原子力発電所の相次ぐ停止によって電力供給力が大幅に低下しており、電力需要がピークを迎える夏場には電力が大幅に不足することが懸念されている。当研究所の試算では、今夏の最大電力需要が昨年並みであった場合、東日本では供給が需要を上回るが、中西日本では電力需給が厳しく、中部電力、関西電力、四国電力の3社は供給が需要を下回る電力不足の状態に陥る可能性がある。ただし、電力の不足幅は最も大きい関西電力でも▲4%程度とそれほど大きくない。供給力の積み増しやさらなる節電の取り組みによって、大規模停電などの深刻な事態を招くことは避けられるだろう。また、東日本大震災以降、企業、家計双方の努力によって経済活動を行うために必要な電力消費量が低下しているため、節電による経済への影響は限定的にとどまるとみられる。懸念されるのは、電力供給に関する正確な情報が提供されないことによって、経済活動が必要以上に抑制されてしまうこ