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国家機関の憲法尊重擁護義務 日本国憲法は、天皇・摂政、国務大臣・国会議員・裁判官その他の公務員に、「憲法を尊重し擁護する義務 obligation to respect and uphold this Constitution 」を課している(第99条)。憲法制定者である国民が、天皇や公務員に憲法尊重擁護義務を課しているのである。憲法制定者である国民は、憲法遵守義務を課せられる対象ではない。 これは、立憲主義のひとつの構成要素である。ただし立憲主義は、憲法第99条の憲法尊重擁護義務に尽きるのではない。第99条にいう「この憲法」とは、日本国憲法の全体をさすのであり、自然権思想や社会契約論という日本国憲法の基幹をなす論理、ならびにそれを前提する具体的条文を度外視して、ただたんに憲法をほかのあらゆる法律のうえにたつ「最高法規」ととらえたうえで、「最高法規」であるから「尊重擁護」義務があるのだ、と
〈道徳〉教材としての杉原ビザ 小学校や中学校の「道徳の時間」において杉原千畝が取り上げられる場合、教員はまず約600万人に及ぶ犠牲者数や写真資料を示して「ホロコースト」について説明したうえで、杉原が約1か月にわたって二千通以上のビザを発給することで、約六千人のユダヤ人の逃亡を助けてその命を救ったことを示すのが通例である(たとえば、www.page.sannet.ne.jp/tate-y/sugi1sensai.htm)。 領事代理杉原千畝は、外務大臣の訓令に違反し個人としての決断によりビザを発給したことで、外交官としての地位を危うくするだけでなく自らの安全をも危険にさらした。したがって杉原の行為は自己犠牲的な〈道徳〉的行為としてとらえることができるのであり、たとえば「自分であればそのようにするか」と児童生徒に問いかけることが可能となる。こうして杉原千畝の物語は〈道徳〉教材として成立するので
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