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ノーベル賞
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「意識のハードプロブレム」とは、1994年、第一回の意識に関する国際会議(ツーソン会議)で、哲学者デイヴィット・チャーマーズが提起したものです。彼は、意識を二つの問題に分けました。 一つは、イージープロブレムで、物質としての脳はどのように情報を処理しているのかという問題です。 これは、現在、脳科学の分野で、fMRIなどを使って盛んに研究されているものです。 もう一つが、ハードプロブレムで、主観的な意識体験はどのように発生するのかといった問題です。 主観的な意識体験とは、自分が見ている、感じているという意識して感じることができる部分です。 どうすれば、そんな意識が発生するのか、これがハードプロブレムの問題です。 なぜ、ハードプロブレムかというと、脳の観測からは見えてこないからです。 リンゴを見つけて、手で取って食べるまでの脳の信号処理の流れを完全に解明できたとしても、「リンゴを食べよう」と思
「太郎は花子が好きだ」をコンピュータに意味理解させました 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」批評5 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」には、コンピュータで文の意味を理解できない例がいくつか挙げられていますので、まずは、それらを紹介します。 「私はあなたが好きだ」と「私はカレーが好きだ」との本質的な意味の違いも、数学で表現するには非常に高いハードルがあります。(p.119) 一部のAI研究者は、・・・ たとえば、「机の上にリンゴと鉛筆がある」という文に対して、実際に机の上にりんごと鉛筆がのっている画像を合成できたら、それはAIが文の意味を理解したことになると主張します。 本当にそうでしょうか? では、「太郎は花子が好きだ」はどんな画像にするのでしょう。(p.137) 「太郎は花子が好きだ」という文は、まさにその通りの意味で、何か他のものに還元することはできません。 「花子
現在、AI関連の書籍で、「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」という本が売れているようです。 著者は、AIロボを東大に合格させる「東ロボくん」というプロジェクトで有名な新井紀子教授です。 「東ロボくん」プロジェクトには、当初から興味があったので、さっそく読んでみたのですが、自然言語処理の浅い理解や、「知能=偏差値」という思い込みなど、著者の主張には首をかしげざるを得ないことが多かったので、今回から何回かにわけて、本書について解説していきます。 AIが、大学の入試問題を解くとなると、数学や歴史の穴埋め問題なら勝算はあると思いますが、一番苦戦するのは国語です。 なぜなら、現在の自然言語処理では、文章の意味を理解することができないからです。 英語の翻訳なら、意味を理解できなくとも、それらしい翻訳を作り出すことは不可能ではありませんが、文章の意味理解そのものを問う国語の問題があるかぎり、東大
「東ロボくん」の目的は、AIにはどこまでできて、どうしてもできないことは何かを解明することでした。 そのためには、AIにできる能力を網羅的に調べないといけません。 新井教授は、能力を網羅的に調べるには、大学の入試問題が最適だと考えたようです。 大学で最も難しいのは東京大学です。 そこで、AIで東大合格を目指せば、AIに何ができて、何ができないか解明できると考えたようです。 こうして始まったのが「東ロボくん」プロジェクトです。 東ロボくんプロジェクトで、どうしてもAIにできなかったのが文章の意味理解でした。 そこから、 AI時代に生き残る人材とは、文章を理解できる人材だ そう結論付けました。 そこで、今度は文章の読解能力を測定するテストを開発し、子どもたちの読解能力値を測定したそうです。 すると、驚くほど、読解能力がない子どもが多かったそうです。 このテストですが、偏差値の高い大学の学生ほど
次世代AIの提言 AIの意識×言語の意味理解 Next ChatGPT いかにして意識を発生させるか。分かりやすく動画で解説。 ロボマインド・プロジェクトとは・・・ ディープラーニングで、囲碁や将棋では、世界チャンピオンに勝てるAIが出現してきました。 でも、そのAIが勝てるのは、囲碁や将棋だけです。 できるのは、一つの仕事だけ。 これを、特化型人工知能といいます。 僕たちが必要としているのは、「あれをやって」と頼めば何でもやってくれる人工知能です。 かといって、世界チャンピオンに勝つような難しい仕事を頼みたいわけではないのです。 頼みたいのは、人間なら誰でもできる簡単な仕事です。 ちょっとした調べ事を頼んだり、ちょっと、話し相手になってもらったり。 人間のように、何でもできる人工知能、これを汎用人工知能(AGI: artificial general intelligence)といいます
僕は、このブログでAI技術以外のことは書かないことにしていますが、「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」批評2では、つい、教育に関して書いてしまいました。 新井紀子教授の主張が、あまりにも一方的で、人間のほんの一面しか捉えていないからです。 すると、ある小学校の校長先生から、感想をいただきました。 本人の許可をいただきましたので、その内容を載せさせていただきます。 新井紀子「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」についての批評を拝読しました。 新井先生の御本が教育界に与えたインパクトは相当大きなものだと感じています。 特にアクティブラーニングを推奨していた方々の反論があっても良さそうなものですが、それがないのが気がかりでした。 しかし、それ以上に気がかりなのが、読解力の定義です。RSTに示された6つのテストパターンのみで偏差値として基礎読解力が評価されていいのかという問題です。
今日は、AIロボット、ロボ太の初めてのアルバイトの日です。 ロボ太は、お好み焼き屋でアルバイトをすることにしました。 さっそく、二人連れのお客さんがやってきました。 ロボ太 「いらっしゃいませ」 客 「僕は、焼きそば。こいつは、お好み焼き、ブタ玉で。」 ロボ太は、いきなり焦りました。 「僕は、焼きそば」と自己紹介したということは、この人は、「焼きそば」なのか?! 見た目は人間なのに、焼きそばとは。 で、もう一人は、お好み焼きなのか。 しかも、ブタ玉! どうも、画像認識機能にバグがあるようだ。 博士にいって、修正してもらわねば。 客 「それから、お好み焼きには、マヨネーズを、たっぷりかけてちょうだい」 ロボ太 「えっ、お好み焼きさんに、マヨネーズをかけるのですか?」 客 「うん。端までたっぷりかけてあげてよ」 変な要求だなぁと思いつつ、ロボ太はマヨネーズを取り出し、もう一人の客の頭の上から
今回は、前回の「シンボル・グラウンディング問題(記号接地問題)が解決しました1」の続きとなります。 オリジナルのシンボルグラウンディング問題を例にあげ、さらにディープラーニング、話題のAIスピーカー、意識の仮想世界仮説との関係を説明します。 シンボルグラウンディング問題は、スティーヴン・ハルナッド氏によって1990年に命名されました。 氏は、シマウマを例に挙げて説明しています。 「シマウマ」とは、「シマ模様のある馬」と定義できます。これは、言葉(記号)で「シマウマ」を定義したものです。 「シマウマ」を見たことがない人でも、この説明を聞いて、初めてシマウマを見たとき、「シマ模様のある馬だ。あれが話に聞いていたシマウマか」とわかるでしょう。 それでは、AIにシマウマの定義を教えて、同じように、シマウマを見た時、これが「シマウマ」だとわかるでしょうか? AIにとって「シマ模様のある馬」という説明
フレーム問題って何? AIの歴史について調べていると、必ず出てくるのが人工知能最大の難問と言われる「フレーム問題」です。 フレーム問題の話が出てくるたび、「最大の難問と言われるけど、これって、どこが難問なの?」といつも思っていました。 「普通に考えれば簡単に解ける問題を、無理に難しくしているだけじゃないの?」と。 ところが、時代背景も考慮して、改めてフレーム問題について調べてみると、おぼろげに、その真の意味が見えてきました。 フレーム問題を提唱したのは、計算機科学者のジョン・マッカーシーです。 フレーム問題の例は、いろいろあるようですが、一番有名なのが、哲学者のダニエル・デネットのロボットの話です。 それでは、さっそく、デネットのロボットの話を、wikipediaから以下に引用します。 状況として、洞窟の中にロボットを動かすバッテリーがあり、その上に時限爆弾が仕掛けられている。 このままで
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