当連載は、ついに50回目を迎えた。2019年にスタートしてから5年以上に渡って、ほぼ休みなく毎月のペースで時々のおすすめリイシュー作品を紹介し続けてきたことになる。次から次へと刺激的な新譜作品が登場し、そしてまた猛スピードで過ぎ去っていく中にあって、決して派手なテーマを扱っているとは言い難いこのような企画がここまで生きながらえてきたのも、ひとえに読者の皆さんのお陰です。謹んでお礼申し上げます。 岡村編集長から「次回の50回目は、いつもと違う何かスペシャルな内容にしませんか」と提案を受けたのが先月のこと。さてどうしようかと思案した結果、これまで特に触れずに来てしまった「リイシュー」や「発掘」、あるいは過去の音楽を元にしたコンピレーションアルバムの編纂といった営みの歴史について、簡単なあらましを紹介してみてはどうだろうかということになった。 もし、「ポップ・ミュージックのリイシュー史」を本気で