精神疾患は遺伝で決まる病気なのでしょうか? 統合失調症, 気分障害(うつ病や双極性障害), 摂食障害, 自閉症スペクトラム障害が発症するには, どれも遺伝要因だけではなく, 環境要因も重要な役割を果たしていることが知られています。すなわち, 精神疾患が発症する際には, その人が持っている, 生まれながらの体質(遺伝要因)と生活習慣などの影響(環境要因)との両者が複雑に組み合わさって生じていると考えられています。 図1をご覧ください。左にいくほど発症に遺伝要因が強く影響し, 右にいくほど環境要因が強く影響します。環境要因が強く影響する疾患としては怪我などがあり, 遺伝要因が強く影響する疾患としては単一遺伝子疾患と言って, 遺伝子の違いによって起こるような疾患があります。しかし精神疾患は, 図の真ん中辺りにあり, 発症に両方の要因が関係していることがわかります。 すなわち, 精神疾患は,