サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
体力トレーニング
www.nutri.co.jp
■脂質とは 脂質は重要なエネルギー補給源および貯蔵体として,1 g当たり9 kcalで,糖質やタンパク質(ともに,1 g当たり4 kcal)に比べてエネルギー密度が高い.さらに脂質は,必須脂肪酸の供給源,脂溶性ビタミンの補給源,細胞膜の構成成分,生理活性物質としてなど,多様な栄養生理機能をもっている. 脂質とは,ベンゼン,エーテル,クロロホルムなどの有機溶媒には可溶であるが,水には不溶または難溶性を示す物質の総称である.これは脂質が極性をもたない長い鎖状あるいは環状の炭水化物によって構成されているためにみられる性質で,極性分子の溶媒である水とはなじみにくく,疎水性を示す.脂質を化学構造から大別すると,単純脂質(simple lipid),複合脂質(complex lipid),および 誘導脂質(derived lipid)に分類できる(表Ⅰ).これら脂質の基本的な構成要素は,脂肪酸である.
■リフィーディング症候群[refeeding syndrome] 高度栄養不良の患者を救急搬送などで初診で受け入れた際に,つい高エネルギー投与をしてしまうと,意識障害や心不全を引き起こすリスクがある.食糧事情がよく福祉制度の充実した現代の日本では摂食障害(神経性食欲不振症)などの精神疾患患者に多い. 豊臣秀吉が兵糧攻めの後に投降してきた敵に粥をふるまった際に,次々と死亡したのが毒を盛ったと誤解されたようであるが,じつはリフィーディング症候群であったと考えられている. 長期の飢餓状態にあると,細胞内も糖質不足の飢餓状態になり,生命活動に必須のエネルギー媒介物質であるATP(アデノシン三リン酸)の産生も低下している.同時に慢性的に電解質も不足状態にあり,細胞内に多い電解質のカリウム(K),マグネシウム(Mg),リン(P)も低下している.この状況下に急に糖が投与されると,糖を細胞内にとり込んでA
【各章目次】 第1章:栄養障害と栄養療法 1-1:栄養不良と過栄養 1-2:栄養不良が引き起こす問題 1-3:栄養療法の考え方とその効果 1-4:運動療法との相乗効果 第2章:栄養素とその代謝 2-1:栄養素の消化・吸収 2-2:糖質代謝 2-3:タンパク質代謝 2-4:脂質代謝 2-5:電解質 2-6:微量元素 2-7:ビタミン 2-8:食物繊維 第3章:侵襲に対する生体反応 3-1:古典的な生体反応の推移の分類 3-2:侵襲に対するサイトカインと内分泌反応 3-3:飢餓と侵襲に対する生体反応の違い 第4章:栄養と免疫,および生体防御機構 4-1:免疫とは 4-2:消化管と免疫 4-3:腸内細菌と栄養 第5章:栄養状態の評価 5-1:栄養スクリーニング・アセスメント 5-2:身体計測 5-3:臨床検査 5-4:栄養状態を把握するためのフィジカルアセスメント 5-5:食生活状況の把握 第6
■はじめに 生体に侵襲が加わると,生体は内部環境を維持し損傷を修復しつつ感染防御能を高めるためにさまざまな反応を引き起こす.これらの反応は生体が侵襲を克服しその生命を維持するために必要不可欠なものである.一方,生体にとって飢餓は,古くから最も生命をおびやかす現象の1つであり続けたし,医学の進んだ今日でも驚くほど多くの低栄養患者が存在している事実から現在でも大きな問題であることに変わりはない.生体は侵襲同様,飢餓に対しても適応し生命を維持するための生体反応を引き起こす.飢餓と侵襲は,患者が遭遇する代表的な病態であるが,それぞれに対する生体反応は大きく異なっている.本節では,それぞれの病態における代謝の変化を述べるとともに,飢餓状態に侵襲が加わった場合の生体反応について最近のわれわれの知見を中心に説明する.さらに,本来の飢餓ではないが,中心静脈栄養管理時など消化管内腔に直接栄養が供給されない状
Na+は十二指腸・空腸においてはNa+/H+交換によって能動的に、回腸においてはグルコースやアミノ酸などの溶質の存在下に受動的に吸収される。また、Na+/Cl〜共役輸送により回腸・結腸からも吸収される。下部結腸ではNa+チャンネルによっても吸収される。 Cl〜に関してもNa+/Cl〜共役輸送による吸収や膜電位依存性、重炭酸イオン(HCO3〜)依存性による吸収が部位別に行われる。K+は小腸・結腸において受動的に吸収される。Ca2+は主に十二指腸において受動拡散と能動輸送によって吸収され、能動輸送によって吸収細胞内から血管内へ移動するが、ビタミンD(活性型)がこの移動を促進するとされる。 Mg2+の吸収は小腸・大腸のいずれからも吸収され、受動拡散、能動輸送などによるとされている。鉄(Fe)の吸収は上部小腸で行われるがFe3+に比しFe2+のほうがよく吸収される。鉄の吸収は体内の貯蔵鉄の量によっ
■はじめに 侵襲が生体に加わると末梢や中枢の受容体で感知され,視床へ送られた情報に応じて,神経・内分泌系が内部環境維持のための生体反応を引き起こす.以前から,これらの系に加えてエイコサノイドやセロトニンなどのメディエーターが,侵襲時の生体反応調節に関与していることが判明していたが,近年,サイトカインの研究が飛躍的に進み,侵襲時の生体反応の主役として認識されるようになった.実際,TNF-αやIL-1などの炎症性サイトカインを投与すると,敗血症時と同様のショックや臓器障害が誘導される.一方,サイトカイン分泌にかかわる免疫系と神経・内分泌系のクロストークについても明らかになりつつある.特に,迷走神経刺激による炎症性サイトカイン産生抑制が明らかになり,炎症制御・臓器障害予防のための新たな治療法開発の手掛かりとして注目されている.本節では,侵襲に対する生体反応におけるサイトカインの役割を中心に概説す
脂肪酸代謝では、炭素数20の脂肪酸で二重結合を4個もつアラキドン酸と、二重結合を5個もつエイコサペンタエン酸(EPA)からさまざまな生理活性物質が生成されてくる。この生理活性物質をエイコサノイド(eicosanoids)と呼び、プロスタグランジン、トロンボキサンおよびロイコトリエンが含まれる。アラキドン酸(n-6系)に由来するエイコサノイドとエイコサペンタエン酸(EPA、n-3系)由来の主なエイコサノイドとその作用を表1ならびに代謝マップを図9に示す。 n-6系脂肪酸に由来するエイコサノイドは、炎症の過程において血管透過性の亢進、好中球の誘導と活性化、炎症性サイトカイン生成促進などを惹起し、炎症促進的に作用する。これに対しn-3系脂肪酸から産生されるエイコサノイドは、抗炎症作用、血管保護作用、炎症性サイトカイン生成の抑制作用など、炎症抑制的に働く。その分子レベルでの作用機構は、n-3系脂肪
栄養療法への理解をより深めていただくSUPPORT 製品・サービスに関するサポート情報 製品・サービスをわかりやすくまとめています。ご家庭向けのお役立ち情報もご用意しています。
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『ニュートリー株式会社|公式企業サイト』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く