ヴァレリー・セレクション (上) (平凡社ライブラリー (528))/ポール・ヴァレリー ¥1,260Amazon.co.jp ヴァレリーって以前は結構苦手意識があった。好きなんだけれども分からない作家、という印象。 でも実際のところ、そんなに分かりにくい文章を書くわけでもない。ただ、ちょっとばかし変な見方の文章だから慣れるまできついんだろう。 この本はセレクションだから、てんでんばらばらの時期に、様々なテーマについて書いた文章がなんらかの意図のもと集められただけ、という構成。 詩、建築、音楽、ドイツの台頭、言いたくていえなかったこと、などについて書かれている。ポーのユリイカを賞賛する文章なんかもあるんだが、ユリイカをまったく理解できなかった僕にとっては興味深いものではない。ユリイカを愛せるかどうかってのが、ひとつのなんらかの分岐点なのかもしれない。 断章形式の文章もある、なかなか面白い。