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沈黙を守ってきた埼玉県鴻巣市のクラフトディスティラリーに初潜入。マレーシアの実業家が設立した光酒造鴻巣蒸溜所を訪ねる2回シリーズ。 文・写真:ステファン・ヴァン・エイケン 光酒造鴻巣蒸溜所の門を通り過ぎる。その瞬間、自分が風光明媚なネーデルラント地方のどこかにいるような気がした。そんな錯覚にとらわれるのも無理はない。ビジターの正面には印象的な灰褐色の建物が2棟あり、階段状破風のファサードが 17世紀のオランダやフランドルに特有の建築様式なのだ。 左側に視線を移せば、対照的なほど真っ白な邸宅がある。こちらはフランダースの田舎から移築されたような建築だ。だがここは欧州ではなく、日本の田舎である。田舎といっても、東京から北にわずか1時間ほどという近さなのではあるが。 排水タンクを別にすれば、ウイスキーづくりを連想させるヒントはない。例の2棟の建物に向かって歩いていくと、この建物同士をつなぐ錬鉄製
一般的な日本のクラフト蒸溜所とは一線を画す八郷蒸溜所。設備のひとつひとつに、日本酒とビールを造り続けてきた木内酒造ならではのこだわりが生きている。 文・写真:ステファン・ヴァン・エイケン 真新しい八郷蒸溜所を案内してくれるのは、サム・ヨネダこと米田勇さんだ。設備の説明を聞くにつれて、事の次第がようやくわかってくる。一見パズルのようにバラバラな装置の組み合わせは、決して非合理的なアプローチではない。むしろ八郷蒸溜所の独自路線を可能にする唯一の方法なのだ。 見学はまず穀物倉庫からスタートする。米田さんが設備を見せながら原料の説明をする。 「大麦モルト以外のグレーンも使用したいので、2つある通常の袋型供給口の他に、もう1つ小さな供給口を用意しました。3つの供給口のどこを起点にしても、アランラドック社製の4ロール式ミルを通って糖化槽のホッパーに送るルートと、ミルを飛ばしてホッパーに直接送ってしまう
「アイコンズ・オブ・ウイスキー(IOW)」は、ウイスキーマガジンの発行元でもある英国パラグラフ・パブリッシング社主催の世界的なコンテスト。レスト・オブ・ザ・ワールドの2部門でノミネートされた「アロハ・ウイスキー・バー」のデービッド・ツジモトさんに独占インタビュー。 聞き手:ステファン・ヴァン・エイケン 今年で第18回目を迎える「アイコンズ・オブ・ウイスキー(以下IOW)」は、ウイスキーマガジンの発行元でもある英国パラグラフ・パブリッシング社主催の世界的なコンテスト。「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」が製品としてのウイスキーを対象とするのに対し、IOWは世界のウイスキー業界に著しい貢献を果たした企業、蒸溜所、人物、小売店、バーなどを表彰している。2020年のIOWで、日本の関係者が2部門のアイコンにノミネートされた。しかも1人で2部門という異例の推挙である。バー・オブ・ザ・イヤーへ
ピートから生まれるスモーキーフレーバーは、モルトマニアが偏愛する風味のひとつ。世界でもっともピート香の強いウイスキーが「オクトモア」だ。常識を打ち破ったウイスキーづくりの真価を探る。 文:WMJ ウイスキーの世界を歩けば、誰でもいつかはスモーキーな風味と出会うことになる。これは原料のモルトをピートの煙で燻すときに備わる風味要素だ。苦手な人もいるが、熱狂的なピートマニアも少なくない。スモーキーなモルトウイスキーの産地として特に有名なのがアイラ島である。 そのアイラ島は、世界でもっともピート香が強いとされるシングルモルトウイスキー「オクトモア」の故郷である。生産するのはブルックラディ蒸溜所。従業員85人という大所帯で、あらゆる行程をほぼ島内で人力でおこなう異色のウイスキーメーカーだ(モルティングのみスコットランド本土で実施)。 ブルックラディ蒸溜所では、現在3種類のシングルモルトウイスキーを生
ジャパニーズウイスキーに続々と新しい顔ぶれが加わる2016年。開業直前の新設蒸溜所を訪ねるレポートの第1回は、道東で初めてのウイスキー蒸溜所となる厚岸蒸溜所。ステファン・ヴァン・エイケンが現地を訪ねた。 文・写真:ステファン・ヴァン・エイケン あと何ヶ月もすれば、日本のウイスキーマップにはいくつかの新しい蒸溜所が加えられることになるだろう。現存設備の拡張も多いが、それよりも冒険心に満ちた事業が北海道東岸で進行中だ。今年の末までには、厚岸の地で新しいウイスキーの歴史が始まっているだろう。まったく新規の蒸溜所が日本で建設されるのは、秩父蒸溜所以来初めてのことだ。建設計画はどのくらい進んでいるのか。将来に向けてどのような計画を立てているのか。はるばる厚岸まで赴いて、関係者にお話をうかがうことにした。 厚岸蒸溜所を運営するのは、東京で食品の輸出入をおこなう堅展実業である。代表取締役の樋田恵一氏は長
2016年は、日本のウイスキー業界にとって記念すべき年。開業が予定されているクラフトディスティラリーのひとつが、いよいよ東北で始動する。福島県郡山市で、正式な開業間近の安積蒸溜所を訪ねた。 文:ステファン・ヴァン・エイケン 訪問時はまだビニールを被っていたラウタータンク(手前)とポットスチル(後方)。今ではすでに試運転を始め、正式な生産開始は5〜6月になるという。 「面白い時代を生きられますように」という中国の諺がある。平和な時代を凡庸に生きるより、激動の時代を人間らしく生き抜いたほうがいいという、バイタリティーあふれる人生観だ。 今や日本のウイスキーづくりは、間違いなく「面白い時代」に突入したといえるだろう。2016年中に、少なくとも5つの小規模蒸溜所がウイスキーの生産を開始する予定である。茨城県那珂市にある木内酒造など、すでにいくつかのメーカーでは生産が始まっている。そして本坊酒造の津
この8年間、オークション指標で首位の座を守ってきたザ・マッカランがついに陥落した。新しい王者は、昨年よりニュースを賑わせている軽井沢である。ジョン・マコーミックが、オークション市場の分析から2015年を振り返る詳細なレポート。 文:ジョン・マコーミック こうなることは以前から予想されていたが、ついに公式発表のときが来た。ウイスキーマガジンのオークション指標で、軽井沢がザ・マッカランを抜いてトップに立った。驚くべきことに、このランキングを開始した2007年初頭から、ザ・マッカランは不動の首位に君臨してきた。ボウモア、アードベッグ、グレンフィディックなどの猛者が次々に挑んでも、豊かなシェリー香で知られるスペイサイドの王者を第2位に引きずり下ろすまでには至らなかったのである。 2015年、軽井沢は香港のオークションで高値をつけ、じりじりとザ・マッカランに迫ってきた。10月後半までは拮抗状態で、数
ニッカウヰスキーの次世代を担う、森 弥(もり わたる)主席ブレンダーの独占インタビュー。前半では森さんの経歴とこれまでに手がけた製品について伺う。 ウイスキーメーカーであれば必ず、ブレンダーはウイスキー品質の中核となる。 国際的評価もさらに高まり、販売量も目覚ましい増加を続けるニッカウヰスキー。そのブレンダー陣の中で若くして主席ブレンダーとして頭角を現す、森さんへのインタビューの機会をいただいた。ニッカウヰスキー柏工場内にある、ブレンダー室にお邪魔した。 ————————————————————————————————————————- ウイスキーマガジン・ジャパン(以下WMJ) 本日はお忙しい中お時間をいただき、ありがとうございます。早速ですが、まず森さんのご経歴をお聞かせください。 森 弥主席ブレンダー(以下森氏) 2000年にニッカウヰスキーに入社し、最初は仙台工場(宮城峡蒸溜所)の
先日速報でお伝えした「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)2015」の続報として、世界最高峰を勝ち取った全6アイテムをご紹介する。 3月19日(現地時間)、ロンドンで発表となったWWA2015。 今回は全6カテゴリーへ23ヶ国365銘柄というエントリーがあり、世界一のウイスキーの座を目指して激戦が繰り広げられた。 速報でもお伝えした通り、ニッカウヰスキー「竹鶴17年ピュアモルト」が「ブレンデッドモルト・カテゴリー」において3度目の世界最高賞「ワールドベスト・ブレンデッドモルトウイスキー」を受賞した。 「竹鶴」ブランドでは通算7度目の受賞であり、2007年のWWA初開催以来最多の最高賞受賞記録を更新した。 ジャパニーズウイスキーは初開催以来常に世界最高賞を受賞しており、世界の5大ウイスキーの中でもスコットランドに次ぐ受賞率の高さを誇っている。 そしてもうひとつ注目を集めたのが、シングルモ
「ウイスキー・バイブル」2015年度版において、「山崎シェリーカスク 2013」がジャパニーズウイスキーとして初の最高得点を獲得。その詳細を説明する会見が行われた。 ウイスキー評論家として世界的権威であるジム・マレー氏が発表する「ウイスキー・バイブル」。著者のマレー氏は新聞ジャーナリストとして活躍後、ウイスキー専門の評論家に転身。IWSC(インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション)の審査委員長を務めるなど、ウイスキー評論の第一人者である。 今回発表された2015年度版は12年目の発行であり、広告を掲載せず公正な評価をする世界でも有数のウイスキーガイドブックとして知られている。 2015年度版では4,700銘柄のウイスキーの点数評価をしており、その中で最高得点を獲得したのが「山崎シェリーカスク 2013」なのである。初めてジャパニーズウイスキーが歴代の最高得点に並ぶ9
羽生蒸溜所創始者の孫である肥土伊知郎が創業したベンチャーウイスキーの秩父蒸溜所。2008年2月に稼働を始め、秩父の風土に根ざしたシングルモルトウイスキーづくりが行われている。 秩父蒸溜所は東京の北西約100km、埼玉県秩父市に設立された。ジャパニーズウイスキーであることに誇りを持ち、小さなミル、マッシュタン、ミズナラ製の発酵槽、スコットランド・フォーサイス社製のポットスチルで、ハンドクラフト(手づくり)にこだわりモルトウイスキーを生産している。 蒸溜所は市街地から車で30分ほどの小高い丘の上に建てられた。夏は高温多湿、冬は朝晩が氷点下にいたる寒さの厳しい環境だ。しかしその厳しい環境はウイスキーの熟成に多大な影響を与えると言われ、短い熟成期間にも関わらずフルーティでバランスの良いウイスキーが仕上がっている。 仕込みには天然のミネラルが溶け込んだ大血川渓谷水系の軟水を使用。また近年では地元埼玉
ホットウイスキーをお勧めする企画第3弾は、家庭でひと手間かけて楽しむホットウイスキーカクテルのレシピをご紹介する。 前回、前々回にてフードとともに、またはバーで楽しむホットウイスキーをご紹介したが、お試しいただけただろうか? 「いやまだハードルが高い!もっと簡単&美味しい飲み方を!」と仰る方に、WMJでは手軽にご家庭で作れるホットウイスキーカクテルのレシピをご用意した。基本はウイスキー+ホットドリンク。そこに「ちょい足し」をすることで一層美味しくなる、シンプルなレシピなのでご安心を。ご家庭にあるものやコンビニで調達できる材料ばかりなので、気が向いたときに作ってホッと一息入れていただければと思う。 ① ウイスキー&ホットティー レシピ: ウイスキー 30ml 紅茶 蜂蜜または砂糖 (好みで) 使用グラス: イエナグラス 「GOOD MOOD ラウンドティーカップ&ステンレスソーサー」 ま
江井ヶ嶋酒造ウイスキー蒸溜所 【更新しました】 兵庫県明石の江井ヶ嶋酒造がウイスキー製造免許を取得したのは1919年。新たな蒸溜所が竣工したのは1984年。スコットランド地方の様式を取り入れた蒸溜所は小規模ながらモルト原酒のみに拘ったウイスキーづくりを行っている。 サントリー白州蒸溜所 【更新しました】 山崎蒸溜所が開設されて50年を迎えた1973年、新たな原酒を求めて誕生したサントリー第二の蒸溜所。南アルプス・甲斐駒ケ岳のふもと、敷地面積約82haにもおよぶ森に囲まれた蒸溜所では軽快でなめらかな味わいのモルト原酒がつくられている。 羽生蒸溜所(閉鎖) 埼玉県羽生市の東亜酒造が所有していた蒸溜所。2000年を最後に蒸溜を停止し、熟成中の樽はベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏に引き継がれた。羽生蒸溜所の原酒は、引き継がれた肥土氏によって『イチローズモルト』というブランド名を与えられ、限定品な
本日、ついに日本限定のシーバスリーガルが発売となる。しかも、日本固有のオーク「ミズナラ」樽を使用したボトルである。発売に先駆けて行われたセミナーをレポート。 9月25日 コートヤード・マリオット 銀座東武ホテルにて、シーバスリーガル・マスターブレンダー コリン・スコット氏による「シーバスリーガル ミズナラ スペシャルエディション」新発売記念セミナーが行われた。 まずコリン氏より、シーバスリーガルの歴史が紹介される。 1801年、アバディーンで高級食料品販売の「シーバスブラザーズ・ショップ」を開店したのがその長い歴史の始まりだ。 当初は単にウイスキーを樽ごと購入し、販売していただけだったが、1840年代からショップで働き始めたジョンとジェームスが、その豊富な樽のストックを用いてブレンディングを行うようになる。個性が強く好き嫌いの分かれるシングルモルトと、1820年代に登場したグレーンウイスキ
密造時代に税吏の目を欺こうと古いシェリー樽にウイスキーを隠したこと、さらに米国のバーボン業界が新樽しか使用できないという規則を作ったことが、現在のスコッチウイスキーのスタイルを作ったといわれている。カスクはウイスキーの素性を示す手がかりの宝庫だ。 解説:デイヴ・ブルーム 第1課 カスクの種類と効果 樽を英語でカスクという(バレルはサイズを表す言葉)。世界のウイスキー業界は様々なカスクを貯蔵用に使用しており、その分類はサイズの違いと、使用するオーク材の種類によって識別される。サイズの違いも、樽材の違いも、熟成中のスピリッツにそれぞれ異なったフレーバーを付与してくれる。 カスクの大きさがもたらすスピリッツへの影響は、樽に使用されている木材と樽内のスピリッツの質量比で決まる。つまりカスクが小さいほど、一定量のスピリッツに対して働きかけるオークが多く存在することになり、逆にカスクが大きいほど、オー
シングルモルトの聖地・アイラ島に君臨するラガヴーリン蒸溜所。その佇まいはあくまでひっそりとしながらも、自信に満ちている。シーニーン・サリバンのラガヴーリン蒸溜所レポート、前半はその歴史を静かに紐解く。 アイラ島に行くなら、夕暮れ時がいい。 午後の陽射しが糖蜜のように島全体に降り注ぎ、木のない奇妙な風景を包み込む中、冷気が湾を渡って来る。至る所にピートの香りが漂い、海、陸、大気、そしてウイスキーに浸透している。静かに、泰然と。しばらく経たないと気付かないほどだ。スモークの芳香が染みつき、からみついて、自分がどこにいるのかを思い出させてくれる。 私がダニヴェイグ城跡に近い低地に立つ白塗りの建物群、ラガヴーリン蒸溜所に着いたのは午後も遅くなってからだった。蒸溜所は湾の端に根を下ろし、自分の場所に確信を持って堂々と立っている。 この土地にはウイスキーづくりの歴史が染み込んでいる。 1742年から蒸
クラガンモアはスペイサイドを代表する一匹狼。地味だが深みのあるモルトウイスキーだ。ますます知名度を高めるグレンリベットの近隣にある小さな蒸溜所でつくられている。すっかりその魅力にとりつかれた。 Report:ドミニク・ロスクロウ クラガンモアはオリジナルのクラシックモルトシリーズの中では、他の目立つモルトウイスキーの陰に隠れた目立たないブランドだった。 とはいえ、クラガンモアが質の低いブランドという訳ではない。むしろその逆だ。クラガンモアは完成され、深みのあるモルトウイスキーで、ウイスキーメーカーが選ぶウイスキーなのだ。 クラガンモアは必ずしも一般的に高い評価を受けるウイスキーではないが、時間をかければ好きになるブランドだというのがディアジオのモルトの最高権威、ニコラス・モーガン博士の意見だ。 「クラガンモアはスペイサイドのモルトだが、例外的なブランドだ」と博士は説明する。「リンゴと梨の風
ピーテッドモルトに関して「ppm」という用語はなにを意味し、モルトの特性面でどんな意義があるのか Report:イアン・ウィスニュースキ ピーテッドモルト(ピートで乾燥したモルト)の選択肢はわずかなスモークの香り付けをしたものから、焚き火で乾燥したものまであらゆる好みに対応できるが、これは各モルトのピートレベル(ピートでの乾燥レベル)が重要な数字になっていることを意味する。このレベルがppm(100万分の1)という化学で使用される標準的な単位で表され、スモーキーでピートの風味を出すフェノール性化合物を示す。 表示されたピートレベルは大麦(一度麦芽にされ、ピートで乾燥された)についてのもので、ニューメイクスピリッツあるいは熟成されたモルトウイスキーについて言及されるものではない。 ただし、このレベルは製造プロセスで大きく変動するのでモルトのピートレベルを把握するのは出発点に過ぎない。 まず、
多くの人々に愛された軽井沢蒸留所。閉鎖直前に訪問したデイヴ・ブルームがレポート 心の準備をしていなかったわけではない。残っているものは少ないだろうと思ってはいたが、それでも貯蔵庫の光景は衝撃的だった。残りのストックは貯蔵庫を埋めるほどもなかった。軽井沢蒸留所の44年にわたるウイスキーづくりで残されたものは、数百丁の樽だけだった。 蒸溜所のDNAは物理的な出生地と樽の両方に存在する。片方が風味を創り、もう片方が生来の可能性を何年もかけて育み、完全なものにする。そのすべてを監督するのがディスティラーだ。ウイスキーづくりは活動的で、生命を持ったプロセスであり、ディスティラーは活動的な参加者だからだ。ディスティラーがいなくなると、蒸溜所は息絶える。その結果がこの光景だった。 私は数字を調べながら歩き回り、関係を見分けようとした。ステンシルはかすれ、末尾の一部は歪んで、剥がれかけたペンキの隙間からた
シングルモルトの世界には、ワインやブランデーに負けないほどの多様性がある。 それなのに、なぜウイスキーグラスの種類は少ないのだろう。 世界的メーカーのリーデル社を巻き込んだ検証をおこなった。 文:ニコラス・コルディコット 写真:ジュレン・エステバン=プレテル 協力:RSN JAPAN 株式会社、バル ア ヴァン タテルヨシノ ワイン愛好家は気の毒だ。ボトル1本ごとに大枚をはたくばかりか、専用の設備にもひと財産をつぎこまなければならない。ワインセラー、デキャンタ、人間工学に基づく先鋭的なコルクスクリュー。さらにはワインポアラー、フォイルカッター、ワインファンネル、ワインクーラーなどにも投資する。 品種別のグラスも悩みの種だ。赤ワイン用と白ワイン用があればいいという考えは古い。ブルゴーニュグラスにボルドーを注げばトゲトゲしく乱暴な味になり、ボルドーグラスでピノを飲めば酸味が果実味を掻き消してし
インド産シングルモルトの最高峰といえばアムルット。高原の風が渡るバンガロール近郊に、その本拠地がある。(文:ダヴァン・ドケルゴモー) アムルットとは、サンスクリット語で「人生の霊酒」を意味する言葉。1948年にラダクリシュナ・ジャグダルが創業した当時、アムルット社は簡単なブレンディングとボトリングの機械を備えた小さな工場に過ぎなかった。 他の蒸溜所から購入したアルコールをブレンドして販売するビジネスで成功したラダクリシュナは、70年代に地元産のブドウ品種「バンガロールブルー」でオリジナルのブランデーをつくろうと連続式蒸溜機を導入。やがて80年代初頭にはモルトウイスキーも生産するようになった。 最初のモルトウイスキーは18ヶ月で出荷可能になったが、当時のインドにはシングルモルトの市場がない。そこでサトウキビを蒸溜したアルコールとモルトウイスキーをブレンドした「マッキントッシュ・プレミアムウイ
196号 テイスティングコメント 【後半/全2回】 続きを読む / Read more https://itpilloleinlinea.com from Issue 196 テイスティング:ベサニー・ワイマーク、クリストファー・コーツ 世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。 196号 テイスティングコメント 【前半/全2回】 続きを読む / Read more https://itpilloleinlinea.com from Issue 196 テイスティング:ベサニー・ワイマーク、クリストファー・コーツ 世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹
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