慶應MCCのシニアコンサルタントが、仕事や生活に役立つ 思考・コミュニケーションスキルのヒントを紹介します。 『抽象の梯子(はしご)』という言葉をご存じでしょうか。 これは米国の言語学者で後に上院議員も務めたサミュエル・I・ハヤカワの残した有名な概念です。 たとえば「レンガを積む」という言葉はとても具体的です。その作業そのもの、見たとおりの疑いようもない作業の名称です。 しかしその作業をしている人に「あなたは何をしているのですか?」と尋ねると、その人は「私は壁を作っています」と答えるかもしれません。 これもまた嘘は言っていません。「レンガを積む」との違いは、そこに『意味』が込められた点です。 これは具体的な作業が一段抽象化されたと言えます。 逆から見れば、「壁を作る」を具体化(ブレークダウン)すると「レンガを積む」があり、他にも「レンガを積む前にセメントを塗る」などがあるわけですね。 さて