無様なプレーの連発に荒れ狂う指揮官 あれはもう10年以上前のことになる。 「Fuck!,Shit!」 薄暗いベンチで罵声を浴びせるユニフォーム姿の男。その罵声は、フィールドの選手に向けられていた。タテの関係の弱いアメリカではあまり目にすることのない風景。それもその場は、まがりなりにもプロ野球の試合の場だった。罵声を浴びせられたユニフォーム姿は、もともと大きくもないがたいをますます小さくかがめてベンチに戻る。その多くが「タテ」の関係になじめず海を渡ってきた彼らは、その場では受けるはずはないと思っていた仕打ちにますます萎縮し、ミスを連発する。 長い試合を終えて乗り込むバスでは、連日の敗戦に荒れ狂う指揮官を前に選手たちはただただ押し黙っているだけだった。 ある意味それも仕方がなかった。試合が始まるや否や、ベンチで荒れ狂う姿は、おおよそスキッパー(船長)とも呼ばれるプロ野球の指揮官のそれとはかけ離