情報処理学会誌に、ちょっと目にとまった記事が載っていた。 NIH(Not Invented Here)症候群がソフトウェアの再利用化を阻んでいる要因の一つになっているというのである。「人は他人が作ったものを信用しない、自分で同じものを作りたがる、細部の詳細が分からない、ここの実装方法が気に食わない、効率が悪いなど、様々な理由を並べて既存部品は使わず、自分で同じものを作ろうとする。」という意味で言われているそうだ。 ソフト開発に携わった経験のある方なら、誰もが思わずうなずいてしまう言葉でもあると思う。 ただし、私がNIH症候群という言葉に感じたのは、もう少し別のことであった。 かつては、日本の企業は海外の技術や発明を学び、それを取り入れて量産化して成長してきた。ところが、経済が成長し、自動車や半導体や家電製品が世界の産業界を席巻するようになった頃から、人マネではない独自の技術開発をという意識