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PENTAX 17 / SHOOTING REPORT 「この存在感は何だろう」「ISO 400ってこんなにざらっとしてたかな」 令和6年に新発売されたフィルムコンパクトカメラ、「PENTAX 17」で撮影したカラーネガフィルムは鮮烈です。フィルムから離れて長い月日が経ちましたが、スムーズなデジタル画像に慣れきった目で見ると、一つ一つの粒子の存在を強く感じます。粒子とは感光物質である銀塩の結晶。顕微鏡写真などを見るとその形状やサイズは均一ではなく、規則的に並んでいるわけでもありません。銀塩デジタルの優劣比較には興味が湧きませんが、仕組みも目的も違う両者は間違いなく異質です。銀塩においてはこの粒子のランダム性が大きく関わっていて、今見ている描写もこの特性で説明できるかもしれません。あくまで門外漢による「かもしれない」レベルの話ですが。ただ、久しぶりに見るとあまりの違いにちょっと驚いた次第で、
SONY α9 III / SHOOTING REPORT α9 IIIはグローバルシャッター方式のフルサイズCMOSセンサーを搭載した、世界初のレンズ交換式カメラです(2023年11月時点)。機械式シャッターそのものを持たず電子シャッターのみを採用し、先代同様ブラックアウトフリーの撮影が行える上に全画素を同時に露光し、読み出しを行います。最大のメリットは、特に高速で動く被写体を歪みゼロで捕捉できることです。新幹線から富士山を撮影したのだけれど、手前の架線や防音壁などの縦線が、本来は垂直であるはずなのに斜めに写ってしまった、、、なんて経験をした方も多いかと思います。α9 IIIがあれば、この問題が100%解消されます(CCDカメラや産業用カメラなどのお話は割愛)。現在製造されているほとんどのカメラの電子シャッターは、ローリングシャッター方式を採用しています。上部から順にスキャンしていくので
PENTAX K-3 Mark III Monochrome / SHOOTING REPORT vol.1 vol.2 vol.3 vol.4 vol.5 vol.6 vol.7 自由研究:モノクロ画像からカラー画像を生成する モノクロ専用カメラなのに何故にカラー画像なの?と思われましたよね。まずは画像をクリックしていただいて、等倍でご覧になってみてください。いつものカラー写真とはちょっと画質が違いませんか?解像感、立体感、偽色の少なさなどが別格で、全体的に生々しさが際立っています。この写真、K-3 Mark III Monochromeで撮影しています。具体的に言えば、R(赤)、G(緑)、B(青)のレンズフィルターを装着して撮った3カットを合成しています。 1画素がそのまま1ピクセル出力に直結するモノクロセンサーと聞いた時、思い付く方がおられるかもしれません。レンズの前にR(赤)、G(
PENTAX K-3 Mark III Monochrome / SHOOTING REPORT vol.1 vol.2 vol.3 vol.4 vol.5 vol.6 vol.7 これはK-3 Mark IIIをベースとし、センサー部のカラーフィルターを物理的に省いて、モノクロ撮影に特化させたカメラです。性能比較などの次元を超越した、全く別のステージに立つ孤高の一眼レフです。結論から申し上げれば、表現の手段として写真というメディアを選んだ方が、手放せなくなるカメラに仕上がっています。このカメラはカラーで撮影することができません。オレンジ色の美しい夕日も透過光で輝く新緑も、当然見たままには写りません。ファインダーに映る美しい実像はカラーでも、撮影される写真はもれなくモノクロです。カラーという要素から解放されることで、物の形や光と影に目が行くようになり、それだけで表現ができる被写体を探し回る
本稿は、写真用レンズについてより深い理解が得られるよう、その原理や構造を出来る限り易しい言葉で解説することを目的としています。 本稿の内容は、株式会社ニコン、および株式会社ニコンイメージングジャパンによる取材協力・監修のもと、すべてフォトヨドバシ編集部が考案したフィクションです。実在の人物が実名で登場しますが、ここでの言動は創作であり、実際の本人と酷似する点があったとしても、偶然の一致に過ぎません。 「新宿光学綜合研究所」は、実在しない架空の団体です。
LEICA DG SUMMILUX 9mm F1.7 ASPH. vol.1 vol.2 [ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率 [単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ パナソニックから、大口径超広角レンズ「LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPH.」が登場しました。「SUMMILUX」の名を冠した本レンズは、F1.7という明るさとハーフマクロ機能を併せ持った超広角レンズ。小型軽量であることが最大の特徴です。大口径超広角レンズながらコンパクトなシステムを構築できるので、それだけで購買理由になりそうなもの。フィルター装着が可能で、高い接写性能にインナーフォーカスと、取り回しもすこぶる良さそうです。レンズ名に「LEICA」とあるのも、また手馴染みの良さそうな外観も、気分を上げてくれるには十分。では早速作例を見ていきましょう。 ( Photograp
「写真好きのための」と銘打ち、面白そうなカメラを搭載しているスマートフォンをご紹介していく企画の第2回目です。今年10月、第1回目を公開してからまだ2ヶ月ほど。その間にも、各メーカーから多種多彩な機種が新たに登場しています。先日も、中国のスマートフォンメーカーXiaomiから、ライカレンズが装着可能なコンセプトモデル「Xiaomi 12S Ultra Concept」が発表されました。このコンセプトモデル、アバンギャルドな見た目なうえに往年の名レンズも付けられるとあって、世界中が色めき立っていたように思います。さまざまなタイプのスマホカメラが存続しながら、時にニューウェーブを巻き起こすようなものがポンと出てくる。スマホ界、今後も面白くなりそうです。この企画でも、まだまだご紹介したい機種はたくさんあります。今回は、新たに折りたためるフォルダブルタイプのスマートフォンを交えて、十数年ぶりに画素
ZHONGYI SPEEDMASTER 25mm F0.95 [ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率 [単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ 今回レビューをお届けするのは中一光学の「SPEEDMASTER 0.95/25mm」。シルバーモデルの登場が2016年11月発売となりますが、お買い得な大口径標準レンズなのでご紹介します。中一光学は中国の光学メーカーで、近年ではシネマレンズを精力的にリリースしている印象があります。超大口径マニュアルレンズのラインアップも充実しており、本レンズもその中の1本。マイクロフォーサーズ用で、フルサイズ換算50mm相当の画角を持つ超大口径標準レンズです。(OM-Dシリーズの初代E-M5、PENシリーズのE-PL6・E-PL5・E-PM2には装着不可とのこと。) 最大の特徴は、F0.95もの明るさを誇りながら、手の中にすっぽりと収まってしまう
Nikon NIKKOR Z 24-120mm f/4 S [ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率 [単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ ニコンのS-Lineから開放F4通しの5倍の標準ズームレンズ「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」が登場しました。フルサイズZマウント用の標準ズームは何本か発売されておりますが、望遠端の焦点距離を120mmまで伸ばしたF4通しの標準ズームレンズは初。本レンズはED非球面レンズやEDレンズを贅沢に配した13群16枚構成で、AF駆動にはマルチフォーカス方式が採用されています。これによって遠景から近接撮影時まで常に安定した高画質が得られるとのこと。重さはクラス最軽量の約630gを実現させており、多機能で可搬性の高い一本に仕上がっているようです。S-Lineにラインアップされているレンズはいずれも超高性能を誇ります。本レンズも高
TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD Model A071 [ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率 [単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ タムロンによる、ソニーEマウント(フルサイズ)用レンズ拡充の勢いが止まりません。つい先日、大三元レンズがきっちりコンプリートされたと思ったら、いきなりその1ヶ月後には高倍率ズームレンズを繰り出してくるではありませんか。今回レビューをお届けする「28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD Model A071」は、ワイド端28mmでの開放値がF2.8の明るさを実現したという特長をもたせた一本。全長117mm、最大径74mm、重量575gという軽量かつコンパクトなシルエットに仕立て上げてきました。AFにはステッピングモーターユニットをビルトインしながら、Eマウントボディ側の手ブレ補正や
Nikon NIKKOR Z 50mm f/1.2 S [ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率 [単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ さて、話題のNikon NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sについてお届けします。過日、設計者の原田さんにインタビューさせていただきましたが(インタビュー記事はこちら)その段階からテストが実に楽しみな1本でした。50mmレンズとしては威風堂々な出立ち、構成図を見ればいかにも硝材がビッチリと詰まっています。挙げ句、ツァイスのベルテレ博士が人類に遺した宿題に対して21世紀の現在に応えたとまで言われたら期待するなというのが無理というもの。50mmレンズといえばデジタル時代の到来までわりと枯れた交換レンズだったと思います。感材がフィルムからセンサーに変わり、そこで生じる問題に対応するべく刷新されてきたのが、わりとつい最近までの話。ここに来
SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art vol.1 vol.2 [ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率 [単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ ミラーレス一眼カメラの人気に呼応するように、ミラーレス専用レンズのリリースが勢いづいています。そんな中、シグマのArtラインから待望のマクロレンズが投入されました。等倍マクロ撮影ができるF2.8の本レンズ。最短撮影距離(29.5cm)あたりまで寄り切った画には魅惑の世界が広がります。実際、ファインダーを覗いているだけでホクホクもの。自然なボケの柔らかさをたたえながらもピント面の切れ味は鋭く、色気のある一枚へと仕立ててしまうのですからたまりません。焦点距離は105mmですから標準レンズ程の万能さは無くとも、画角的には広すぎずそして狭すぎず。比較的にワーキングディスタンスも取りやすく、描写にクセが出にく
ニコン開発者インタビュー NIKKOR Z 50mm f/1.2 S 9月に製品発表された「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」が、2020年12月11日、いよいよ発売になりました! 日本中の、いや世界中のニコンユーザー待望のレンズですから、もう注文された方も多いと思います。もちろんヨドバシ.comですよね? はい、ありがとうございます! ところでこのレンズ、漏れ伝わってくるところではどうやら相当な自信作らしいのです。それはぜひ話を聞かなければ! というわけで、このレンズの企画と開発を担当されたみなさんにお話を伺う機会を得ました。お忙しい中の短い時間ではありましたが、「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」に対する自信や意気込み、開発の苦労話をたっぷり語っていただきました。 お話を伺ったみなさん: 株式会社ニコン 映像事業部 UX企画部 陳 思思 さん 株式会社ニコン 光学本
編集部員によるロケーション探しの旅と、それにまつわるエトセトラ。 ※ロケハン=ロケーションハンティング ロケーション探しの意味の和製英語、Location scouting. Find a landscape - 中西 敏貴 vol.20 パキスタンへの旅 - バロチスタン編 その② ロケハン 海外旅 かつてインダス川沿いにあったという古代遺跡モヘンジョダロ。今はインダスの流れが変わり、川はずっと遠くへと離れ、遺跡周辺は随分と枯れた大地だったのが印象的でした… Find a landscape - 中西 敏貴 vol.19 パキスタンへの旅 - バロチスタン編 その① ロケハン 海外旅 パキスタン北部の旅を終え、いよいよ南部の旅がスタートです。まずはイスラマバードから国内線でフライトし、旅のスタートであるカラチに到着しました。カラチはかつてのパキスタンの首都… Find a landsca
SONY α7C / SHOOTING REPORT SONYのフルサイズセンサー搭載ミラーレス一眼カメラ「α7シリーズ」に、新たなメンバーが加わりました。その名も「α7C」。「C」はコンパクトを意味していますが、なんとAPS-Cセンサー搭載のα6600と実質同じサイズ/重量なのです。それでいて、2420万画素のセンサー、画像処理エンジン、秒間コマ数といった基本的性能は傑作スタンダードモデルの「α7 III」とほとんど同じで、AFにいたっては追従性や低輝度での検出力が更に進化しているではありませんか。つまり、小型化の実質的な代償が無いという、まったく新しいスタンダード機なのです。奇しくもα7 IIIのレビューで撮影を担当したわたくし、思わず「ずるい!」という失言が漏れてしまいました。細かいスペックがどうのと言うよりも、このサイズでフルサイズ。これは全く新しいカテゴリーであり、比較の対象があ
突然ですが、皆さま花はお好きですか。私は、生花・観葉植物・ドライ・アーティシャル問わず、家の中が花やハーブだらけで良いくらい好きです。長く続いた梅雨真っ盛りの時期に、「花を飾る」企画がスタートすることになりました。花を飾るといっても、今回は季節ごとに「撮影した花」を「飾る」という企画です。被写体は、自然界または花壇などに咲いている花。生命をうばわず写真で持ち帰って飾ろうという趣旨のもとで。 なかなか雨が降り止まず雨の情景で思い浮かべる紫陽花の季節も終わってしまい、さてどうしようかと思っていた矢先でした。何日振り?というくらいの晴れ間が。もしかしてバラの2番花が咲いていないかと近くの公園に足を運んでみました。やはり、、、と帰りかけた頃です。片隅にバラの2番花がポツンと花を咲かせていました。春に咲くバラに比べると2番花は小ぶりだったり環境的にも早く散ってしまい儚いイメージがあります。けれどもこ
Nikon NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct [ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率 [単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ ニコンが威信をかけて世に出したF0.95のスゴイやつ。ついに実写する機会をいただきました。総重量約2,000gでマニュアルフォーカス。この標準レンズはニッコールの設計者が抱いていた夢が、新生ミラーレスZシステムによって実現された・・・そんなスペシャルな1本です。Zの大口径マウントも見やすいEVFも、このレンズのために存在するとも言ってもよいでしょう。一眼レフでは実現できなかったF0.95を、ついに作ることができる。設計陣の興奮は想像に固くありません。なにせ「明るい方が王道」とサラリと言ってのける方々ですから(詳細はこちらのインタビューをご覧ください)。サイズ云々は一旦脇において、とにかく最高の写りを実現した。車で言えばコンセ
写真整理の通信簿 My Grade in Photo Organizing 写真趣味が高じてくると、問題になるのは撮った写真をどうするのかということ。デジタルカメラはシャッターを切ってもコストがかからないせいか、気づけば撮影した写真が増えてしまいます。毎週100枚撮影する人なら年間およそ5,000枚・・・いや、たぶんフォトヨドバシをご覧になるような方なら、そんなペースでは済まないですよね。高画素化が進んで1枚のデータ量も多くなり、写真がディスクを圧迫しつづける。撮った写真が増えすぎて目的の写真を見つけられなくなる。やがて途方に暮れて、私たちは考えるのです。・・・他のひとは撮った写真を一体どうしているのだろう、と。 お外に出かけられない日は、写真整理にうってつけの日。今回はPY編集部の面々に各自の写真整理の方法を書き出してもらいました。ネガフィルムやスキャンしたデータをキッチリ整理しているも
SONY SEL20F18G FE 20mm F1.8 G [ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率 [単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ マウントアダプターを介さずに使えるレンズの選択肢が豊富であることはシステムを構築する上で重要なファクターです。今や目的や用途によって様々なレンズが選べるEマウントは、システムを構築していく上で真っ先に候補に上がってくる一つではないでしょうか。そのEマウントに、新たに大口径超広角単焦点レンズ FE 20mm F1.8 G が加わりました。レンズ名にある「G」はGレンズの証。高い描写性能と集光力、円形絞りによるなめらかで美しいボケ味、そして使い勝手やサイズ感といったものにも注力したレンズに与えられた称号です。そのGレンズシリーズの単焦点レンズとして2本目となる本レンズは、SONY製フルサイズEマウント単焦点レンズとしては最も広角となる2
スペック表をご覧いただければわかりますが、基本的にはM10-Pの仕様を受け継ぎ、高解像度センサーを搭載したモデルとなります。一度手にしてしまえば長く使えるのがライカの良いところではあるものの、先代モデルであるM Monochrom (Typ246) から5年経過していることもあって、顕著な進化があります。映像エンジンの刷新、高感度の強化、連射性能の向上。ピント合わせに影響する有効基線長やファインダー倍率の拡大も嬉しいポイントですね。M10で実現したボディサイズ、防塵防滴、Wi-Fiはもちろん、M10-Pより受け継ぐ静音シャッターと背面タッチパネルが撮影フィーリングをより良いものにしてくれました。 PHOTO GALLERY まずはどれだけ緻密に描いてくれるかワンショット。いやはや、猛烈に写ります。カラーフィルターがないことによる曖昧さの一切ない写りがM Monochromの魅力ですが、解像
FUJIFILM X100V / SHOOTING REPORT 肌身離さず持ち歩け、撮影に没入できるカメラ。X100シリーズが絶大な支持を得ている理由はこれに尽きるのではないでしょうか。固定式レンズ、覗いて撮れるファインダー、操作性とルックスを両立させたクラシカルなデザイン。孤高のステイタスを保つ姿は、性能や機能をアピールするデジタルカメラの渦の中で、光り輝いています。2011年のデビュー以来、幾多のブラッシュアップを経ていますが、今回のリニューアルは全方位においてかなり大掛かりなもので、もはや別物と言っても良いレベルのプレミアムコンパクトカメラに仕上がっています。早速ボディまわりから見てまいりましょう。 ( Photography : Naz / Text : TAK ) LOOK & FEEL いやあ、カッコいいですよね。エッジの直角ぶりを見ただけで、「ものづくりの次元が上がった」と
祝! 黒白フィルム「ネオパン100 ACROS」再販 ACROS 100II で写そう 2019年11月に富士フイルムの黒白フィルム「ネオパン100 ACROSSII」が発売となりました。心よりお祝い申し上げます。 2018年に販売終了となった同フィルムですが、これを惜しむ声も多かったのでしょう。入手困難となった原材料の代替品を探し、製造プロセスを見直すことで、ここに新たなACROSが生まれました。再販(新発売)に至るまでにかかった期間は実に1年。デジタルカメラ全盛のこの時代に、需要の少なくなったフィルムを作り続けてくれるメーカーの努力には感謝の思いしかありません。 さてフィルムが市場に届けられたのなら、今度は私たちが応える番。この文化を継承していくには、私たちユーザが「フィルムを使って写真を撮る」こと、そしてそれを楽しむことが一番だと思います。 そんなわけで今回の企画、レビューではありま
TAMRON 24mm F/2.8 Di III OSD M1:2 Model F051 [ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率 [単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ タムロンからソニーのフルサイズEマウント向けとなる、広角系単焦点レンズを3本リリース予定があるとアナウンスされていたこともあり、気になっていた人も多いのではないでしょうか。その20mm、24mm、35mmのうち今回レビューをお届けするのは真ん中の「24mm F/2.8 Di III OSD M1:2(Model F051)」です。広角系の真ん中とあって20mmほどのパースはつかず、ほどよく伸びやかさを感じることができる焦点距離。おかげで水平垂直にめちゃめちゃ気を遣う必要もそこまで無いので、気の向くままに大胆に振り回して撮影すると楽しいレンズではないでしょうか。24mm単焦点、絞り開放2.8というスペック
FUJIFILM X-Pro3 / SHOOTING REPORT 前モデルからおよそ3年半を経て登場したX-Pro3。ここに改めてこのカメラの立ち位置をおさらいしておきましょう。 初代モデルにあたるX-Pro1は、富士フイルムのレンズ交換式デジタルカメラ「Xシステム」の幕開けを担うシンボリックな存在でした。同時に用意されたレンズが単焦点レンズ3本という極めてマニアックなシステム。このいかにも「カメラらしい」カメラが市場に受け入れられ、ユーザが増えてくると、キワモノばかりでなく一般的なニーズを満たすモノづくりが求められるようになります。こうしてボディは熟成を重ね、直近のX-T3など高い評価を得ているのですが・・・富士フイルムはやっぱり尖っていました。アイコンといえるX-Pro3、背面液晶を隠してしまったのです。 これは何を促すのでしょうか。「撮影するときはファインダーを覗いてよ」ということ
SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art [ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率 [単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ 「標準ズームレンズ」。それは私たちにとって一体何なのでしょう? カメラにフィルムを装填していたころは、「標準」といえば焦点距離50mmを指すものでした。そして今やその範囲は広がり、50mmを中心に広角から中望遠の焦点距離域までをカバーする「標準ズームレンズ」が大活躍しています。ここでご紹介するのは「SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art」ソニーEマウント用。シグマがミラーレス向けに設計したDNシリーズの新しいレンズです。近年、レンズ交換式のデジタルカメラには、キットレンズとして標準ズームレンズがセットになっていることがほとんどです。しかしキットレンズといっても最初の一本ですから、どのメーカーも手を抜くことなく
祝 PENTAX 100周年! - Chapter 3 レンズに迫る「Limitedレンズへのこだわり」 ペンタックスのLimitedレンズをご存知ですか? 多くのカメラメーカーではそれぞれが持つシステムで、特別なレンズをラインナップしています。一般的には光学性能が優れた上位ランクの製品がそれにあたりますが、そこはペンタックス。ひと味違います。実用的な光学性能だけでなく、鏡胴の素材や塗装をはじめとした造りのよさや、手にして愛でる楽しさまで1つの製品にまとめたレンズをラインナップしています。つまりそれが「Limitedレンズ」です。Limitedレンズは現在9本が製品化されていて、今回はその中からフルサイズ向けの3本をご紹介したいと思います。製品名にすると、smc PENTAX-FA 31mm F1.8AL Limited、smc PENTAX-FA 43mm F1.9 Limited、sm
ペンタックス100周年記念特集 PENTAXの“1”と“100” 「PENTAX」はその起源となった旭光学工業合資会社(当時)の誕生から、2019年11月27日で100年を迎えます。その長い歴史の中で、世界初TTL測光一眼レフ「 アサヒペンタックス・スポットマチック(SP)」、中判一眼レフカメラ「アサヒペンタックス6×7」、110サイズの小型一眼レフカメラ「ペンタックスオート110」など独自のカメラを送り出してきました。そしてデジタルも、コンパクトサイズから中判サイズまで様々なセンサーサイズのカメラを発売しています。歴史を調べると、世界初の技術、一眼レフへのこだわりなど随所にメーカーとして独自の路線が感じられ「面白い会社なんだ」とその世界に引きずり込まれていきます。ただ、その素晴らしさがあまり広く世間に知られていないようにも思われます。 100周年を記念してフォトヨドバシ編集部では、PEN
SIGMA fp | SHOOTING REPORT シグマから新しいコンセプトのデジタルカメラが登場しました。その名は「fp」。フルサイズセンサーを搭載するカメラとしては世界最小(幅112.6 × 高さ69.9 × 奥行き45.3 mm)・最軽量(422g)となるコンパクトなボディ。スクエアで機能的なデザインは、これまでのシグマの製品に通じる洗練された印象を持っています。最近のデジタルカメラは、写真撮影に加えて動画撮影にも力を入れた製品が増えていますが、fpではそれをさらに一歩推し進め、静止画と動画どちらにも最適化させたカメラを最小限のカタチにまとめてきたという印象です。実際に軍艦部のメインスイッチ横にはSTILL(静止画)とCINE(動画)を切り替える大きなスイッチがあり、シャッターボタンの横に大きなREC(録画)ボタンも配置されていますから、写真撮影を行うのと同じ感覚で動画撮影を行う
SONY α7R IV / SHOOTING REPORT 6100万画素。画素数は被写体をどれだけ細かく捉えるかを示す指針であり、画質を決める重大要素のひとつです。必要画素数は使用する目的次第ではありますが、目的自体も変わるのも現実。結局のところ、画素数が多いほど出力サイズの自由度が上がり、トリミング耐性も高まりますので、画素は出来るだけ多いほうが1カットの汎用性が高くなるのです。ただし高画素化が受け入れられるためには、画素ピッチの縮小に起因するノイズ性能や連写能力の低下などの弊害を克服せねばなりません。ご存知の通り、ソニーはCMOSイメージセンサーで世界トップのシェアを誇りますが、画素数に関して非常に柔軟な考えを持っています。高画素化、低画素化、双方のメリットを熟知しているからこそ、それぞれの方向に振ったモデルも提案することが可能なのですね。高画素モデルのRシリーズに関しては、4240
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