こういうトラックバックをもらい、ふと考えることがあった。このトラックバック先では、『昭和ナショナリズムの諸相』という本に関して、次のように述べられている。 私が不勉強なのは認めるとしても、普通に生活してて教科書や新聞などで目にしたことすらない人たちを「知ってて当然!」という前提で話をすすめる不親切さには辟易。 (中略) 論文集だからしょうがない、がんばって読むしかない、読める人しか相手にしない、とでも言いたいのか!? もしそうなら、書店に並ぶ一般書として発売せず、学術書として、ナショナリズムを考える業界の方々だけで楽しんでいただきたい。 この引用文に、学術論文というものの抱える非常に深い難問がよく現れているように思う。今日はこのテーマについて書いてみたい。 僕が学術論文というものを最初に書き始めた当初、指導教授によく言われたのが「学会の平均水準を知ること」であった。つまり、学会で「常識」と