★ 第60回科学技術映像祭 文部科学大臣賞 受賞 ★ ★ 2018年第92回キネマ旬報 文化映画ベスト・テン・第9位 ★ 今から100年前 精神病に有効な治療法が無かった時代 座敷牢に幽閉された精神病者を救おうと奔走した一人の男がいた 呉秀三は予言者? 呉秀三が、私宅監置(座敷牢)の実態調査を世に出して、今年は100年の節目にあたる。呉は、調査報告書の中で、精神障害者が置かれている実態を指して、「この国に生まれた不幸」「この国目下の急務」と言い放った。 天皇制を絶対とする旧憲法下のこの時代に、国にもの申すというのは、それなりの覚悟がいったはずである。並々ならない信念と正義感を垣間見る思いがする。 呉の業績と調査報告書が発するメッセージは、表現こそ古い言い回しだが、内容は斬新である。まるで予言者である。隔離処遇にしろ、身体拘束にしろ、呉が、当時問題にしたテーマの基本は、現代の精神医療の実態に