4月13日から始まる大阪・関西万博の玄関口となる大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)中央線「夢洲駅」(ゆめしまえき)が1月19日に開業した。前回、1970年の大阪万博のときにも、新しく鉄道が敷かれ新駅が開業していた。日本で最初の大規模ニュータウン「千里ニュータウン」と1970年2月24日に江坂-万国博中央口間が開業した北大阪急行電鉄の成り立ちと関係性について、ライターの小川裕夫氏が上梓した「鉄道がつなぐ昭和100年史」(ビジネス社)から抜粋、加筆してお届けする。 * * * 第2次世界大戦後、1945年から1954年頃までの日本では戦災復興によって経済が急速に回復を遂げ、その影響から大都市では労働力不足が発生していました。主に町工場や個人商店では人手が足りず、なんとか労働力を確保しようと躍起になっていました。 一方、地方の農村部では所有する農地を長男へ相続させるのが一般的だったので、次男や三男