現代社会に氾濫する脳に関する様々な情報。なかでも、“男脳・女脳”や“学習の3歳臨界期説”などの俗説は「神経神話」と呼ばれ、科学的根拠が乏しいにも関わらず社会に深く根づいている。番組では研究者・識者へのインタビューからこの問題を検証。さらに、空前の脳ブームを巻き起こした最新最強の神経神話である“脳の活性化”の問題点に迫った。 OECDが警鐘を鳴らす神経神話 2007年、OECD(経済協力開発機構)は教育に関連する脳科学の知見をまとめた「脳からみた学習」を出版。その中の一章に「神経神話」の払拭という内容が盛り込まれ、「人間は脳の10%しか使っていない」「男女の脳には違いがある」などの俗説の検証が行われた。この報告書の作成に関わった日立製作所の小泉英明フェローは、「脳ブームにより根拠のないあやふやな情報が世界中に流布されている」と指摘する。 脳ブームはなぜ起こったのか? 1995年に出版された「