奈良時代の平城京南端に位置する奈良市西九条町で、小規模に細分化された宅地跡が複数出土し、奈良市教委が31日発表した。宅地跡は「坪」と呼ばれる区画を32分割しており、京跡内でまとまって見つかるのは初めて。後の平安京で基準となる宅地割り「四行八門制」の原形とみられる。 平城京は大路によって街を碁盤の目状に区画する条坊(じょうぼう)制を採用。この区画をさらに16分割した小区画は「坪」(約135メートル四方)と呼ばれ、現場は「左京九条三坊五坪」に当たる。 今回の調査では、坪内を東西に4等分、南北に8等分した32ブロックから成る長方形の宅地跡(東西約30メートル、南北約15メートル)を約10区画確認。奈良時代末期から平安時代初期にかけて区割りされたとみられ、それぞれの宅地跡からは井戸や建物の遺構が見つかった。平城京跡内で宅地跡がまとまって出土したのは初めてという。 これらは平安京で宅地割りの基準とな