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京都市美術館ネーミングライツの問題は現在進行形の問題で、この刊が発行されたころにはどのような展開になっているかわからない状況です。しかし、事態がどのようになっていようとも撤回させるまで運動を持続させなければならない問題です。この間の経過をまず説明すると京都市は8月12日から9月20日まで京都市美術館のネーミングライツを公募。10月6日に京セラに決定しました。この間市会委員会や本会議で異論が噴出、美術関係者や市民から反対署名、請願、意見書などが提出されているにも関わらず、京都市はこれらの声を無視して強引に推し進めています。美術関係者は10月13日に京都市美術館問題を考える会を結成、京都市に撤回を求めて運動をすることを決めました。4日間で929筆の署名を集め10月19日に市会に請願書を提出しました。このことが大きな話題になり新聞各紙に掲載されました。10月26日に市会では市長に反省を求める決議
北野 輝(きたの てる) ー東京国立近代美術館「MOMATコレクション特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示」にちなみー 「この秋、藤田の魅力/魔力と『MOMATコレクション』の底力をどうぞ感じて下さい」 これは昨秋、「戦争画」14点を含む藤田嗣治の全所蔵作品25点の展示に踏み切った東京国立近代美術館による挨拶文の結びである。同館には1970年にアメリカから「無期限貸与」の名で返還されたアジア・太平洋戦争中に描かれた「戦争画」(当時「作戦記録画」と呼ばれた)153点が所蔵されており、今回はじめてその中の全藤田作品が公開されたのである。 しかし私はこの藤田「戦争画」の全面公開を誇らしげに謳う挨拶文に収まりの悪い違和感を覚えた。家的プロジェクトと美術家のかかわり、「表現の自由」と美術/美術家の「自律/自立」と美術家の「主権者」としての「責任」、広くは現実と美術家の関係、美術家と市民・鑑賞者の関係、等々
「アートで世界を救えるか」 パリのシャルリー・エブド社襲撃事件、シリア空爆の続く中、本誌に金田が『アートで世界を救えるか キッズゲルニカの20年』を寄稿したのは2016 年である。そうした問いを抱きながらキッズゲルニカ (www.kids-guernica.org) の活動を継続してきたが、ロシアのウクライナ侵攻、ハマスの人質事件、イスラエルのガザ地区攻撃と最近の世界情勢は混迷を深めている。 米国でのキッズゲルニカに関わったことのあるパレスチナ出身のフロリダの小学校の美術教師が故郷のガザに帰郷したとき、イスラエル軍の空爆が始まり、出国できなくなってしまった。連絡の滞る中、彼女の安否が気遣われたが、エジプトとの国境が開いたとき間一髪出国することができた。同じくパレスチナ出身の夫と子どもたちと共に生活の拠点である米国に無事帰国することはできたが、ガザの親戚の何人かは空爆の犠牲となり、彼女の状況
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