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パリ五輪
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この夏も連日、体にこたえる酷暑が続く。2024年7月の東京の月平均気温は1875年の統計開始以来、最高を記録した。厳しい暑さの中、太陽が照りつける工事現場で働く建設業界の人たちには頭が下がる思いだ。 建設業界で熱中症対策は喫緊の課題だ。厚生労働省によると、19年~23年の熱中症よる死傷者は建設業が886人で、うち死亡者が54人に上る。ともに業種別で最も多い。 そうした真夏の炎天下で働く技能者の熱中症対策として、三和建設(大阪市)が開発したのが「ゼネコンがつくったしおゼリー」だ。化粧品原料の研究・開発などを手掛ける岩瀬コスファ(東京・千代田)と共同で開発し、21年から一般販売している。
「30年以上たったのに何も変わっていないのかな」 最近、ユーザー企業の開発プロジェクトに参加している人やIT企業の経営をしている人と意識的に会っているのだが、話を聞いているうちに胃のあたりが重くなることがしばしばある。 私は元々、IT業界の下請け構造の底辺で仕事を始め、抜け出したくても抜け出せない状態に陥って、精神的にも肉体的にも厳しいダメージを受け続けた。今からもう30年以上も前の話だ。その時の体験談を日経クロステックに連載することができ、さらに『SE職場の現実』という書籍にまとめてもらった。 IT業界に居続けるのは無理、ユーザー側へ行けないものか、こう思い立った私は縁あって、あるサービス企業に転職した。それから約30年、そのサービス企業の中で情報システムを担当し、責任者となり、さらに営業や工場新設、ショーのプロデューサーなど様々なことをやらせてもらった。おかげさまで勤め上げることができ
大企業で新本社を開設する動きが相次いでいます。背景には、新型コロナウイルス禍を経た働き方の変化があります。コロナ禍で在宅勤務が常態化し、オフィスで働くことの意味が問われるようになったのです。 新本社を開設した企業の多くは、オフィスをコミュニケーションの場と位置付け、施設計画に工夫を凝らしています。例えば、東京・西大井に新本社を新築したニコンは、避難階段とは別に設けた大階段に作業スペースを確保。多くの社員が行き交う動線に働ける場所を用意し、社員同士の交流を促します。 川崎市内への本社機能の移転を進める富士通は、それぞれのチームに適した場所や方法でコミュニケーションが取れればいいと判断。各人が固定席を持たないフリーアドレスを導入しました。 東京・虎ノ門に本社を移転した日本IBMは、社員だけでなく社長や役員にもフリーアドレスを拡大。役職や組織にとらわれず、自由に議論できる職場づくりを目指していま
電子商取引(EC)サイトや中古パソコンショップなどでWindows 10を搭載した中古ノートパソコンが2万円前後で数多く販売されている。ECサイト「Amazon.co.jp」のパソコン販売ランキングを見ると、「整備済み品」と称した安価な中古ノートパソコンが上位を占める。中には、2万円前後の製品もある。 米Intel(インテル)の第6世代または第7世代インテルCoreプロセッサーやSSDを搭載するノートパソコンが多く、仕様はとても魅力的だ。激安の中古パソコンは今でも使えるのか――。実際に購入して試してみた。 2万2500円で7年落ちの「レッツノート」を購入 筆者が秋葉原の中古パソコンショップを回っていたところ、パナソニックの「Let's note CF-RZ6」(型番はCF-RZ6RDRVS、以下「CF-RZ6」)が税込み2万2500円で売られていた。状態もよいので、試しに購入してみることに
自身の記者活動を振り返って、「最も」と言えるくらい力を入れたのはプロジェクトマネジメントに関する報道である。「動かないコンピュータ」という情報システム開発の失敗を報じる連載を長年担当したこともあり、解決策はプロジェクトマネジメントの強化だと信じて特集記事を書いたり、寄稿を集めたムックを作ったり、推進団体と協力してイベントを開いたりした。 その結果プロジェクトがうまくいくようになり、動かないコンピュータが減ったと書ければめでたいが、残念ながら違った。日経クロステックの記事を眺めていると、かつての失敗よりさらに深刻な失敗事例が報じられている。 その一方、インターネット上の投稿や開発者の集まりにおける発言を見聞きしていると「孤立無援になりがちなプロジェクトマネジャーだけはやりたくない」「少数精鋭でアジャイル開発をすれば仰々しいプロジェクトマネジメントなどいらない」といった声がある。 プロジェクト
Mac、iPhone、iPadなどのアップル製端末は、互いに連係してさらに便利な機能が利用できる。今回は作業効率を上げる連係機能を紹介しよう。 iPadを近くにあるMacのキーボード&マウスで操作 手書きメモや手描きスケッチにはタブレット端末、長文入力やプログラム開発にはパソコンというように、作業の内容に合わせて両者を使い分けているユーザーは多いのではないだろうか。 パソコンで受け取ったPDFファイルに手書きの注釈を入れるために、タブレット端末に送ったとしよう。しかし、作業中に長文テキストの入力が必要になったら?パソコンにファイルを戻したり、タブレット端末にハードウエアキーボードを接続したりといった方法もある。だが、「iPad」と「Mac」の組み合わせに提供される「ユニバーサルコントロール」と呼ばれる機能があれば、そんな面倒はない。 これを使うと、近くにあるMacのキーボードとマウスでiP
ネットワーク図は設計や運用、障害対応といった様々な業務に役立つ。ただし、分かりやすい図を描くのは意外と難しい。そこで今回、展示会「Interop Tokyo」の会場ネットワーク「ShowNet」の図を20年以上描き続けているエンジニアなど、図を描く名人たちを取材した。そこから得た、分かりやすいネットワーク図を描く手順やコツ、人気の作図ツールなどを紹介する。
2024年7月19日午後1時ごろから、Windowsを搭載したコンピューターでブルースクリーンエラーが相次ぎ、世界的なシステム障害に発展した。 既に様々なメディアで報じられているが、エラーの原因は、米CrowdStrike(クラウドストライク)が提供するクラウドベースのセキュリティー製品「CrowdStrike Falcon」(以下、Falcon)である。同製品のエージェントソフト「Falcon Sensor」のWindows版のアップデート(更新ファイル)に不具合があった。 Falconとは、どのような製品なのだろうか。 EDRだけではなくNGAVも備える いくつかのメディアは「Falconは『EDR(Endpoint Detection and Response、エンドポイント検知・対応)』であり、従来のアンチウイルスソフト(ウイルス対策ソフト)とは異なる」と説明していた。 だが、これ
国土交通省がトヨタ自動車に対して是正命令を発出する。2024年7月31日16時に同省で同社の佐藤恒治社長がその命令書を受け取る予定だ。理由は、法規認証試験(認証試験)における不正。すなわち、道路運送車両法第76条の規定に基づく国土交通省令の規定違反が判明したためである。 是正命令は、法令違反に対する行政処分。道路運送車両法に基づく型式指定は、クルマやエンジンに対して安全および環境の基準を満たし、なおかつ均一性を持って生産できると認められるものを指定して、それを大量生産しても構わないと認める制度だ。つまり、型式指定は安全と環境の基準を満たす製品を大量生産できる体制にある企業に認められるものだ。 従って、今回のトヨタ自動車への是正命令の発出とは、少なくとも日本市場において「量産メーカー失格」とも捉えられかねない重い処分である。 同社は同年6月3日に、6つの試験項目で不正行為があったと発表した。
2024年1月の能登半島地震によって海底が隆起し漁船が出られなくなった輪島港で7月23日、自治体に代わって国土交通省が工事を担う権限代行により応急復旧が完了した。同省は石川県内の7港で応急復旧を代行し、輪島港でその全てが完了。今後、本復旧の段階に進む。水産庁の検討会は被災した漁港の復旧・復興の技術的な考え方を示し、数千年に1度の規模といわれる地盤隆起の問題に挑む。
多くの企業は「DXは重要だから社員全員で取り組むべきだ」と考えている。しかし現場社員の意識やスキルにはばらつきがあり、全社へのDX浸透は難しい。実際には、現場の業務とDXを接続する結節点になれる人材の育成が不可欠だ。 多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)に苦心している。「新しいシステムを導入したが、以前と何も変わっていない…」と嘆く企業は少なくない。筆者は組織人事コンサルティングを専門とする会社に所属しているが、最近は「DXを推進できる組織づくり」というニーズを持つ企業から相談を受けるケースが増えている。 様々な企業の相談を受けるなかで、DXには大きく3つの「誤解」が潜んでいることが明らかになってきた。同時に、人や組織の問題に向き合うことなくDXは推進できないということを実感している。 3つの誤解の中から今回は「DXは重要だから社員全員で取り組むべき」という誤解を解説してい
図1 以前に購入したUSBケーブルが10本や20本は自宅に眠っているという人は多いだろう(左)。規格の表示がなく、ケーブルを整理する際に困ってしまう(右) 最近のUSBケーブルは、端子部分に規格を示すマークが表示されている製品もあるが、多くのケーブルは、いまだデータ転送速度や給電のワット数に関する表示がなく、規格を判断する方法がない。パッケージから取り出してしまうと、外見ではケーブルの見分けがつかず、仕様を確認するために、ストレージを接続して転送速度を実測したり、スマホなどに接続して充電時間を計測したりするのでは手間が掛かる。 LEDの点灯で仕様を確認 そこで活用したいのが、USBの規格や給電の性能を確認できる「USB CABLE CHECKER 2」だ(図2)。本製品でチェックできるのは、パソコン側に接続する端子がType-AまたはType-Cで、周辺機器側の端子がType-C、Micr
Excelで「Copilot for Microsoft 365」を利用すると、選択したデータの集計や傾向の分析を行ったり、書式を設定したりできる。今回は、ExcelでのCopilotの操作を紹介する。 なお、本連載ではMicrosoft 365 Business Standardのプランに、Copilot for Microsoft 365を追加して動作を確認している。OSやOffice、アプリ、Edgeのバージョンによっては、ここで説明する機能が使えなかったり、画面が異なったりする場合がある。 Copilotを利用するにはテーブルに変換する Excelでは、原稿執筆時点でプレビュー版の「Copilot for Microsoft 365」を利用できる。データの分析や並べ替え、フィルターの操作、書式設定、数式列の生成などの操作を、対話形式で指示可能だ。 ExcelでCopilotを利用す
生成AI(人工知能)を開発プロセスに適用する動きが活発になっている。先行するのはコーディング支援。それに続いてプロジェクト管理やコミュニケーションに利用するツールも生成AIを取り入れて進化している。大手ベンダーは詳細設計や品質管理に活用する社内ツールを開発し始めた。第3回は日立製作所の取り組みを見ていこう。 詳細設計書を基に自動化を目指す 「開発工程に含まれるすべてのタスクに生成AIをフル活用していく」――。このように説明するのは、日立製作所の立川茂デジタルエンジニアリングビジネスユニットアプリケーションサービス事業部Lumada共通技術開発本部担当本部長だ。一般にシステム開発には、要件定義や設計、開発(コーディング)、テストなどの工程があり、それぞれの工程には様々な作業が含まれる。例えば要件定義の工程には、システム概要や機能要求の作成、要件間の整合性確認などの作業が必要だ。 日立はシステ
情報量のコントロールやレイアウトの工夫が素晴らしい──。第一線で活躍するネットワーク技術者のTISの萩原学IT基盤技術企画部エキスパートが、こううなるネットワーク図がある。毎年6月に開かれるネットワーク関連の展示会「Interop Tokyo」の会場ネットワーク「ShowNet」の構成図だ。 2024年6月に開催されたInterop Tokyo 2024でもその図は披露された。2000以上のノード*1から成る会場ネットワークを1枚の図面に凝縮している(図1-1)。
無線LAN(Local Area Network)を利用する全てのパソコンやスマートフォン(Wi-Fiクライアント)が影響を受ける新しい脆弱性が報告された。悪用すれば、ユーザーが本来接続しようとしていたネットワークよりも安全性が低いネットワークに誘導できる。Wi-FiクライアントのVPN(Virtual Private Network:仮想閉域網)機能を無効にされる場合もある。一体、どのような脆弱性なのか。 原因はWi-Fiの標準規格 今回の脆弱性は、VPN製品などを評価するサイト「Top10VPN」が2024年5月14日に公表した*1。脆弱性の識別番号は「CVE-2023-52424」だ。 原因は、Wi-Fiの標準規格「IEEE 802.11」に存在する。そのためOS(Operating System)やメーカーによらず全てのWi-Fiクライアントが影響を受ける。 IEEE 802.11
滋賀銀行が日立製作所と開発を進める次期勘定系システムの開発プロジェクトが正念場を迎えている。当初は2024年1月の稼働を見込んでいたが、延期を繰り返し、今は2027年以降に先送りしている。既に277億円超を支払った次期システムの開発を継続するのか、それとも一度立ち止まるのか。決断が必要な時期だ。 筆者は例年6月中旬から下旬にかけて、地方銀行の有価証券報告書に目を通すのが習慣になっている。特に、設備の新設や改修などを記した箇所を重点的に見ている。主要なシステム開発計画の概要や投資額、完了予定時期などが書かれている場合があるからだ。年度ごとの変化を見れば、注目プロジェクトの進捗も追える。 そんな流れで滋賀銀行の2024年3月期の有価証券報告書を眺めていた時に目にとまったのが、勘定系システムの「更改」だった。投資予定金額は61億3900万円で、完了は2027年1月を見込んでいるという。これは20
2024年7月、Web業界に衝撃が走った。米Google(グーグル)が米国時間の同月22日、同社のWebブラウザー「Chrome」での「サードパーティークッキー」の廃止方針を撤回すると発表したのだ。 サードパーティークッキーは、ユーザーの志向に合わせてWeb広告を表示するための仕組みとして使われる。しかし、プライバシー保護の観点で問題があるとされてきた。グーグルは2020年にいち早く廃止を訴え、期限を何度も延長しつつも廃止の方針そのものは変えてこなかった。Chromeのシェアは6割とも7割ともいわれ、断トツ。Webブラウザー「Edge」を提供する米Microsoft(マイクロソフト)も同調し、2024年3月5日に廃止の方針を打ち出したばかりだ。この状況で撤回するというのだから、Web業界では大騒ぎになった。 Web業界に走った7月の衝撃は、サードパーティークッキー関連だけではない。Webサ
今回は、中国Anker(アンカー)の屋外セキュリティーカメラ「Eufy Solar Wall Light Cam S120」をレビューする。これが画期的な製品で、これまでの屋外用セキュリティーカメラの課題をことごとく解決しているのだ。 屋外にセキュリティーカメラを設置するには、一般的に配線が必要だった。ところが、屋外の電気工事は資格が必要だし、そもそも素人には難しい。ところがこのカメラはバッテリーとWi-Fiで動作するので配線の必要がない。取りつけるだけでセキュリティーカメラとして機能するのだ。 これまでにもバッテリーで駆動する製品はあったのだが、半年程度で充電が必要になるなど限界があった。ところが、Eufy Solar Wall Light Cam S120はソーラーパネルを搭載していて、日が当たれば勝手に充電して動作するというではないか! これはとても興味深いということで、早速取りつけ
島津製作所が1988年に発売したレーザーイオン化質量分析計「LAMS-50K」が2024年5月、「IEEE Milestone†」に認定された。同分析計の「ソフトレーザー脱離イオン化法(SLD)」は同社の田中耕一氏が開発した手法で、2002年ノーベル化学賞の受賞理由となっている。今回、同分析計がエレクトロニクス技術における重要な業績として認められた。LAMS-50Kは何が革新的だったのか、田中氏に聞いた。(聞き手は斉藤壮司、中道 理=日経クロステック) †IEEE Milestone=電気電子分野の国際学会であるIEEE(米国電気電子学会)が、開発から25年以上経過した重要な技術業績を表彰する活動。日本からは、「指向性短波アンテナ(八木・宇田アンテナ)」、「東海道新幹線」、「QRコード」、「垂直磁気記録」などが認定されている。
複数のコンピューターから大量のパケットを送り、標的のWebサービスを利用できない状態に追い込むDDoS(Distributed Denial of Service、分散型サービス妨害)攻撃が増加している。直近では、スマートフォンのタッチ決済大手が狙われて障害が発生した。DDoS攻撃の脅威が改めて浮き彫りになった。 モバイルSuicaでチャージできず 2024年5月10日夕方、JR東日本が運用するタッチ決済サービス「モバイルSuica」がアクセスしにくくなり、電子マネーをチャージできない障害が発生した(図1)。ほかに新幹線チケットを購入できる「えきねっと」をはじめ「JRE POINT」「VIEW's NET」「ビジネスえきねっと」「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」のサービスにも影響が出た。
米OpenAIが開発した音声合成技術。15秒のサンプル音声から、その話者にそっくりな声質の音声合成エンジンを作りしゃべらせることができる。詐欺などに悪用される懸念から当面は内部利用にとどめ、一般公開はしない。 ChatGPTなどを手掛ける米OpenAIは、15秒程度の短時間のサンプル音声を学習させることで、サンプル音声の話者とそっくりな声質や、話し方をする音声合成エンジンを作れる技術「Voice Engine」を開発している。2022年に開発を開始し、すでに同社の「Text-to-speech API」や「ChatGPT Voice and Read Aloud」といった機能の組み込み用音声合成エンジンの作成などに活用している。 米OpenAIが公開した「Voice Engine」の活用例。話者の声を学習し、日本語など別言語の文章でも元の話者の声で読み上げる(出所:同社公式ブログ) 202
「2025年の崖」は、経済産業省が考えた「あおり文句」として最高傑作の部類に入るだろう。同時に「なぜ2025年なのか」の根拠が薄弱過ぎて世間の笑いものにもなった。ただねぇ、この不吉な予言は現実のものとなりつつあるぞ。多くの日本企業が抱え込んでいる老朽化した基幹システムなどが末期的状況となり、だからといってシステム刷新を企てるとプロジェクトが大炎上する。そんな悪夢の出来事が実際に頻発しつつあるからだ。 このあおり文句は、今から6年前の2018年9月に経産省が公表した「DXレポート」の副題に記されていた。いわく「ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開」。要するに、遅々として進まない日本企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させるために、経産省、あるいはその依頼を受けた識者たちが編み出したのが、2025年の崖というキャッチーなワードだったわけだ。 DXの足かせにも
生成AI(人工知能)を開発プロセスに適用する動きが活発になっている。先行するのはコーディング支援。それに続いてプロジェクト管理やコミュニケーションに利用するツールも生成AIを取り入れて進化している。大手ベンダーは詳細設計や品質管理に活用する社内ツールを開発し始めた。本特集では生成AIで進化するツール群の最新動向に迫る。 第1回から第3回までは国内大手ベンダーが社内で試験的に始めている取り組みを紹介する。まずは富士通が開発した「設計書レビュー支援」ツールを見ていこう。 設計書レビューを生成AIで支援 富士通が開発した設計書レビュー支援ツールは、生成AIが設計書の曖昧なポイントを抽出し、その判定の根拠や訂正案を表示できる。これまでシステムエンジニアが目検で確認していた、基本設計書と詳細設計書など設計書間の整合性も確かめられるという。 ツールを開発した主な狙いは、設計書レビューにかかる作業負荷軽
「今年度中にVMware製品から移行してほしい」。仮想化環境の構築・運用を担うIT(Information Technology)ベンダーA社の社員は、顧客からこう言われて頭を抱えている。これまで使っていなかったVMware以外の製品の知識や運用ノウハウを学ぶため、「移行先のハイパーバイザー*1に詳しい協力会社を探している」と話す。 米BroadcomによるVMware製品ライセンスの変更によって大幅な値上げに直面したユーザー企業が、「脱VMware」を検討し始めている。ITベンダーは顧客からの問い合わせに追われている状況だ。 ハイパーバイザーの観点で見れば、「VMware ESXi」の移行先は大きく3種類ある(表1)。Windows Server標準の「Hyper-V」、Linux標準の「KVM」、米Nutanixの「Nutanix AHV」だ。 ただし仮想化環境の構成要素はハイパーバイ
毎年のように発生する豪雨災害。対策技術の確立を目指し、2024年6月27日、北海道幕別町で「耐水害住宅」の実大実験が行われた。建物に作用する水の威力を、現実の洪水に限りなく近いかたちで計測する狙いがある。 真っ黒な濁流が住宅正面に押し寄せ、玄関ドアや掃き出し窓へ一気に水が迫った──。 国土交通省北海道開発局、土木研究所寒地土木研究所、建築研究所の3者が実施主体となり、日本住宅・木材技術センターと住宅会社の一条工務店(東京・江東)が参画して行われた実大実験の模様だ。予算の一部は林野庁が補助した〔写真1〕。
JavaはCOBOLに代わる「システム開発言語のデファクトスタンダード」として確固たる地位を確立した。一方で、イメージの悪さや設計の古さといった問題も抱える。Javaはこうした問題を、コード記法の簡略化や新機能の搭載などによって解決しようとしている。モダンな記法や機能を備える言語として生まれ変わることで、悪いイメージを取り払おうとしているのだ。ただ、Javaを利用する企業はライセンスにも注意する必要がある。Javaの現状と最近の改良点、企業の賢い使い方などを解説する。
産業技術総合研究所(産総研)は、AI(人工知能)用スーパーコンピューターである「ABCI(AI Bridging Cloud Infrastructure、AI橋渡しクラウド)」を刷新する。現在利用中の「ABCI 2.0」から「ABCI 3.0」にバージョンアップする予定だ。新版は米NVIDIA(エヌビディア)のGPU(画像処理半導体)である「NVIDIA H200 Tensor Core GPU」を搭載した米HPEのサーバー「HPE Cray XDシステム」を採用するという。 ABCI 3.0は、1つのサーバー(ノード)に8基のNVIDIA H200 Tensor Core GPUを搭載し、合計すると6000基に達するという。ノード間は「NVIDIA Quantum-2 InfiniBand」ネットワークで接続。演算処理性能は、FP16(半精度浮動小数点演算)で約6.2 EFLOPS(エ
米Meta(メタ)が2024年7月23日(米国時間)に、オープンソースの大規模言語モデル(LLM)の最新版「Llama 3.1」を公開した。同社のMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEO(最高経営責任者)は同時に公開した書簡で、LLMをオープンソース化する理由を説明しているので、その意図を解説しよう。 最先端モデルがオープンソースに 今回メタが公開したLlama 3.1には、機械学習モデルの規模が4050億パラメーターにも達する「Llama 3.1 405B」が含まれている。メタによればLlama 3.1 405Bは、米OpenAI(オープンAI)の最新モデルであるGPT-4oに匹敵する性能を有するのだという。 従来のLlamaシリーズは、オープンAIや米Anthropic(アンスロピック)などがクラウドサービスとして提供する最高性能のモデルと比べて、モデルのサイズは
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