「ジャングル/ドラム&ベースの始まりを辿ると、ふたつのカルチャーが源流にあることがわかる。ひとつは、90年代初頭にアシッド・ハウスに代わりハードコア・ブレイクビーツが主役に踊り出たレイヴ・カルチャー。もうひとつは、ジャマイカ移民が持ち込んだレゲエのサウンド・システム・カルチャー。このふたつがレイヴ・シーンの中で交錯して生まれたハイブリッド・ミュージック、それがジャングルだ」 『ベース・ミュージック ディスクガイド』 ニア・アーカイヴスはジャングルの申し子である。それは彼女がシャイFXやコンゴ・ナッティ、ロニ・サイズといったレジェンドたちと共演したこと、そして彼女自身がデビュー当初から、ジャングルにこだわり続けて楽曲をリリースし続けているだけが理由ではない。ニアがイギリス人とジャマイカ人のハーフであるという血統的事実がそのまま、ジャングルという音楽ジャンルの成り立ちと静かに重なり合っていると