かつて世界を席巻した日本の造船業界が、2年後に造る船がなくなる「2014年問題」の危機に直面している。韓国や中国のライバルの後塵を拝し受注が激減しているためだ。危機感を募らせたJFEホールディングスとIHIが今年10月に造船子会社の統合に踏み切るほか、世界をリードする環境技術を生かした「エコシップ」の受注にも力を入れている。“造船ニッポン”は復活するのか。韓国の5分の1 「韓国勢に大差を付けられてしまった」。日本造船工業会の釜和明会長(IHI社長)は2月21日の定例会見で唇をかんだ。 同工業会によると、昨年1~6月の新造船受注量は385万トンと、前年同期から57%も激減。通貨ウォン安を武器に60%増と受注を急伸させた韓国の1805万トンの約5分の1にとどまった。中国も60%減の714万トンに落ち込んだが、日本のほぼ倍を獲得した。 船舶の建造はほとんどがドル建て契約。歴史的な円高によって、「