き着いた結論を自分の中で持っておくことの重要性のほうが大事になってくる。こうしないと間に合わないのだ。 また、スタートアップでは物事のプライオリティが毎日変わる。そんな中でいちいち「こないだと言っ
シリコンバレーで起業する時に役立つツールやサイトを厳選してみた。起業に限らず、プロジェクトの立ち上げ全般として便利なツールという性格が強いものもある。あくまでもコンシューマ・インターネット事業寄りの起業家のケースであり、事業分野や業種が違えば大きく変わりうることはお断りしておく。もっと最先端を行くツールを使っている人もいると思うので、ツッコミなどあれば大歓迎です。 [Google Apps] やはりダントツで使うのはGoogle関連だ。小さな会社を始めるにも、今ならメールサーバを借りて毎月ウン十ドルを払う必要すらなく、Google Appsを使えばGmail機能も会社のメンバー全員で無料で使えるし(50人まで)、どうしても手元のPCにメールを保存したい人はPOPサーバとしても使える。Google Calendarも便利でチームメンバーで共有するのに最適。ただし、Google Apps版はカ
シリコンバレーは人材の流動性が高いので比較的リクルーティングもしやすいが、本当にいい社員を見つけるのは簡単ではない。色々な方法を組み合わせることになる。 一番費用対効果が高いのは、Craigslist.orgに求人広告を出すことだと思う。一つのカテゴリについて$75という手軽さなので、2〜3つくらいのカテゴリに載せたとしても$200くらいしかかからない。安い代わりに、玉石混淆の大量のレジュメが送られてくるので、スクリーニングの作業は大変だ。それでも、オンラインで申し込みができて面倒なアカウントセットアップも不要、その場でクレジットカードで支払をして広告を出して数分後には応募者から反応が来始めるから、急を要している場合にはダントツで「使える」サービスだ。 次に効果が高いのは、社員や知人のコネクションによる紹介だろう。やっぱり信頼度の高さが違う。ただ、こちらはすぐにavailableな人が見つ
スタートアップで悩ましいのは社員を雇う順番だ。 会社を設立した直後などはバリバリ手を動かせる人が必要だから、いわゆる大会社のVPみたいな人を連れてきても、何となく手に余るし給料も高いし、結局手を動かせるスタッフが必要になるから人件費がものすごくかさむ。 シニアレベルで経験も程よく積んでいて手も動かせて、大会社的なマネージメント志向でない人が一番いいのだが、そういう人は案外すぐに見つからない。探してるうちに「経験はもう少し足りないけど元気もいいし人柄もいいし、チームにちょっと欲しい感じがする」という人が先に見つかることのほうが多い。こういう人ならいきなり6桁の給料を要求してきたりということもないから、採用にあたっての抵抗感も比較的低い。 それで採用するというところまでは良いのだけど、その後の採用のことを考えておいたほうがいいかも知れない。自分が過去に何度か失敗したのは、仕事のバリバリできるそ
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