2020年3月、江戸時代後期の椿井政隆という人物が作った偽の家系図や絵図など「椿井文書」と呼ばれる一連の偽文書(ぎもんじょ)についてまとめた『椿井文書――日本最大級の偽文書』(中公新書)が出版され、話題を集めました。椿井文書の実体と、それを根拠に町おこしが行われている実態を明るみにした同書は「新書大賞2021」3位にも選出。歴史の嘘が真実へと置き換わっていくことについて、著者の大阪大谷大学・馬部隆弘准教授に話を聞きました。 「椿井文書」は山城国相楽郡椿井村(現在の京都府木津川市)出身の椿井政隆(1770~1837年)が、中世の地図や絵図、家系図と称して偽作した文書の総称。現在の滋賀県北部から京都南部、大阪まで数百点が広く流布した。代表的なものとして、興福寺(奈良県)の末寺をリストにまとめた「興福寺官務牒疏(こうふくじかんむちょうそ)」がある。 <名前を見ただけでむず痒くなりますね> ――「
江戸時代後期から代々医師を務めている島家の医学文献164点が、かつて医院のあった広島市安芸区の蔵で見つかった。文献の多くは、漢方を中心とした東洋医学から、西洋医学へと移り変わる時期に発刊された。日本の医学の変革期を物語る貴重な史料といえる。(桑島美帆) 心臓や胃、脳などの解剖図を精細に描いた「内象銅版(ないしょうどうばん)図」。津山藩の蘭方医、宇田川玄真(1769~1834年)が、西洋の医学書数点を翻訳して編集し、1805年に刊行した「医範提綱(いはんていこう)」の付録として、3年後に出版された。国内初の銅版印刷による解剖図だ。 津山洋学資料館(津山市)の近都兼司学芸員(30)によると、「医範提綱」は医学用語を体系化し、生理学や病理学をまとめた江戸時代のベストセラーで、「医学史上の重要な文献」と説明する。玄真は、現代の医学用語である「腺」や「膵(すい)」の文字を考案した人物としても知られる
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