遠くに住む親しい人から「読んでなければ是非」というコメントだけ付けて、二冊の本が送られてきました。著者はインド人女性作家アルンダティ・ロイ(Arundhati Roy): (1) WALKING WITH THE COMRADES (2011, Penguin Book USA, 2012) (2) CAPITALISM A GHOST STORY (Haymarket Books, 2014) これまで一般のマスメディアが与えるインドのイメージしか持ち合わせていなかった私にとって、これは正に衝撃的な読書経験でした。英語で言えば、I am devastated となりましょうか、二重三重の意味で。まず、インドという国、インド人と呼ばれる人々についての私自身の絶望的なほど無知と謬見、次に、インド中央部の大森林地帯で進行している戦闘行為の極端な残酷さとそれを生み出している人間の巨大な欲望システ