国際熱核融合実験炉「ITER」の重要部品である「外側垂直ターゲット(OVT)」=7月31日、横浜市の三菱みなとみらい技術館(松田麻希撮影)日米欧などが南フランスで共同建設している国際熱核融合実験炉「ITER(イーター)」向けに、三菱重工業などが開発していた重要部品が完成した。宇宙探査機が大気圏再突入するのにも匹敵する、過酷な熱負荷に耐える必要がある部品で、日本だけが持つ高度な加工技術によって成し遂げた。次世代エネルギーとして期待される核融合発電の実現に向けて、国際的な研究開発の場で日本の技術力が存在感を増している。 プラズマを受け止める核融合とは、水素のような軽い原子核同士が融合して、ヘリウムなどのより重い原子核に変わる反応のことで、この際に非常に大きなエネルギーが発生する。太陽がエネルギーを生み出し続けているのと同じ仕組みで、核融合反応を利用した新たな発電方法は「地上に太陽を作る」と例え