「トランプ政権の未来がここにある」。帯の惹句の強烈なインパクトに痺れて手に取ったディストピア小説が、マーガレット・アトウッドさんの「侍女の物語」だった。特定の女性が「子どもを産むための道具」のように扱われる管理社会。効率性や人権の抑圧を煮詰めた「未来」を示す本作は、1986年に出版された古典でもある。人が何かに「役に立つ」以上の価値を認められない世界は、こんなにも暗いのか。考えさせられる小説でした。斎藤英治さん訳。ハヤカワepi文庫。 侍女の物語 (ハヤカワepi文庫) 作者: マーガレットアトウッド,Margaret Atwood,斎藤英治 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2001/10/24 メディア: 文庫 クリック: 51回 この商品を含むブログ (41件) を見る 性を罪に 裏表紙のあらすじでも一部示される通り、舞台は架空のギレアデ共和国。他国と戦争中の同国では軍人が権力