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体力トレーニング
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川崎市で13歳の少年が殺されてしまった事件は、僕の遠い記憶を呼び覚した。 中3の時に寮を出て祖父母の下で暮らすことになった僕は、地方都市の公立中学に転校した。親もいない、友達もいない、そんな孤独だった僕に話しかけてくれたのは、同じ中学のA君だった。どこに行ってもいつも孤独を感じていた僕は、A君やその友人たちと夜のコンビニにたむろするようになった。 転校して2か月ほど経ったある日、A君が先輩から借りた原付に乗って、隣の中学の女の子たちと遊んでいると(もちろん無免許である・・・)、A君が転んでしまった。幸い大きな事故にはならなかったのだが、問題はA君が後ろに乗せていた女の子がB氏という暴走族メンバーの恋人だったことだ。A君は呼び出されてB氏に殴られ、A君と仲が良かった僕も目をつけられてしまった。 一番苦しかった経験は、家や学校で待ち伏せされるようになったことだった。B氏たちから「来週までに2万
4月になった。 大学に入学してから10年。 フルタイムの仕事を始めた人を「社会人」と呼ぶならば、「社会人」になってからは5年が経った。 この時期になるといつも思い出す。5年前に新卒で大企業のサラリーマンになった僕は、その会社員生活が半年もできなかった。 そして、自分が情けなくてどうしようもなく、鬱にまでなった。今でも想い出すと苦しい気持ちになる、大きな挫折だった。 ******* 会社員生活はしんどいことの連続だった。 油田権益の投資の部署に配属された僕は、基本的には投資管理というバックオフィスに近い業務だった。 お客さんと会う時間がないのであれば、通勤はラッシュを避けたかったが、大企業だからそういうわけにはいかなかった。 足が蒸れやすい僕は夏に革靴を履きたくなかったが、オフィスの中で他社の社員がいなくても、サンダルに履き替えることは許されなかった。 油田開発はいわゆる理数系の知識・バック
黒子のバスケ事件の被告人意見陳述が僕のTwitter上で話題だったので、読んでみた。 本当に胸が締め付けられて苦しすぎる文章だった。 http://bylines.news.yahoo.co.jp/shinodahiroyuki/20140315-00033576/ http://bylines.news.yahoo.co.jp/shinodahiroyuki/20140315-00033579/ その犯人の陳述書の中で、僕が印象に残ったフレーズを抜粋する。 ****** (引用開始) 「いわゆる「負け組」に属する人間が、成功者に対する妬みを動機に犯罪に走るという類型の事件は、ひょっとしたら今後の日本で頻発するかもしれません。グローバル経済体制の拡大により、一億総中流の意識が崩壊し、国民の間の格差が明確化して久しい昨今です。」 「正直に申し上げますと、今の日本の刑事司法には自分を罰する方法
先月は、1年ぶりにバングラデシュに帰った。 そして僕がかつて過ごしていた北部の娼婦街には、3年ぶりに帰った。 (去年は洪水の影響でダッカ市内から動けなかった。) ****** ダッカから車で北へ3時間、タンガイル県の中心部に、その娼婦街はある。 セックスワーカーだけで1000人程度、その子どもや住み着いているギャングも含めると2000人程度がその街で暮らしている。 娼婦街に入り、迷路のように入り組んだ道を右へ左へと曲がった先の少し開けたところに、友人たちは以前と変わらず住んでいて、この場所で過ごした時間がつい昨日のように感じられた。 (バングラの娼婦街の話は、以前ブログにも書いた⇒ 「バングラデシュ、娼婦街での日々」 ****** 当時、最も親しくしていたのが「ショキ」という女性だった。 バングラデシュ北部のサイドプールという街から、騙されて売られてきた子だった。 僕の下手くそなベンガル語
大学時代の前半、現地で交流の少ないイスラエルとパレスチナの若者を日本に招き、新潟・長野・東京で一ヶ月ほどの平和会議を主催したことがあった。 その会議は成田空港でイスラエル人とパレスチナ人が泣きながら別れを惜しむほど、成果は出たのだけれども、会議最後の一週間、東京滞在は大変だった。 大変だった、というのは「イスラエル人とパレスチナ人がケンカしたから」ではない。 彼らが六本木で毎晩遊びまわっていたからだ。 「団体を支援して下さった方々のことを考えて欲しい」と僕は彼らに伝えたが、「東京に来たのに何故遊ぶ時間をくれないんだ。」と彼らは逆に怒っていた。 (一応補足しておくと、今でも彼らとの交流は続いていて、当時のことは笑い話になっている) ***** 何度かこのブログに書いているけれども、バングラデシュの娼婦街に滞在を始めた当初、僕は現地のローカルNGOでインターンとして働いていた。その中で、娼婦街
2月の某居酒屋チェーンの過労死の問題を聞いてから、「個の自立」について改めて考えている。 ****** 「個の自立」とは、社会の目線を必要以上に気にする事なく、自分の判断に責任を持ち行動する態度のことだと僕は理解している。 人は本来、自分が幸せになるために、そして他者を幸せにするために生きているはずだ。 ただなぜか、日本社会では、「社会が自分をどう見ているか」が優先されてしまうことが多い。 (現に、丸山真男を始めとした知識人は、「個の自立」を日本の課題だとしてきたことはよく知られていることだと思う) 僕はこれについて、3年前にブログを書いていた。 https://yasudayusuke1005.wordpress.com/2009/02/27/about-freedom/ しかし、かく言う僕も、新卒で入った会社を辞めるときには「ここで辞めたら次の就職先はない。社会の中で行き場所を失う」と
ワタミの一件から、「頑張る」と「鬱」について、よく話題に出るようになったと思う。 僕自身、2011年の下半期は、「もう倒れるかな」と思うほど頑張って働いた。 平均睡眠時間は3時間程度、朝寝て朝に起きる生活が続いた。 そのおかげで、起業から一年半の今では、心の底から意義があると思える事業で、生きていくには十分のお金を稼げるようになった。 でも一方で、「頑張れなかった」ことも、これまでの人生でたくさんあった。 特に、2006年のルーマニア時代、2009年の商社マン時代はひどかった。 ****** 2005年大学二年生の頃、僕はイスラエルとパレスチナで学生NGOの代表をしていた(といっても、先輩が設立した組織を引き継いだだけだが)。 イスラエルとパレスチナ、紛争下ではなかなかお互い交流する機会がない。そのような状況にある学生たちを、第三国である日本に招致し、一ヶ月の合宿生活を行った。 当時の活動
先日、母校の学生新聞にインタビューして頂きました。 就活生に向けた記事です。 偉そうに喋りすぎていて恐縮なのですが、転載致します。 http://subsite.icu.ac.jp/org/wg/index.html ****** 11月に入り、学内にもスーツ姿の学生が散見されるようになってきた。いたるところで、就職の話をしている学生も見られ、就職活動が徐々に始まってきていることを窺わせる。読者の中にも、すでに就職活動を始めている人もいるだろう。しかし、一般企業への就職だけが、社会に関わる生き方という訳ではない。今回は少し視点を変えて、ICU卒業後、総合商社を退職し「NPO法人キズキ」を立ち上げた安田祐輔さん(ID:08 6卒)にお話を伺った。 (※インタビューは再構成済) 【くまむし。】 ――NPO法人キズキとは、どのような活動を行なっているのですか? 簡単に言うと、ドロップアウトしてし
僕は中退や不登校、ニートといった、社会のレールから一度外れてしまった若者たちの支援をしている。 よく彼らに対して浴びせられる批判は「彼らは夢や志がないからダメになるんだ」という種類もの。 でも、それはちょっと違うな、と僕は思っている。 ****** 先月から僕のNPOが経営する塾に通うことになった不登校の子(中学生)は、はじめに「僕は夢とかないから高校に行く気も起きないんだと思う」と下を向いて語った。 そこでウチのスタッフは、「私が高校受験の時は、怖い人がいなさそうなスカートの長い高校を選んだよ」と伝えた。いじめられっ子だった彼女は、「いじめられないこと」が高校選びの基準だった。 僕の場合も、しょうもない理由だった。下っ端ヤンキーだった僕は、「これ以上ケンカに巻き込まれるのは面倒だ」という理由で、地域で上から七番目、下から三番目の高校を目指した。つまり、一番下と、下から二番目の高校は嫌だっ
攻撃しあうのではなく、お互いの痛みを理解する社会を創りたい。2019年の抱負として、考えています。 2018年、特に印象の残っているのは自著の出版です。 この本を書く中で、最も伝えたかったことは「あとがき」に込めました。 ****** 4年前に僕も30代になり、10代の頃に比べると少しは大人になったように思う。あの頃との一番の違いは、「誰かを恨まなくなった」ことだった。 幼いころを思い出すと、僕の父は感情をコントロールすることが難しかっただけだったように思う。母は子育てをする中で孤独になり、苦しかったのだと思う。当時の僕を標的にした不良少年たちは、僕よりもさらに過酷な家庭環境の中でもがいていただけだったように思う。 自分に害を加えてきたように見えた人、キツイ言葉を浴びせた人であっても、きっとその裏にはその人なりの悲しみや苦しみがある。そのことに気づけたことで、人間の多様性と豊かさに気づける
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