サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会。6月29日に行われた決勝トーナメント1回戦。パラグアイ代表と戦った日本代表はPK戦の末に敗れ、初のベスト8進出はならなかった。 直前の強化試合で連敗を喫したこともあり、今大会の日本代表の前評判は決して高くはなかった。だが、大会本番ではサポーターの懸念を吹き飛ばしてくれた。 6月11日に開幕した1次リーグ。7月2日の準々決勝でブラジルを破りベスト4に進出したオランダ代表には0-1で敗れたものの、カメルーン代表を1-0、デンマーク代表を3-1で下し、2大会ぶりの決勝トーナメント進出を果たした。 実はこれまで日本がW杯で勝利を挙げたのは、ホームで戦った2002年の日韓大会1次リーグのロシア戦とチュニジア戦の2試合だけ。海外のアウェーでの勝利は今回が初めてだった。 帰国後の記者会見の様子を見ても、岡田武史監督が率いた日本代表は本当に“チーム”としてま
シュレーダー そもそもドイツは、東西ドイツが一緒になった統合国家です。そのため、移民政策は、(移民を社会に溶け込ませる)統合政策と切り離して考えることはできません。 こうした背景から、ドイツの移民政策は、社会が移民を受け入れられる限界を念頭に置きつつ、いかに移民を受け入れていくかに主眼を置いています。もちろん、不法移民の封じ込めも移民政策の狙いの1つです。 ドイツでは、労働目的の移民の受け入れを、移民が持つ資格や技能に基づいて実施しています。一方、人道的な観点から、政治的な理由などから保護を求める難民の受け入れも実施しています。 移民政策を注意深く実施すれば、人口減少による労働力不足、特に、高い技能を持つ労働者の不足に起因する悪影響を緩和できると考えています。 経済と社会にプラス効果をもたらす移民を、いかに引き付けるか。そうした観点から、高度な技能を持つ人材にはドイツに移住することのインセ
福祉大国として知られるスウェーデン。付加価値税(消費税)25%という高い税率に支えられたこの国には、もう1つ、別の顔がある。実は、政治・経済的な理由から祖国を捨てた人々が押し寄せる「難民大国」なのだ。 スウェーデンは戦後直後から、労働力不足を補うために移民を受け入れを開始した。働くために入国する労働移民に加え、この国特有の人道主義から難民にも門戸を積極的に開いてきた。その結果、世界のどこかで戦争や紛争が起きるたびに、大量の難民が押し寄せる難民大国となったのである。 難民が集中した地域では、失業率の上昇や治安の悪化など社会問題も発生している。しかし、高齢化と人口減少という現実を前に、難民たちをも貴重な労働力として生かさなければ、もはやこの国の福祉は維持できない。難民が支えるスウェーデン社会の最前線を追った。 スウェーデンの首都ストックホルムから電車で東に約1時間。トラックメーカー「スカニア」
彼の地ではバイクのことを“ホンダ”と呼んでいます。スズキ製だろうがカワサキ製だろうが、バイクであればみなホンダと呼ばれます。中国製の粗悪なパチ物バイクも多く売られる中で、ホンダは憧れの的。高性能、高品質の証しです。「私の彼はヤマハのホンダに乗ってるのぉ」なんて具合に、若いお嬢さんがトンチンカンな自慢をしたりもするほどです。ヤマハにお勤めの方が聞いたら卒倒してしまいそうな話ですが、それほどまでにホンダの“ブランドが立っている”ということなのでしょう。 さて、発売以来圧倒的な販売実績を誇るトヨタのプリウス。こちらも三代目を襲名して、最早ハイブリッド業界の代名詞と呼べるほどにブランドが立って参りました。大塚氏のインタビュー。最終回はプリウスのブランディングからお話を伺います。 * * * フェルディナント(以下、F):プリウスを開発するに当たって、一番気を付けられたのはどの辺ですか? 大
人を統率するプロはいかに自分を統御しているのか。コーチングのトッププロであり、連載コラム『風通しのいい職場づくり』『リーダーシップは磨くもの、磨けるもの』の執筆者としてもおなじみの鈴木義幸氏が、様々な現場で活躍中のリーダーやリーダー論者に「真意」を問う。 まずご登場くださったのは、早稲田大学ラグビー蹴球部監督の中竹竜二氏だ。中竹氏は前監督の清宮克幸氏から指名され、2006年、新監督に就任した。清宮氏が「カリスマ」と評されたのに対して、中竹氏は自身を「日本一オーラのない監督」と称する。 選手との接し方も対照的だ。清宮氏がトップダウン的な指示スタイルを貫いたのに対し、選手と徹底的に膝を突きあわせて話し合うのが中竹流。その手法の成果は、2007年、2008年と全国大学選手権2連覇という形で結実している。 「日本のラグビーの監督で日本一、面談に時間を割いている」中竹氏。百数十人もの選手の力をどう引
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 仕事柄、クルマで国内を移動する機会が多い。 道すがら風景を見続ける。 どこの国の風景もそれぞれに個性的だが、日本の風景もまた日本に特殊だ。 そして、これもどの国の国民も同じだろうが、母国の風景は「発見」しにくい。そこに生まれ育っていると慣れてしまって、風景を意識すらできないのだ。風景の特徴に改めて気づくには、きっかけが必要になる。 今回のきっかけとなったのは、農業が揺らいでいる、そんな情報を得たことだった。 変わる水田の光景は何を意味するのか 改めて車窓に流れる景色を省みる。平野には昔ながらの水田の光景が広がり、初夏には一面が緑に映え、秋になると重たそうに金色の稲穂が垂れる。 熱帯原産のコメを、長く時間をかけた品種改良の結果、日本人は北海道の
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン (その1から読む) 追い風も吹いていた。愛知県農業総合試験場主任研究員の坂紀邦氏が研究に当たっていた時期は、イネゲノムの全解析が達成された時期でもあった。1991年から開始されたイネゲノムプロジェクトは2004年12月にすべての塩基配列の解読が終了した。 「以前はマーカーを使うとしても、大雑把にしか使えなかったが、イネの全塩基配列が解読できて遺伝子の状態が分かったので、(イモチ病抵抗性を発揮する遺伝子である)pi21がどんな塩基配列なのかも分かった。結果としてより細かくDNAマーカーが使えるようになって、イモチ病抵抗性と食味の連鎖を切れた」と坂氏が言う。 イモチ病抵抗性のあり方についても、研究が進んだ。pi21は陸稲にも水稲にもあると前回述べ
2009年2月17日、このコラムで中国の大卒生の就職難に関して「中国の就職難、農村からの出稼ぎ向け求人に大学卒が殺到――『農民工』と『大卒生』の不満が合体すれば社会不安が」というタイトルで記事を書かせて頂いたが、いまその就職できない大卒生に異変が起きている。 なんと、中国人民解放軍に入隊しようと、徴兵弁公室に殺到し始めたのである。 中国政府、人民解放軍での大卒生優遇策を発動 それもそのはず。大卒生の就職難が臨界点を超えそうなのを見て、中国政府は「国家教育部、国家財政部および中国人民解放軍総参謀部」の名において、大卒生(在学生を含む)が人民解放軍に入隊したときの優遇策を講じて全国に発令したのだ。 中国には古くから「良鉄釘を打たず、良男兵にならず」という諺があるように、兵隊になるなど恥ずかしいと思っている者が多かった。しかし、高い学費を払って大学を出ても就職先がなく、あったとしてもブルーカラー
東京の高級住宅街である白金に11月7日にオープンした1軒の日本料理店「味彩せいじ」。広尾の懐石料理店を皮切りに、西麻布で鮨を10年間握り、系列の日本料理店も任されたという料理人がいよいよ独立し、腕によりをかけて魚料理を振舞う。 東京で魚と言って、すぐに頭に思い浮かぶのは、全国から魚介類が集まる築地の魚市場。ここも、やはり、築地で厳選した素材を使って料理を堪能させようというのだろうか。 「築地? 基本的には頼りませんよ」。料理人、平原成二はこともなげに言う。そして、こう続けた。「毎日どんな魚が届くのか、私も楽しみにしているんです」。 栗の香りがする茹でダコ どうやらこの店は、普通の日本料理店とは趣が異なるようだ。平原の仕入先の魚は「とにかく鮮度が違う」のだという。しかも、築地では見ることができないような魚を扱うこともあるらしい。その日の献立は、届いた魚で決まってくる。 なぜこのような店を立ち
今回からシリーズでスタートするこのコラムは、会計の素人のための財務分析講座です。財務分析といっても流動比率や自己資本比率などの財務分析指標を説明するものではありません。財務諸表から会社の状態を読み解くコツを説明するものです。つまり、財務諸表のどこを見れば何がわかるのかを説明していきます。 素人でも財務諸表は読み解ける 今回の第1回と次回の第2回は財務分析の基礎的な方法論の説明ですが、第3回からは話題の企業を例にとって実際に財務分析をしていきます。 このコラムは会計に苦手意識を持つ人のためのものです。会計分野に深い知識がなくても財務諸表を読み解くことは可能です。このコラムを執筆する私自身が元々機械エンジニアですし、いままでに仕訳の勉強をしたこともありません。そんな会計の素人でも財務分析のポイントさえわかっていれば、財務諸表から会社の状態を読み解くことができます。 ではこれから財務諸表が読める
「事業仕分け」の映像は、なんだかものすごい。 ニュース番組の編集方針が、印象的な場面を連続再生する形式を踏んでいるということもあるのだろうが、それにしても強烈だ。 特に、各局のニュース番組が繰り返し紹介していたカット(蓮舫議員が「国立女性教育会館」の理事長さんを問い詰める一幕)は、アメリカの法廷ドラマ(←ただし低予算)みたいだった。 が、その場面を活字で再現しようとすると、うまくいかない。 「民間の利用はありますか?」 「あります」 「稼働率は?」 「私の話も聞いてください。一方的にただ質問に答えろというのは心外です」 ……と、文字にしてしまうとこれだけになる。 迫力を欠いている。 なんだか牧歌的なやりとりであるようにさえ読める。 というのも、私がテレビの録画から聞き取ったこの字面からは、あのやりとりのエッセンスがほとんどすべて抜け落ちてしまっているからだ。 具体的に、映像の言葉とテキスト
懐かしの味、アイスクリンや土佐佐賀の天日塩を使った天日塩アイス、旧吾北村のユズ、土佐市の文旦、室戸市のポンカン、香我美町山北のミカン、旧十和村の栗など、高知県の素材を使ったアイスクリンやシャーベットを全国で販売している。 売上高は3億2000万円(2009年10月期)。規模で見れば、中小企業の域を出ない。だが、ここ数年の急成長が著しい。 2002年10月期に6000万円だった売上高は翌年度に1億円を突破した。それ以降も確実に売り上げを増やしている。しかも、売上高の95%は高知県外で稼ぎ出したもの。高知県は県内産品を県外で販売する「地産外商」を進めている。高知アイスはその代表格に数えられる存在になった。 高知アイスの急成長。そのきっかけを作ったのはこの連載の主人公、梅原真だった。農林漁業と地域のために絵筆を振るう。そんな気骨溢れるデザイナーである。 1988年に創業した高知アイスだが、その後
DVDレコーダーなどの光ピックアップ部品で世界シェア30%を誇る。亜鉛ダイカストの鋳造技術で多業種から引っ張りだこだ。自動車業界にぶら下がった企業が、一念発起で系列の壁を破った。 2006年初夏、宮城県石巻市にある中小企業の堀尾製作所に、韓国サムスン電子系列の電子部品メーカーから問い合わせの電話が入った。「この部品を作っているのは堀尾だろう? うちにも供給してほしい。明日そちらに向かう」と口早に話して電話を切り、翌日韓国からやってきた。 堀尾は、亜鉛ダイカスト分野で「東洋一」とも称される細かい加工技術を持つ企業で、海外企業からのこのような問い合わせも少なくない。 ダイカストとは鋳造法の1つで、砂で作った型に溶かした金属を流して毎回型を壊す鋳造とは違い、溶かした金属を金型に流し込み、圧力をかけて成型する加工法だ。 経済産業省の調べによると、ダイカストに用いられる合金はアルミニウムが96.7%
2009年10月27~31日の5日間、中国の第11期全国人民代表大会(略称:全人代)常務委員会(注)第11回会議が開催された。 (注)全人代は日本の国会に相当する一院制議会で、毎年3月に約3000人の全人代代表が参加して開催されるが、全人代の閉会中は200人程の委員で構成される常務委員会が立法や政策を検討し決定する。 会議では各種法案の審議が行われたが、中でも注目されたのは今回初めて審議された「選挙法改正案(草案)」と3回目の審議となった「権利侵害責任法(草案)」であった。 それは、前者には県級(級=レベル)以上の「人民代表」の選出基準を都市部と農村部で同一の人口比とする規定、後者には都市部も農村部も“同命同価(生命の価値は同一)”とする規定が含まれていたからであった。 「都市部は農村部の4倍」と明記 さて、「選挙法改正案」の「選挙法」とは「中華人民共和国全国人民代表大会・地方各級人民代表
── 世界的な景気低迷を受けて、日本の電機メーカーは軒並み業績が低迷しています。対照的に韓国勢は絶好調です。日本と韓国の両方の電機メーカーに詳しい吉川さんは、現状をどう分析していますか。 吉川 「危機感はあるが、危機意識がない」。日本の様々な電機大手の役員クラスの方々と話す機会が多いのですが、いつもそう感じています。 世界的な不況で日本の電機メーカーはみんな苦しい。状況が厳しいことは分かっているが、意識とやり方を変えずに、じっと景気が良くなるのを待っている。それでは、復活できるわけがありません。 韓国勢はわずか1年足らずで業績が復活して、今は世界で攻勢に出ている。日本メーカーとの違いはどこにあるのか。 このままでは日本の電機は5年も持たない 吉川 一番の違いは「モノ作り」に対する姿勢だと思っています。韓国勢はモノ作りが製造業ではなく、お客様に対して特定の付加価値を生み出す作業だと考えている
自分が属する民族は偉い。 頭がいい。進んでいる。徳があるうえ、外見まで、いい。 それに比べてアイツらときたら、どうしようもない馬鹿だ、遅れている。品性がいやしい。おまけに、かっこうわるい。 こういう考え方を自民族中心主義(エスノセントリズム)という。 同じような態度・発想は、身近にいくらでもある。 その昔、おとなは若い人を「間違っている」と決めつけていた。 今は、若い人がおとなを「間違っている」と決めつけている。 昔は、男性は女性を「無視していいような誤った意見ばかり言う」と見下した。 今は女性が、男性の意見を聞き終わる前に嘲笑う。 キミは私を心の中で「無知」と見なすし、私はキミを「ハッタリ屋」と思う。 自然に理解できる自分自身(や自分の同類)は常に正しく、それと異なって見える人間は間違いだらけの笑うべき馬鹿だと見なすのである。 フランスの人類学者レヴィ=ストロースが批判するのは、まさに、
中国の伝説的故事である「花木蘭」(ホワ・ムーラン)が1998年にアメリカのウォルト・ディズニー・ピクチャーによって“MULAN”というタイトルでアニメ化され、中国では非常な好評を得ていた。中国語の字幕スーパー付き英語版は正規版としても発売され、100元近かったと思うが、私も購入して観た。 拙著『中国動漫新人類』では、某中国政府高官が憮然たる面持ちで、米国製アニメとなって「逆輸入」されてきた中国の故事に、若者たちが熱狂的にはまっている現実を憂えている姿をご紹介した。若者たちは小さいころから日本製の漫画で「三国志」や「水滸伝」を見慣れてきたこともあって抵抗が少ないようだが、中華民族の文化を振興させようとしている中国政府にとっては看過できない現象だろう。 その“MULAN”が、今度は中国大陸で実写化され、映画として今年の12月に公開されることになった。タイトルは『花木蘭』(英文名はmulan)。
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