福島県白河市の野地久保古墳を調査していた同市教育委員会は2日、同古墳が東北地方で初めて、全国では5例目の上円下方墳と判明したと発表した。 現地調査した岡田茂弘国立歴史民俗博物館名誉教授は「全国でも非常に珍しい古墳。地元出身ながら中央で活躍した、身分の高い人物が葬られたのではないか」としている。 市教委によると、古墳は7世紀中期から8世紀初頭にかけてのものとみられる。2段構造で、大きさはいずれも推定だが、下段の方墳は一辺約16メートル、上段の円墳は直径約10メートル。棺を入れるため大きな石を精巧に組み合わせた「横口式石槨(せっかく)」があったと考えられる。特に下段の保存状態がよいという。上円下方墳は古墳時代終末期に築造され、全国でも近畿から関東地方にかけて計4基しか確認されていない。