著者 柏崎良子(かしわざき・りょうこ) A5判 並製/238頁 定価1,890円(税込) ISBN978-4-903748-00-9 C0047 妻の良子は、医学部在学中から精神的な不安定、脱力感、うつ病で苦しんでいました。今から思えば、低血糖症特有の不器用さ、偏り、感情の変動があったのですが、私はちょっと変わった人だな、と感じながら、誕生日が同じというだけの関心しかありませんでした。学内で出合う時に、だんだん暗い印象になっていったのはわかりました。ところが、ある晩、私が酒を飲んでいい気分になって電車に乗ると、顔を輝かせた内田良子さんがいました。「何か良いことがあったのですか。」と酔っ払った勢いで軽く聞くと、「教会に行ってきました。」と答えました。「神様っているのですか。」という問いに、「ハイ。」と、うれしそうに言うのです。私は話しに行き詰まり、そのまま離れましたが、今まで神がいるな