(1)来歴 ジャガイモシストセンチュウ抵抗性品種の育成を目標として、北海道農業試験場において昭和50年(1975)に「男爵薯」を母、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性の「ツニカ(Tunika)」を父として交配し、選抜、育成された食用品種である。昭和62年(1987)に「キタアカリ」の名で命名登録された。名前の由来は育成地の北の大地を線虫被害から守る希望と明るさを表現している。食用品種としては、「エゾアカリ」とともにわが国で初めて育成されたジャガイモシストセンチュウ抵抗性品種である。 食味が良いことやビタミンCが多いことが消費者にも徐々に認知され、北海道における平成26年(2014)産の作付面積は、シストセンチュウ抵抗性品種では最多の1,801haであるが、「男爵薯」より煮くずれが多く、煮物には不向きなことや貯蔵中の品質低下が大きいことなどから、1,800~2,000ha強で頭打ちとなっている