はじめに 都道府県庁所在都市を含め、全国168市町村、約9,000世帯で実施される総務省「家計調査」によると、富山市の1世帯当たりの消費支出は、食料費が約20%を占めている(図1)。食料費は、どの家庭においても、日常生活のなかでの重要な費目である。調査結果から、富山の家庭における食の特徴やその背景を探ってみたい。なお、取り上げる家計調査の結果は、すべて都道府県庁所在市の世帯の支出を対象としている(事業者が業務用として購入する分などは含まれない)。 表1は、富山市の1世帯当たりの年間支出金額が全国で上位(1~4位)の食品である。全国1位のなかでも、こんぶは49年連続、ぶりは37年連続、魚介の漬物(みそ漬、昆布締め等)は20年連続1位(平成20年)となっている。その他、常に上位を占めている食品は多い。このような結果が示す富山の食には、どのような背景があるのだろうか。富山の家庭に好まれている食品