誰しも、子どもの頃に通るのが怖かった道というのがあると思う。 子どもにとって世界は未知にあふれている。隣の町に行くだけで決死の覚悟の大冒険だった。なんで道を歩くだけであんなに怖かったんだろう。 先日、母が亡くなって、思い出めぐりのために約30年ぶりに子どもの頃住んでいた町を訪れてみた。懐かしさのついでに、子どもの頃歩くのがめちゃくちゃ怖かった道を再び歩いてみることにしたのだが……。 ・昭和から平成へ 1983年から1995年……私が0歳から13歳まで住んでいた町は、繁華街からほど近い場所にあった。 ちょうど昭和から平成へと移り変わる混沌とした時代で、宮崎勤が起こした連続幼女誘拐事件など、子どもがいなくなる事件が多発していた。 当時はまだ野良犬もその辺をウロウロしていたし、夏休み近くになると学校の近く怪しいセールスマンが教材を売りつけにきたりと、とにかく学校帰りは危険が多かったと思う。 つい