「100,000年後の安全」は、フィンランドのオルキルオトに建設中の、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場“オンカロ(隠された場所)”と呼ばれる施設に、世界で初めてカメラが潜入したドキュメンタリー作品。安全になるまで10万年を要するという高レベル放射性廃棄物を、果たして安全に人類が管理できるのかという問題を、フィンランドの最終処分場の当事者たちに問うている。SF映画のような非現実感と、どうすることもできない現実との間のバランス。その強烈な対比の中でこの映画は出来上がっている。同時に私たちの心の奥深くに、知のゲームを挑んでくる怪しい魅力にも包まれているのだ。 「オンカロ」(隠された場所)と呼ばれるこの施設は栄光を刻むものでも、未来の人間と対話するためのものでもない。それはひたすら「忘れ去られる」ために作られている。ではどうしたら、忘れ去られることができるのか。 ある学者はこの施設のゲ