九州北部の豪雨災害で土砂が流入するなどして、福岡、大分両県で少なくとも20件の文化財が被災したことが、両県教育委員会への取材でわかった。甚大な被害を受けた福岡県朝倉市では国指定重要文化財の寺院「 普門院 ( ふもんいん ) 本堂」の一部が土砂に埋まった。被害が大きかった地域ではまだ調査が進んでおらず、今後増える可能性もある。 両県教委によると、判明分は福岡県で計6件、大分県で計14件。 朝倉市 杷木志波 ( はきしわ ) の普門院本堂は、屋根の四隅が大きく張り出した 宝形造 ( ほうぎょうづくり ) ・総本瓦ぶきの小堂で鎌倉時代末期に建てられたとされる。5日の大雨で土砂が流れ込み、建物の周りにある高さ40~50センチほどの縁側の柱が土砂に埋もれた。二次災害の恐れもあり、復旧作業ができないという。また、市指定有形文化財で江戸時代の石橋「 久保鳥 ( くぼどり ) の 石造桁橋 ( せきぞうけ