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夏の料理
takeosa75.hatenablog.com
読んだのは結構前なんですが、やっと時間ができたので、ここで今の感想を備忘録的に書いておきます。 中国共産党の歴史 作者:高橋 伸夫 慶應義塾大学出版会 Amazon 中国共産党の百年ということで、最近、多くの中国共産党に関する著作がでているが、前回に紹介した石川禎浩さんの本と並んで、共産党の設立から現在に至るまでを描いた重要な著作となるのが本書であるだろう。 本書は、冒頭に、如何にして共産党の百年を描くのは難しいのかをまず描いている。 それは単に百年という歴史の長さだけでなく、本家本元の中国においては政治と不可分である上に、ほとんど極限まで細分化され、あらゆる時期、あらゆる人物、あらゆる事件についてそれぞれ山のように多くの専門家が控えている。そのため、中国において共産党の誕生から現在までを一人で論じようとする学者はいないだろう、と言っているのはおそらく正しいだろう。 実際、今のところ、一人
昨年末に某所より「短文」を書いて欲しいと頼まれ、前から関心のあった中国の歴史教科書問題について書きました。しかし、相手先の事情もあって、この「短文」は「没」となりました。 少し手を加えて、どこかに持ち込もうかとも思いましたが、本文で言及している教科書を未だに入手しておらず、このような問題について実際の教科書を読むことなく「論ずる」のはやはり問題であろうと思い、没にしました。未完成のメモという形で、記載しておきます。 この問題は、おそらくまた議論になると思いますので、引き続きウォッチしていこうと思っております。その時にまた追記するかもしれません。 以下、本文。 中国の歴史教科書はどこに行く? 中国の教科書は、国家が作成し各地の学校に使用させる、いわゆる「国定教科書」ではないということをご存じであろうか?2005年に中国で反日デモが起こった際、その原因は中国の「国定教科書」の「反日」的な記述の
拙稿「虚妄の歴史を越えて−ユン・チアン、ジョン・ハリデイ『マオ』を読む」『春秋』2006年10月号をこちらにも再録します。 「虚妄の歴史を越えて−ユン・チアン、ジョン・ハリデイ『マオ』を読む」 大沢武彦 私が大学に入学して中国近現代史に興味を持ち始めた頃、ちょうど読んだのがユン・チアンの『ワイルド・スワン』(土屋京子訳講談社)であった。自身の家族史を軸として、まさに中国近現代史の荒波を描ききった佳作として非常に興味深く読んだ思い出がある。 彼女とその夫であるジョン・ハリデイの『マオ 誰も知らなかった毛沢東』(土屋京子訳 講談社)が本屋で大きく平積みされたのを見て、懐かしく思い手に取った。しかし、同書を読み始めてみると、中国近現代史を学んできた者にとって、多くの奇妙な記述に次々とぶつかった。安っぽいモンスターのような毛沢東、史料的裏付けが極めて怪しい断定の連続で、私は当惑しあの『ワイルド・ス
昨日の中国現代史研究会で報告したレジュメを一部訂正・改変して掲載します(長くて申し訳ないです)。 ユン・チアン,ジョン・ハリディ著『マオ−誰も知らなかった毛沢東』をめぐって 大沢武彦(アジア歴史資料センター調査員・日本大学生産工学部非常勤講師) @中国現代史研究会 2006年7月21日 Ⅰ.はじめに 中国近現代史を根底から覆す衝撃の話題作 建国の英雄か、恐怖の独裁者か。 20世紀の中国を白日にさらす (ユン・チアン,ジョン・ハリディ『マオ−誰も知らなかった毛沢東』講談社、2005年、帯より) 伝説から真実へ、神話から史実へ−虚飾のヴェールを剥ぐ話題の書 (『読売新聞』2006年1月22日講談社広告欄より) ユン・チアン(張戎)(*1),ジョン・ハリディ『マオ−誰も知らなかった毛沢東』(以下『マオ』と略)は、中国近現代史を扱ったノン・フィクションとしては異例の反響を巻き起こした。 ◎出版の過
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