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「人との出会いは貴重です」 改めてそう思った出来事がありました。 とても悲しい話でもあるのですが、お伝えしておきたいと思い、ここに記します。 ツイッターでがん治療に関する情報発信を始めて、1年ちょっとになりました。今となっては多くの方にフォローしてもらっておりますが、開始当初の頃は大変にさびしい活動でした。 何を書き込んでも、ほとんど反応を得られず。 「こんなことしても時間の無駄なのでやめようか」とすら考え始めていました。 そんな中で一人のがん患者さんに出会いました。yskさんです。 若くして進行した小腸がんにかかられて闘病中の患者さんでした。yskさんは私のツイッターアカウントを一番最初の頃にフォローし始めてくれた方でした。 私が書き込むがんの情報発信に対して、いつも「いいね」をくれたり、温かいコメントをしてくださいました。私は反応をもらえること自体がとても嬉しかったです。 何より、がん
世界中の医学研究を徹底的に比較してわかった 最高のがん治療 いよいよ、思いを込めた本が販売となりました。大事な自分の命、大切な家族もいるのに、治療を放棄して、普通の食品に命を預けてしまう人がいます。世間に広がる不正確な医療情報に翻弄され、命を危険にさらす患者さんが多数います。その悲劇を止めたいと、この本を作りました。ぜひ、読んでいただきたいです。 ・Yahoo個人オーサーで抗がん剤に関する記事を公開。(2022/11/11) ・毎日医療プレミアの連載で余命宣告に関する記事を公開(2022/10/30) ・毎日医療プレミアの連載で医療本に関する記事を公開(2022/8/28) ・ホリエモン(堀江貴文)さんとの対談が公開されました。(2021/4/2)
国立がんセンターは定期的にがんに関した統計データを公表しています。この資料は大変に貴重なもので、このデータを見ると、日本のがん治療の現状を読み解くことができます。 今回は最新データの中から、皆さんに特に知っておいてもらいたい大事なデータをピックアップして、それに私の説明を加えて、がん治療の現状を解説したいと思います。 ネットにはがん治療に関する様々な情報が広がっていますが、曲解や嘘も多く、実際の現状を誤解されている方も多いです。怪しい情報に踊らされて、間違った判断をしないためにも、日本のがん治療の現実を正しく知ってもらえればと思います。 がん患者数・死亡数は増加している がんでどのくらいの人が実際に亡くなられていて、どのぐらいの人が新たにがんと診断されているかをまずお示しします。 2017年にがんで死亡した人は373,334人(男性220,398人、女性152,936人)。 2016年に新
本当に、本当に、皆さんに知って欲しいことがあって、今回は強い思いを持って、この記事を書きます。是非読んでいただければと思います。 ネットや書籍には、がん治療に関した大量の情報があふれています。本当に大量です。そしてその情報の中には、病院で行われている標準治療(科学的証拠に基づく最善の治療)を否定して、根拠の明確でない治療を勧めるものが多くあります。 「手術は受けるべきではない」「抗がん剤は患者を殺す」などといって、その代わりに代替療法(効果が証明されていない治療)を勧めます。癌に効くという食品や、食事方法やら、体温を上げるやら、癌の専門家からみれば呆れるものばかりです。 これはとてつもなく怖いことで、ネットに広がる情報を信じて、標準治療を放棄してしまい、代替療法を中心に治療を進めてしまい、急激にがんが進行してしまうケースが実際に多く見られています。情報は人の命を簡単に奪います。 今回は、実
はたらく細胞という漫画をご存知でしょうか?体の中にある血球細胞を擬人化するという斬新な漫画で、人の体の中で血球細胞がどのように働いて健康を維持しているのかや、病気にどのように対処しているのかを知ることができます。血球細胞は本当にたくさんの種類があって、生物の教科書では何だかわからなくなることが多いのですが、漫画で分かりやすく学ぶことができます。 最近にアニメ化されて放送されていて、とても人気となっているようです。第7回が、「がん細胞」がテーマでした。 「はたらく細胞」公式ツイッターより 正常細胞に化けた癌細胞が免疫細胞に見つかり、激しい戦いの末に排除されるというストーリーでした。癌の初期発生を防ぐプロセスを紹介した話です。ぜひ、まだご覧になっていない方は見て下さい。Abema TVで見られるようです。 この話を見られ方は癌について詳しくなったのではと思います。この機会に癌のことをもっと知っ
ネットには様々な医療情報が広がっています。参考になる正しい医療情報もありますが、中には完全な嘘の情報も見られます。とても恐ろしいのは、その嘘の中には本当に生命を脅かしかねない深刻なものも見られます。癌領域では、「早期癌が見つかっても、手術や抗がん剤治療を受けてはいけない」などの、とんでもない嘘が平気で書かれています。ちゃんと治療を受ければ、ほぼ確実に治癒できるのに、この嘘によって生命を失う危険すらあります。 こんなネット社会においては、自分自身や家族を嘘からちゃんと守らないといけません。そのために、私が大事だと思うのは、ネット上の医療情報の特徴を良く知っておくことと、正しい情報の見つけ方を知ることです。今回は、ネット上の医療情報の特徴と正しい医療情報の見つけ方について解説します。 ネット上の医療情報の特徴 ネット上の医療情報というのは、テレビや新聞での報道のされ方とは違う特徴がいくつもあり
日本の新聞やインターネット上には、癌治療に関する記事や広告であふれています。その中には、新治療が発見されたとして研究論文の内容を紹介しているものや、販売している治療の効果を証明するために論文を引用していたりします。論文は科学的発見を証明するものですので、良く引用されて使われます。ただ、それらの記事や広告を見ていると、その論文の意味や価値を、本当に正しく理解しているのか疑問を抱くものも多々あります。 新治療を紹介する新聞記事では、かなり研究の初期段階にある治療をあたかもすでに効果が確認されたかのように書いていたりします。また、患者にとって大きな問題だと思うのは、イカサマ癌治療の広告です。本当は治療効果を明確に示している論文ではないものを引用して、治療効果があるように謳っていたりします。 一般の方は、研究論文が出ているということは効果がしっかりと科学的に証明されていて、信頼できる治療だと思いま
最近、ある方に聞かれた質問の答えで悩んでしまいました。その質問というのは、「友達が末期癌であることがわかってしまったのだが、その人にどう接して、何て声をかけて励ましてあげれば良いのでしょうか?」というものでした。その方は大切なご友人のために、何かをしてあげたいと心から思っていました。しかし、どうすれば良いのか分からなくて悩んでいました。 私はこの問いを聞かれた時に、正直なところ、良い答えが見つかりませんでした。私が癌研究者として、患者にしてあげるアドバイスはいろいろと考え付きます。しかし、専門的な医療知識があるわけでもない一般の方が、末期癌の友人に対して、かけられる言葉はなんだろうと考えたら、簡単ではなく、とても難しい質問だと思いました。 それから、この問いの答えはなんだろうと考えていました。最高の答えがあるのかも分かりませんが、自分なりの答えを見つけようとしていました。先日、その自分なり
日本社会には、健康に関わる食品の情報や、癌などの病気治療に関するひどい情報があふれています。そこで良く見られるのが、「患者の経験談」などの少数例の治療成績による効果の紹介です。これらは一見すると信頼できそうですが、ほとんどの場合において、効果を正確には表しておらず、ひどい場合には騙す目的で使われています。 なぜ、少数例の結果では判断できないのでしょうか?その理由は、医療の治療成績のデータが、他のデータとは違う特徴を持つためです。今回は、がんの治療成績の具体的なデータを紹介して、何が特殊で、個別の治療成績がなぜ効果を表さないかについて解説します。癌の治療成績を中心に解説しますが、今回の内容を理解してもらうと、医療情報を理解する上での基礎的な情報リテラシーの一つを身につけられるのではと思います。 ネットにあふれる1例の結果 ネットのがん治療に関した書き込みで、「この治療を受けた方で、余命半年と
がんの治療には大きく分けて二つの形態があります。一つは確実な効果がすでに証明されていて、病院で保険診療として行われる標準治療です。もう一つは効果がまだ未確認の未承認治療です。 この未承認治療には、未来の新治療になるのを目指して開発中の治療が入っており、実際に将来的に効果が確認されるものが含まれます。しかし、日本ではお金儲けの怪しい民間療法や自由診療も、未来の治療であるかのように装って、この未承認治療に含まれています。大きな問題は、一般の方の知識ではどの未承認治療が期待できるもので、どれが怪しいものなのか区別つけられません。そこで、今回のブログでは未承認治療にはどのようなものが含まれていて、その中のどれが本当の治療効果を期待できるものなのかについて解説します。 薬の開発プロセス まず、今回の話を理解してもらうために、基礎知識となる「がんの新薬が開発されるプロセス」について簡単にご説明させても
ネットでがん治療を調べると、「日本のがん死亡率は、先進国の中で唯一上昇している」という話が良く出てきます。そして、この言葉がでるとお決まりのように、日本でしか抗がん剤が使われていないからだとか、日本の標準治療がひどいという文句がでてきます。この話から病院での治療に不安を感じる方もいます。もちろん、日本だけで死亡率が上がっているというのは完全な嘘です。今回はこの嘘について解説したいと思います。 日本のがん死亡率は低下し続けている まず、WHOの実際のデータを使って、日本のがん死亡率はどうなっているのかをお示しします。WHOサイトのグラフをそのまま以下に引用します。 こちらは、日本を含めた各国の「男性のがんによる死亡率」を比較したものです。日本は真ん中の図の中で、緑で表されています。日本は1990年代後半をピークに、その後はどんどん下がってきています。この傾向はほとんどの先進国で同様です。日本
抗がん剤とはがん細胞の増殖を抑える薬剤のことです。抗がん剤には効果もあるが、吐き気などの副作用を伴うこともご存知かと思います。この副作用のために、抗がん剤に対して否定的な意見をいう人が多いのも事実です。では、なぜ副作用がある抗がん剤をわざわざ使わないといけないのでしょうか?疑問を抱く人も多いかと思います。風邪薬などの一般的な薬にはひどい副作用はほとんどありません。なぜ、がんの薬剤は強い副作用があるにもかかわらず使うのでしょうか?今回は、その疑問について、私なりに答えてみたいと思います。 がん治療とは何をする治療? 最初に、がん治療とはそもそも何をしようとしている治療なのかについて説明します。ここが理解してもらうためにとても重要です。とてもシンプルにいえば、お薬を投与することで、がん細胞のみを殺して、正常細胞には全く害を与えないようにしようとしている治療です。当たり前のことのようですが、実は
「アメリカでは抗がん剤はもう使われていない、FDA(アメリカ食品医薬品局: 薬の承認をするところ)は抗がん剤を禁止している」という嘘も、ネットで良く見られます。こちらもWHOが抗がん剤を禁止していると同じタイプの嘘です。一般の人の多くが、英語で専門的な情報を調べられないという隙をついたもので、また日本人はアメリカでやることを信じる傾向があるので、アメリカを出すことで信じさせようとする嘘です。 これは全くの嘘です。アメリカで抗がん剤治療は禁止されているどころか、今でもたくさん行われており、多くの患者さんが抗がん剤治療を行い、がんと闘っています。医療者側としてはバカバカし過ぎる嘘なのですが、一般の方が簡単には見抜けませんので、この機会に明確に否定しておこうと思います。 FDAは抗がん剤を禁止していません FDAは抗がん剤を禁止するどころか、がん治療に使ってもらうためにたくさんの抗がん剤を承認し
ネットにはがんに効くと主張する食品や、様々なタイプの未認可のがん治療が紹介されています。その多くは全く効果を期待できないものですが、一般の方がそれを見抜くのは難しいです。ただ、がん治療の専門家は簡単に見抜くことが可能です。なぜなら、それらには普通ならありえない説明が多数されているからです。今回は、イカサマ治療に多用されている宣伝文句に注目して、こんな言葉や説明があったら危険信号というのを紹介して、それはなぜなのか解説したいと思います。このアウトな宣伝文句を理解しておけば、イカサマ治療に騙されるのを防げるのではと思います。では、順番にアウトな言葉を紹介していきます。 どの癌にも効きます これは本当に多いです。「どの癌でも効果が期待できます」とか書いてあります。がんは数千の別の疾患の集まりです。全てのがんに効く治療などありえません。この文言が出た時点で、この治療を売っている人は、お金儲けをした
がんはどうしてできるのでしょうか?化学物質などの暴露が原因?がん患者さんが何か過去に悪いことをしたことが原因?それともただの偶然?皆さんがよく抱く疑問について、がん研究者として答えたいと思います。 がんができる3つの主要因 がんがなぜできるのかというのには色々な議論がありますが、すでにたくさんのことが分かってきています。がんが発生するには、大きく分けて3つの要因が関わっています。1つは、異常な遺伝子を親から引き継いだことで起こる遺伝的要因。2つ目は、ヒトが生きている間に行われる細胞分裂で偶然にできてしまう偶発的要因。3つ目は、タバコを吸ったり、特定のウイルスに感染して起こる後天的な環境要因。皆さんよくご存知なのは、1つ目と3つ目になるかと思います。多くの人は「うちはがん家系だから」とか、「運動しなかったからだとか」そういうことをいう人が多いです。実際のところは、その3つはどの程度関わってい
バズフィードに掲載された写真家 幡野広志さんへのインタビュー記事がとても印象的で、たくさんのことを考えさせられました。このブログでも紹介させてもらい、私が思ったことを書かせてもらいます。 元記事はこちらになります。 がんになったカメラマンが息子に残したいもの 大事な人が少しでも生きやすい世の中になるように 写真家 幡野さんは34歳という若さで末期ガンという診断を受けてしまい、崖っぷちに突然落とされてしまいます。彼には1歳半の息子さんがいました。彼は診断された時のことをこうふりかえっています。 痛みに耐えきれなくなった11月、ようやく総合病院でMRIを撮り、「背骨に腫瘍があります」と告げられた。一人で結果を聞いた幡野さんに、主治医は「背骨に転移しているということは相当末期状態です。場合によっては3ヶ月から半年ぐらいですよ」と突きつけた。 当時1歳半になったばかりの長男や妻のことを思い、一晩泣
インターネット上には、ある特定の食品・光・音などが「がん」治療に効果があるという書き込みが山ほど見つかります。商売目的の悪質なページもありますが、それとは別に一般の人が気楽にそれらをtwitterやfacebookでシェアして、広がっているのも見かけます。おそらくは、それほどの悪気はなく、がん患者のためや、一般の人のがん予防のためになるのではと、投稿やシェアをしているのかもしれません。健康情報を発信している延長として行っているかもしれません。はっきりと言いたいのは、デマ情報は何の役にも立ちません。むしろ、患者やその家族を傷つけるだけですので、本当に止めてもらいたいです。 その情報は本当に根拠がありますか? これはがんに効くと書かれている方は、良く考えてみてください。それは100%根拠がありますか?何百人という患者で試して、絶対の効果を試したものですか?あなたはその食品だけを食べて、がんが治
がんになるのを防ぐ「予防」と、がんを治す「治療」を混同して考えている人が多くいます。この二つはとても似ているようにみえますが、全く別のものです。予防に効果があるからといって、治療に効果があるとは限りません。がん予防に効果があるという話から、治療にも効果があるという話のトリックで宣伝している食品などに、騙されないように注意をしましょう。 禁煙でがんを治療できる? 例えば、たばこはがん発症に強い影響があります。禁煙はがん予防に絶大な効果があります。しかし、がんになったあとにたばこをやめても、がんは消えません。もちろん新しい他の病気を予防することはできるので禁煙は大事です。しかし、直接的ながん治療にはなりません。予防と治療というものは、似ているようで全く違うものです。 発がんとは青少年がヤクザになる過程 がんは、もともとは正常な細胞に、遺伝子異常が起こり、何年もかけて変化していき、さらに異常が加
ネットでがん治療と検索すると、山ほど嘘の情報が出てきます。その中でもよく見る嘘が、「抗がん剤を使っているのは世界の中でも日本だけで、他の国では禁止されている。WHOは抗がん剤使用を禁止している。そのために日本のがん治療成績はアメリカと比べてとても悪い」というものです。なんだかそれらしいグラフとか、なんだか偉そうな人の写真とかでてきます。抗がん剤否定信者がよくこの手の書き込みをしています。 もちろん、これはとんでもない嘘です。実は、この嘘については以前からネットで良く見ていましたが、医療者からすればバカバカしすぎる嘘で、いちいち否定する必要もないかと、あまり気に留めていませんでした。しかし、ネットで患者さんや家族と交流するにつれて、この嘘を信じている人も多く、たとえ完全に信じるまでいかなくても、この嘘に悩まされていることが多いと知りました。そのため、今回の投稿ではこの嘘についてちゃんと解説し
がん治療についての大きな誤解の一つが、「料金が高い治療ほど効果がある」というものがあります。日本においては、これは明らかに間違いで、「安価な治療ほど良い」と言えます。 標準治療と自費診療 がん治療には大きく分けて二つの種類があります。一つは、標準治療と言われる病院で行われている治療です。これらは健康保険の適応になりますので、一般的に安価な治療です。 もう一種類の治療は、自費診療といわれるもので、小さなクリニックなどを中心に行われているもので、健康保険が適応されません。これらの治療は保険がきかないために、一般的に高額の料金を請求されます。 高額な料金がかかる自費診療は、価格が高いので、良く効きそうに思う方も多いと思います。それに対して標準治療は料金が安いので、それほど効果ないと思われるかもしれません。これは全くの勘違いで、標準治療は世界で最も効果が確認されてる治療で、自由診療とは効くことが証
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