今年の1月から3月にかけての国内総生産(GDP)の速報値が発表された。簡単にいうと、国内景気は予想以上にひどい結果だった。2四半期ぶりのマイナス成長で、実質GDPは前期比0・5%減、年率換算で2・0%減だった。実質最終需要は、年率換算で2・9%減、景気実感をより示す名目値でも0・5%減だった。悪化の主因は、能登半島地震やダイハツ工業の認証不正による自動車の生産・出荷停止が大きく響いたといわれている。だが本当にそれだけだろうか。 自動車問題などがなくても民間消費の弱さは顕著である。単に自動車が買えなかったというだけで説明できる範囲を超えている。消費低迷の深刻さは、4四半期連続の前期比マイナスでみても分かる。背景には所得の不足とこれからの負担増がある。消費者マインドを示す「消費者態度指数」をみても、景気が下降局面にあり、さらに消費増税の影響も受けた2019年後半並みのレベルだ。まったく力強さに