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★新刊が続々と生み出される以上、取り上げないわけにはいかない。しかし「コロナ以後」の出版業界の変化を受け止めるにつけ、新刊紹介だけに留まるわけにはいかなくなっているのは明白です。ここしばらく、出版業界についてちゃんと意見を言う必要性を感じています。まず今回はその序文となるべき部分を手短かに書きたい。 ★コロナ禍により大書店への訪問機会が削られている現在、新刊については専門書だけでなく文庫や新書すら買いにくくなっている。もとより中小書店への配本が少ないうえに、再入荷もしない。取次が近年喧伝するマーケットインというのは「書店が欲しい本を欲しいだけ入手できる」施策を指すわけだが、版元がパターン配本を減らし、取次が返品を減らすために書店に責任転嫁している側面がかいま見えることは否めない。書店があらゆる客層に開かれた場所である以上、新刊をえり好みするわけにはいかない。しかし版元のパターン配本に頼るの
エリゼ・ルクリュ(Élisée Reclus, 1830-1905)フランスの地理学者。『19世紀世界地理』古今書院。 栗原康(くりはら・やすし、1979-)政治学者。東北芸術工科大学非常勤講師。『死してなお踊れ』河出書房新社。 ピーター・ホルワード(Peter Hallward, 1968-)イギリスの哲学者。キングストン大学教授。『ドゥルーズと創造の哲学』青土社。 小泉義之(こいずみ・よしゆき、1954-)哲学者。立命館大学教授。『ドゥルーズの哲学』講談社学術文庫。 田尻歩(たじり・あゆむ、1988-)美学研究者。一橋大学大学院博士課程在籍。 佐藤嘉幸(さとう・よしゆき、1971-)哲学者。筑波大学准教授。『新自由主義と権力』人文書院。 C・L・R・ジェームズ(Cyril Lionel Robert James, 1901-1989)トリニダードの作家。『境界を越えて』月曜社。 中井亜
目次: [日本語版序文]ようやく! そして、メタヒストリーを再考することの意味について [四〇周年記念版への前書き]「きみが手にしているすべてが歴史だ」(マイケル・S・ロス) 四〇周年記念版への序文 一九七三年版への序文 序論 歴史の詩学 歴史学的作品の理論/プロット化による説明/形式的論証による説明/イデオロギー的意味による説明/歴史叙述のスタイルという問題/喩法の理論/一九世紀の歴史意識の諸段階 第Ⅰ部 受け入れられた伝統――啓蒙と歴史意識の問題 第1章 隠喩とアイロニーのはざまの歴史的想像力 はじめに/啓蒙の歴史叙述の弁証法/歴史叙述の伝統的な概念/歴史、言語、プロット/懐疑主義とアイロニー/啓蒙以前の歴史叙述の主要形式/ライプニッツと啓蒙/歴史の場/啓蒙の歴史叙述の到達点/啓蒙の歴史叙述に対するヘルダーの叛乱/ヘルダーの歴史理念/ヘルダーからロマン主義と観念論へ 第2章 ヘーゲル―
アマゾンが「返品可否の確認」と題した何やらとても抽象的な返品依頼を突如としてメールで送りつけてきました。送信日は、よりによって、今般の「バックオーダー中止以後の概況」についての説明会で提示された直取引をめぐる新条件の、有効期限最終日の日没どきです。非常に嫌なタイミングとしか言いようがありません。 1)仕入れた取次へ返品すべき。日販か大阪屋栗田か、返品先が不明瞭では了解できない。 2)返品理由が曖昧。長らく不稼働、の「長らく」の基準が示されておらず、アマゾンの需要予測自体がそもそも疑問になってくる。 3)以上のことを問い合わせようにも、メアドと部署名だけで、担当者名も電話やFAXなどの連絡先も何も書いていないのは非常識。 4)回答期限まで3~4営業日しかないのは一方的過ぎる。 5)バックオーダー中止と同じく、このやり方※は版元には「恫喝」に見えがち。 ※このやり方・・・アマゾンのメール文中に
アマゾン・ジャパンが日販や版元に申し立てている「引当率」の根拠がいかに(版元にとっては)ずさんなものかが分かる証言がここ最近改めて出始めています。某版元営業さんのツイートによれば「アマゾンより「貴社欠品状況と日販引当率をお知らせします」というメールがくるようになったけど、100点ばかりあげられている「需要高カート落ち商品リスト」の内容が、すべて旧版やVANでも品切れにしているものなんだが。日販に補充しろといわれてもな」と。 こうしたメールはまだ弊社には届いていませんが、他社さんからも同様の感想を聞いています。メールでお知らせが来るということは、おそらくベンダーセントラルに登録している版元を中心に、順次送っているのだと思われます。アマゾンはバックオーダー発注停止に伴う説明会の折に、数字を羅列しただけでまったく具体的な書名を挙げていない引当率のデータを版元に提示し、混乱した印象しか与えてきませ
大量殺人の“ダークヒーロー”――なぜ若者は、銃乱射や自爆テロに走るのか? フランコ・ベラルディ(ビフォ)著、杉村昌昭訳 作品社、2017年6月、本体2,400円、46判上製295頁、ISBN978-4-86182-641-2 ★先月(6月29日取次搬入)発売済。原書は『Heroes: Mass Murder and Suicide』(Verso, 2015)であり、翻訳にあたってフランス語版『Tueries』(Lux Editions, 2016)も参照されています。目次を以下に列記しておきます。 [英語版への序文]なぜ若者は、銃乱射や自爆テロに走るのか? [フランス語版への序文]人間を死に追いやる現代資本主義社会 第1章 “俺はジョーカーだ”――オーロラ銃乱射事件とホームズ 第2章 “人間は課題評価されている”――ヨケラ高校銃乱射事件とオーヴィネン 第3章 “死ぬ直前、一瞬だけ勝者に”―
「DIAMOND online」2017年7月25日付、須賀彩子(ダイヤモンドZAi編集部)氏記名記事「ヤマトがアマゾンに1.7倍の運賃値上げと総量抑制を要請、ヤマ場は9月」によれば、ヤマト運輸はアマゾン・ジャパンの宅配便数の4分の3を担っており、残り4分の1は日本郵便だと言います。記事ではアマゾンからの荷物の平均単価はヤマトの運賃表の4割程度であり、「これは2013年に佐川急便が利益が出ないとしてアマゾンの仕事から撤退したときの価格に等しい」と。ヤマトは値上げを要求し、さらに現在引き受けている宅配便のうち20%前後の荷物は引き受けられないとも伝えていると言います。詳しくは同記事をお読みください。コメント欄付のヤフーニュース版はこちら。 記事によれば「アマゾンは、自前で物流網を築くとしているが、「そんなにすぐにはできない。4~5年は要するだろう」(物流関係者)という」。時間がかかるだろうこ
「文化通信」2017年7月3日付記事「アマゾン、取次へのバックオーダー6月末で全面停止」によれば「アマゾン・ジャパンは本紙取材に対し、かねて出版社や取次に告知していた通り6月30日で日本出版販売(日販)へのバックオーダーを停止することを明らかにした。一方、出版社には取次との流通改善で対応しようと…」(以下有料)。業界全体にとって重要な内容なので、これはできれば無料で公開していただきたかったですが、同日付の紙媒体1面記事を参考に私が気になったポイントをまとめておくと次のようになります。 1)バックオーダー停止は出版社2000社以上に通知し、合計35回の説明会に520社超が参加。直取引である「e託」への申し込みは駆け込みで増加したものの成約数は未公表。
『ラディカル無神論――デリダと生の時間』マーティン・ヘグルンド著、吉松覚/島田貴史/松田智裕訳、法政大学出版局、2017年6月、本体5,500円、四六判上製478頁、ISBN978-4-588-01062-0 『法が作られているとき――近代行政裁判の人類学的考察』ブルーノ・ラトゥール著、堀口真司訳、水声社、2017年6月、本体4,500円、四六判上製473頁、ISBN978-4-8010-0263-0 ★ヘグルンド『ラディカル無神論』の原書は『Radical Atheism: Derrida and the Time of Life』(Stanford University Press, 2008)です。ヘグルンド(Martin Hägglund, 1976-)は、スウェーデン出身の哲学者で、現在イェール大学比較文学・人文学教授。本訳書は著者にとって英語で刊行された初めての著書であり、単行
月曜社 2017年8月 本体予価3,800円 四六判(縦188mm×横128mm×束30mm) 上製576頁 ISBN978-4-86503-049-5 内容:〈人種差別〉と〈ポピュリズム〉の結託に抗する闘いと思考――ギルロイのデビュー作、ついに邦訳なる。警察による過剰な取り締まりと暴動、レゲエやパンクなどの抵抗的音楽をつうじて戦後英国における人種差別の系譜を批判的に辿りながら、法と秩序、そして愛国心のもとで神話化された〈国民〉というヴェールを引き剝がす。 日本語版への序文 謝辞 序章 人種は月並みなものである 第1章 「人種」、階級、行為体 対自的な人種と即自的な階級 階級の編制 人種の編制 第2章 「囁きが起き、戦慄が走る」――「人種」、国民、エスニック絶対主義 「人種」、国民、秩序のレトリック 平時と戦時における国民共同体 国家と家族のなかの文化とアイデンティティ 結論 第3章 無法
ヤマト運輸と決裂しそうな雲行きによって、アマゾン・ジャパンの周辺では様々な変化が玉突のように連鎖しています。以下に取り上げる個人運送事業者の囲い込みもそうですし、今月で終了予定の日販へのバックオーダーの件も、業界内では連鎖の中に見る向きがあります(アメリカ本社へのアピール)。なお、バックオーダーの発注終了および版元直取引の慫慂については、予定では本日がアマゾン側の説明会の最終日です。ちなみに昨日は太洋社の債権者集会の第三回目でした。破産債権に対する配当は10月~11月頃の予定と聞いています。12月に計算報告集会が行われ、太洋社の件はようやく終結することになります。 「日本経済新聞」2017年6月22日付記事「アマゾン、独自の配送網 個人事業者1万人囲い込み」によれば、「インターネット通販大手のアマゾンジャパン(東京・目黒)が独自の配送網の構築に乗り出すことが分かった。注文当日に商品を届ける
武久出版株式会社さんの2017年05月31日付プレスリリース「図書新聞の発行」に衝撃を受けました。「2017年6月1日より、週刊書評紙『図書新聞』の発行が武久出版株式会社に移管武久出版株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:加藤啓・菅原秀宣)は、2017年6月1日付で株式会社図書新聞からの移管を受けて、以降、週刊書評紙『図書新聞』の刊行・発売をいたします。〔・・・〕創業以来六〇余年、一貫して知のトレンドを練り続け、ラジカリズムに徹した辛口の本格批評をお届けしてきました。武久出版は、この灯を絶やすことなく伝えつつ、日本の知および出版のなりわいに資するべく、『図書新聞』の一層のブラッシュアップを図っていく所存です」と。 書評紙と言えば「図書新聞」さんと「週刊読書人」が有名ですが、自社経営が困難となる時代にもはや突入していたのだと見るべきでしょうか。仄聞するところによると、株式会社図書新聞は今
「文化通信」2017年5月22日付記事「アマゾンジャパン「バックオーダー」終了で出版社2000社余に説明会」で報道されている通り、今般のアマゾン通知についての出版社への説明会が先週から始まっています。曰く「4月21日に「バックオーダー発注」の終了を決定。同24日から、同社売り上げランキング上位20社ほどを書籍事業企画本部・種茂正彦本部長が直接訪問し、それ以外の上位50社ほどにも担当窓口などから説明を実施。/同28日には同社が年間1冊以上販売した出版社として登録されている約2500社から、出版社がアマゾンサイトの商品登録などを行う「ベンダーセントラル」の利用出版社と、名簿などで住所が確認できる出版社約2000社にメールもしくは郵送で通知送った。これに加え5月15日から説明会を開始。上位約600社には5月、それ以降についても順次案内している」。 弊社に届いているのは4月28日付のメール「重要な
伝説・神話研究 フェルディナン・ド・ソシュール著 金澤忠信訳 月曜社 2017年5月 本体3,400円 A5判上製248頁 ISBN978-4-86503-043-3 北欧伝説の変遷やルクレーティウスの詩を分析する神話学者としてのソシュール。草稿群に加えて、大学生時代のドイツ留学期の書簡や、さらに遡る17歳の折にイラストを添えて描いた空想冒険譚を初訳する。言語学者と並走する「もう一人のソシュール」が明らかになる。シリーズ・古典転生、第15回配本、本巻13。
アマゾンの版元直取引宣言が取次を含む業界再編の強力なトリガーになるのではないかと「メモ(16)」で予想しました。トリガーとまで言わなくとも、対外的な大義とはなりうるわけです。アマゾンに対するヤマト運輸の対応のように。そして連鎖の始まりともなりえます。他の宅配業者が値上げや業態転換へと進んだように。「日販=大阪屋栗田=日教販=出版共同流通」というまとまりと「トーハン=中央社=協和出版」というまとまりがそれぞれ一体化へと向かう可能性は以前からあったわけですが、いよいよ統合が加速するかもしれず、その要となるのはまず、日販と大阪屋栗田の関係性ではないかと思われます(とはいえ、取次とその株主である大手版元は少なからず同床異夢の関係にあるように見えて複雑です)。「新文化」の過去記事に今後の業界再編に繋がるヒントが隠されているかもしれません。 2017年4月5日付記事「大阪屋栗田、服部達也氏が代表取締役
故桑原武夫先生のご遺族が京都市に寄贈した蔵書1万421冊を一昨年、市右京中央図書館副館長だった女性職員(57歳、生涯学習部部長から課長補佐へ降任)が廃棄していた件の無残さは言うまでもありません(毎日新聞、京都新聞その1、その2、読売新聞、日本経済新聞、朝日新聞)。おそらく蔵書家の多くはそもそも以前から図書館への寄贈に懐疑的だったはずですが、それを念押しする一例となってしまいました。 目下、出版業界をざわつかせているのは、「7月1日問題」です。版元営業の「記述師文庫堂」さんのツイートや、ひつじ書房のM社長のfacebookでの投稿をご参照ください。アマゾンから日販に日々飛んでいるバックオーダー(既刊書補充発注)の終了予定が6月30日なのです。この件については留意すべきことがドミノ式に増えていくため、まとめるのがしんどいのですが、しいてまとめると以下のようになります。
『ゲンロン0:観光客の哲学』東浩紀著、ゲンロン、2017年3月、本体2,300円、A5版並製320頁、ISBN978-4-907188-20-7 『勉強の哲学――来たるべきバカのために』千葉雅也著、文藝春秋、2017年4月、本体1,400円、四六判並製240頁、ISBN978-4-16-390536-5 『五感〈新装版〉――混合体の哲学』ミッシェル・セール著、米山親能訳、法政大学出版局、2017年3月、本体6,200円、四六判上製584頁、ISBN978-4-588-14039-6 ★このところ人文書では話題の新刊が続いています。今月は東浩紀さんや千葉雅也さんの新刊が書店さんの店頭にほぼ同時期に並ぶことになり、私がよくお邪魔している某店では國分功一郎さんの先月新刊『中動態の世界』を加えて三冊の「白い本」が強烈な波動を放っています。お店によってはさらに今月新刊の、西兼志さんの『アイドル/メデ
2017年4月18日取次搬入予定 *人文・思想 表象11:ポスト精神分析的主体の表象 表象文化論学会=編【表象文化論学会=発行、月曜社=発売】 本体予価2,000円 A5判並製312頁 ISBN978-4-86503-045-7 アマゾン・ジャパンにて予約受付中 人工知能の爆発的発展、ビッグデータによる管理の遍在化、アルゴリズムを介した行動予測──人間が「内面」や「無意識」といった深みなしに捉え返されつつあるいま、「自己」や「心」はどこにあるのか? それはいかなる「主体」なのだろうか? 本特集では、ラカンの精神分析(ミレール派)と認知科学の自然主義との交錯、自閉症の前景化といった現象に着目しながら「ポスト精神分析的主体」の光景をめぐって討議する。特別掲載として、シェイクスピアのソネットを翻訳したツェランについてのペーター・ソンディの未邦訳批評を紹介。 目次: ◆巻頭言「表象からのこの不気味
2017年3月27日取次搬入予定|ジャンル=現代思想・文化研究 [増補新版]アーバン・トライバル・スタディーズ――パーティ、クラブ文化の社会学 上野俊哉著 月曜社 2017年3月 本体3,000円 四六判変型(130mm×190mm) 並製448頁 ISBN978-4-86503-042-6 アマゾン・ジャパンにて予約受付中 どうして、どのように、人々は集まって踊るようになったのか? 2005年の初版刊行から12年を経て、パーティやクラブなど「都市の部族(アーバン・トライブ)」の集う現場につねに身を置きながら根源的に思考/記述した類書なきエスノグラフィ、待望の増補新版刊行。100頁超の長大な「増補新版への序章 蝕のコスモ・ポリティクス――そしてまた野外で踊る」と次なる書物への誘い「ブックガイド 都市の部族(アーバン・トライブ)について継続して考えるために」を附した決定版。 上野俊哉(うえの
『現代思想の転換2017――知のエッジをめぐる五つの対話』篠原雅武編、人文書院、2017年1月、本体1,800円、4-6判並製208頁、ISBN978-4-409-04109-3 『コミュニズムの争異――ネグリとバディウ』アルベルト・トスカーノ著、長原豊訳、航思社、2017年1月、本体3,200円、46判上製308頁、ISBN978-4-906738-21-2 『フレイマー・フレイムド』トリン・T・ミンハ著、小林富久子+矢口裕子+村尾静二訳、水声社、2016年12月、水声社、本体4,000円、四六判上製407頁、ISBN978-4-8010-0206-7 『十九世紀フランス哲学』フェリックス・ラヴェッソン著、杉山直樹+村松正隆訳、知泉書館、2017年1月、本体6,500円、菊判上製440頁、ISBN978-4-86285-247-2 ★『現代思想の転換2017』は人文書院のウェブサイト上で
死してなお踊れ――一遍上人伝 栗原康著 河出書房新社 2017年1月 本体1,600円 46版上製256頁 ISBN978-4-309-24791-5 帯文より:家も土地も財産も、奥さんも子どもも、ぜんぶ捨てた一遍はなぜ踊り狂ったのか――いま最高度に注目される思想家による絶後の評伝。 推薦文(瀬戸内寂聴氏):踊り狂うほど、民衆を熱狂させた、一遍上人の希有な魅力を、瑞々しい栗原さんの新鮮な文体で描いた、最高に魅力的な力作! 推薦文(朝井リョウ氏):栗原康の言葉を通せば、教科書の中のあの人もこの人もまるで旧知の悪友のよう。一遍と踊りたい、朝まで、床が抜けるまで! 目次: はじめに 第一章 捨てろ、捨てろ、捨てろ 第二章 いけ、いけ、往け、往け 第三章 壊してさわいで、燃やしてあばれろ 第四章 国土じゃねえよ、浄土だよ 第五章 チクショウ 注 参考文献 おわりに ★まもなく発売。売り出し中の若手
新規開店の依頼書や挨拶状が届かないながらもこのところ弊社芸術書の注文短冊のみ散発的に送られてきているのは、柏市・柏の葉蔦屋書店(日販帳合)。2017年春に完成予定と聞く「KASHIWANOHA T-SITE」内にオープンするお店かと思われます。「KASHIWANOHA T-SITE」は公式ウェブサイトによれば「柏の葉スマートシティに新しい文化拠点が生まれます。この場所ならではの生活提案を、ここで。/代官山の蔦屋書店とT-SITEが、柏の葉キャンパスに新しい「文化拠点」を作ります。それは、世界の未来に向けて歩む街の憩いの場に相応しい文化拠点です。/ここで私たちが提案したいのは、この地にふさわしいライフスタイル。また、この街で過ごす皆さまと一緒に、毎日を素敵な日常に彩る場所。あなたと、あなたの大切な人の生活がより豊かになるように。そんな想いをこめた提案をご用意いたします」と。 ここしばらく蔦屋
東京商工リサーチの「TSR速報」2016年11月28日付によれば、岩波ブックセンターを経営する(有)信山社が破産開始決定と。「設立平成12年8月、資本金300万円、故柴田信代表)は11月25日、東京地裁から破産開始決定を受けた。〔・・・〕負債は現在調査中。/東京・神田神保町で(株)岩波書店発行の書籍販売を中心とした「岩波ブックセンター」を経営していた(岩波書店との資本関係は無い)。人文・社会科学系の専門書、新書、文庫をはじめ岩波書店が刊行する書籍の大部分を取り扱っていることで広く知られ、多くの書店が集中する神保町界隈でもランドマーク的な存在として知名度を有していた。/しかし、28年10月に代表の柴田取締役会長が急逝。事業継続が困難となり11月23日より店舗営業を休業し、動向が注目されていた」と。 帝国データバンクの11月28日付「倒産速報」では、負債1億2732万円(債権者約28名)と伝え
ついに「銀座蔦屋書店」の情報が本日リリースとなったようです。来春(2017年4月20日)、銀座6丁目、松坂屋銀座店跡地に完成する複合施設「GINZA SIX」内に開店。枚方T-SITEのオープンで2010年代における書店の進化形態の極点へと到達し、これ以上やることなどないのではとすら思われた蔦屋書店/CCCですが、次の一手はなんと銀座進出でした。ファミリー路線からハイブランド路線への決定的転回というべきでしょうか。今回の店舗は京都岡崎蔦屋書店などと同様に今まで以上にアート推しで、なおかつ他支店に類を見ないほどイベント推しなのですけれども、弊社のような弱小メーカーとしては芸術書だの催事だのってそんなに儲かってたっけ、と実はぼやきたくなる今日この頃です。帳合は日販。関連記事は以下の通り。 「Fashionspap.com news」2016年10月26日付記事「銀座エリア最大の商業施設「GIN
読んでいない本について堂々と語る方法 ピエール・バイヤール著 大浦康介訳 ちくま学芸文庫 2016年10月 本体950円 文庫判304頁 ISBN978-4-480-09757-6 カバー裏紹介文より:本は読んでいなくてもコメントできる。いや、むしろ読んでいないほうがいいくらいだ――大胆不敵なテーゼをひっさげて、フランス文壇の鬼才が放つ世界的ベストセラー。ヴァレリー、エーコ、漱石など、古今東西の名作から読書をめぐるシーンをとりあげ、知識人たちがいかに鮮やかに「読んだふり」をやってのけたかを例証。テクストの細部にひきずられて自分を見失うことなく、その書物の位置づけを大づかみに捉える力こそ、「教養」の正体なのだ。そのコツさえ押さえれば、とっさのコメントも、レポートや小論文も、もう怖くない! すべての読書家必携の快著。 ★親本は同版元より2008年に刊行。創造的読書論の名著であり、手ごろな値段で
大阪屋栗田営業第二本部営業第一部より一斉送信メールで「戸田書店様直営店書店コード再変更のご案内」が届きました。添付されていたのは次の3点(文書2点、エクセル1点)。 1)丸善ジュンク堂書店と戸田書店の業務提携に関するお知らせ 2)株式会社戸田書店様 書店コード変更のご案内 3)戸田書店 直営店 書店コード変更一覧 まず1)は、丸善ジュンク堂書店代表取締役社長・工藤恭孝さんと、戸田書店代表取締役社長・鍋倉修六さんの連名の挨拶状。いまだ両社のサイトでは公式な情報が出ないなか、ようやくの発表です。記載された日付はH28年9月吉日(ファイルのプロパティでは9月24日付)。挨拶状はごくごく簡単な文面。二社は「仕入・物流・売上データ管理の一体化を目的とした業務提携を行い、商品管理・店舗開発の強化を行うことに合意いたしました。両社は丸善CHIグループ会社として、より読者にご満足いただける地域に根ざした書
2016年10月1日(土)オープン THE CALENDAR(ザ・カレンダー):書籍売場5坪 滋賀県大津市春日町1-3 大津駅ビル 2F トーハン帳合。弊社へのご発注は芸術書ロングセラー1点。「THE CALENDAR」はJR大津駅舎がリニューアルし、380坪の複合施設になるというもの。フロア構成は、60床のカプセルホテル「CALENDAR HOTEL」、ロビー・ラウンジ(レストラン・カフェ・バー)、食堂・バー・多目的ルーム、野外テラス(ビアガーデン・BBQテラス)。公式ウェブサイトによればホテル部分に「ブックコーディネーターによる無料で読める(購入もできる)ブックストアも」との説明あり。経営主体は東京と大阪に本部を置く「株式会社バルニバービ」。東京、千葉、神奈川、大阪、京都、兵庫、滋賀、福岡、鹿児島などに多数飲食店を展開しています。 「無料で読める」というニュアンスは、完成予想図だけ見る
◆2016年9月1日午前9時30分現在。 「文化通信」2016年8月31日付記事「丸善ジュンク堂書店、戸田書店と業務提携」によると、「丸善ジュンク堂書店と戸田書店(静岡市)はこのほど、仕入・物流・データ管理を一体化し、商品管理・店舗開発の強化を目的に業務提携することで合意した。提携契約は9月1日に締結する。両社は資本提携も視野に入…(以下有料)」と。 丸善CHIホールディングス 丸善ジュンク堂書店 戸田書店 のいずれかのサイトでプレスリリースが出るものと思われます。 +++ ◆9月1日午前11時現在。 過去記事ですが、「産経新聞」2015年6月19日付記事「【静岡 人語り】元戸田書店仕入部顧問、杉本博さん」(上・中・下、全3回)をこの機会に読んでおきます。 杉本博(すぎもと・ひろし:1949-)さんは「藤枝江崎書店勤務〔1979年入社〕を経て、59年〔1984年〕に戸田書店に入社。全国に3
◆2016年8月27日13時現在。 「東洋経済オンライン」2016年8月27日付、永谷薫氏記名記事「ヴィレッジヴァンガード、大赤字脱却なるか――雑貨チチカカを売却でも見えぬ復活の道筋」によれば、ヴィレッジヴァンガードは「8月1日、エスニック雑貨を販売する子会社のチチカカを、金融情報配信会社フィスコ(ジャスダック上場)の親会社であるネクスグループに売却した。チチカカはこの2年間、ヴィレヴァンの業績の足を引っ張ってきた赤字子会社だ」と。 ヴィレヴァンが近年、取次を大阪屋からトーハンに「戻して」いるのは周知の通りですが、それはヴィレヴァンの立て直し(後段に引用)の過程と重なっています。「新文化」2014年12月26日付記事「ヴィレッジヴァンガード、トーハンに帳合変更へ」をご参照ください。「ヴィレッジヴァンガードコーポレーションは来年〔2015年〕2月1日、主帳合取次を大阪屋からトーハンに変更する
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