京都というのは、日常の風景の中に「謂われ」や「いわく」のある場所が顔をのぞかせているから一層興味が増す。立ち寄った場所が後から調べてみて、実は強力なパワースポットだったり、因縁つきのアブナイところだった……という経験が時々ある。 その日、あまり下調べもせず、伏見区深草にある大岩神社(おおいわじんじゃ)を訪ねた。昔は、山中の大岩を御祭神とし、疫病封じにご利益があった神社で頂上の展望所からの眺めがすばらしい、と聞いていた。 JR奈良線「藤森駅」で下車、旧道を歩いて大岩街道へ進み、目的の大岩神社参拝道へ足を踏み入れた。 大岩神社への参道入り口の鳥居 朱塗りの鳥居をくぐり、かなり荒れた竹藪の横の参道を歩いていった。 竹の参道 途中にマムシに注意の看板が立っていて、その横の薄暗くそれほど大きくない池があった。近づいてみると、一匹だけ鯉が寄って来た。昨日までの雨のせいで、ぬかるんだ足元に気をつけながら