『ルパン三世』の劇場版第1作。通称『マモー編』には名セリフ、名場面が多い。次元の「なげえ事、モンローとハンフリー・ボガードのファンだったが……」なんて最高だ。後に何度も繰り返される、五右ェ門の「またつまらんものを斬ったか」が最初に使われたのも『マモー編』だ。その中で一番印象的なのがクライマックス直前の、ルパンと次元のやりとりだろう。 「俺は、夢、盗まれたからな。取り返しに行かにゃあ」 「夢ってのは、女の事か」 「……実際、クラシックだよ。お前ってやつは」 格好いいシーンではあるのは間違いないが、語られている内容についての解釈は難しい。ルパンが戦う動機が語られているにも関わらず、それをはっきりとセリフにしていないのは、観客に対する謎かけなのだろう。 その“夢”を、不二子の事だと思っているファンが多いようだ。確かにこのやりとりの前に、南米のホテルにマモーが現れて、不二子を奪い去っている。だが、