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中東情勢
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小説とノンフィクションを両方書く。 そのような執筆活動をしてきました。これまで書いた小説とノンフィクションは、タイトルベースでいうと(単行本から文庫化したものは1つとして数える)、3対2くらいです。言い換えると、6割小説、4割ノンフィクションですね。 どんなテーマなら小説になって、どんなテーマならノンフィクションになるのか、明確な説明はできません。強いて言えば、「現実的に訴えたい内容が明確にある場合」や「事実は小説よりも奇なり(現実的なものですでにセンス・オブ・ワンダー!)」場合は、ノンフィクションになるのだと思います。 前者は拙著でいえば、PTAについての書籍や色覚についての書籍が、それにあたるかと思います。一方、後者は、人類学についての書籍、生き物についての書籍がそれにあたるでしょう。 でも、こういったことって、厳密な話ではないですし、「今そこにあるセンス・オブ・ワンダー」を超えて、さ
ずっと描こうと思っていた「近代の絶滅」動物小説『ドードー鳥と孤独鳥』(川端裕人 国書刊行会) がいよいよ書店に並びました。「日本に来ていたドードー」の取材を始めた2014年から数えてもほぼ10年近い年月を経ての堂々たる「ドードー小説」です。 自分で言うのもなんですが、かなりの「奇書」になったと思います。「近代の絶滅」が気になって仕方ない著者が、その代表たるドードー鳥、影に隠れてきた孤独鳥について、わき目も振らず掘り下げて、埋まっている物語を浮き彫りにした、というようなイメージです。エンタテインメントのパーツとして、あるいは象徴的なものとして、「近代の絶滅」を用いるのではなく、ただ、今そこにあるもの、そして、自分が切り結ぶことができる断面を提示しました。 ゆえに、「奇書」、です。 編集者がつけてくれた惹句は、 ・『ドードーをめぐる堂々めぐり』著者川端裕人が贈る、スリリングで感動的な「絶滅動物
満を持して『ドードーをめぐる堂々めぐり 正保四年に消えた絶滅鳥を追って』(川端裕人 岩波書店)を紹介します。本書は、日本語で書かれた初めての「一冊まるまるドードー」本です。日本のドードー知識を、一気にワールドクラスにアップデートします。 個人的にも、2010年代に自分が行った最大のプロジェクトの報告となりました。前作の『色のふしぎと不思議な社会』(筑摩書房 川端裕人 2020年)と同時期に取材をしていた裏表の関係にあり、自分自身の仕事の中で、本作はキャリアハイ(色覚本と一緒に)だと思っています。ぜひ確かめてあげてくださいませ! 取材を始めた2014年からの7年間くらい「堂々めぐり」してしまったので、なんとか形にできた今、ほとんど抜け殻になっています。 でも、気力を振り絞って紹介をします。 その内容を一言でいえば「ドードーチェイス」です。 1647(正保4)年に、日本の出島まで生きてドードー
『「色のふしぎ」と不思議な社会──2020年代の「色覚」原論』(川端裕人 筑摩書房)を紹介します。 まず、最初に、エクストリームな読書体験をお約束します。 個人史上、一番、気合が入ったノンフィクションです。 執筆中、自分はこれを書くために生まれてきたのでは、とはさすがに思いませんでしたが、このためにスキルを積み上げてきたのではないかとは常に感じていました。培った技術を十全に使って、この大きな問題の輪郭を捉え、ディテールに宿る大切なことをすくい上げようと努力しました。壮大に滑っているかもしれませんが、大切なことを壮大かつ的確に捉えているかもしれません。それはご判断ただければと思いますが、かりに全体がイビツであったとしても、それ自体、掘り出すことが必要だった多くのパーツから成っていると確信しています。 具体的な内容はというと── 21世紀になってからほとんどアップデートされなかった「色覚の科学
紹介するのが、ちょっと遅くなってしまいましたが、「青い海の宇宙港」の文庫版が書店に並んでいます。 文庫版も上下巻(春夏篇・秋冬篇)で、表紙のイラストは、おとないちあきさん、ブックデザインは、bookwallさんです。 解説は小川一水さんが引き受けてくださいました。小川さんの『天冥の標』シリーズは、今年完結しましたが、日本が誇る宇宙SFです。小川さんの目から見て、本作品がどう見えたのか、よい解説をいただきました。 そして、帯には宇宙飛行士の毛利衛さん。ぼくが宇宙もの(というかロケットもの)を書くに至った発端にいる人物です。毛利さんは科学未来館の館長として、多くの人材を科学解説の世界に送り出しており、いわば「毛利さんの子どもたち」とは時々仕事をさせていただくことがあるのですが、考えてみると毛利さんと同じ場所に名前が並ぶのははじめてかもしれません。うれしいことです。 さて、本作についての「能書き
「動物園から未来を変える ニューヨーク・ブロンクス動物園の展示デザイン」の内容紹介。 やっと出ます。 長いこと「作業中」「カミングスーン」「もうすぐ」と言い続けてきたWCSの本田公夫さんとの本が本当に本当に出ます。もう予約が始まっています。といいますか、今週中に書店に並び始めます。 書影もお見せできます。 写真はブロンクス動物園の「マダガスカル!」のもので、撮影は本田さんです。 帯にはこんなふうに書かれています。 ただ「動物を見せて終わり」じゃない。 メッセージを伝えなければ── 世界を驚かせた革新的な展示の数々は、 どのように作られているのか 動物園の展示デザインを手がける日本人デザイナーの仕事に迫る なにやら、究極の「お仕事もの」の雰囲気が漂っているかと思いますが、内容はまさにそのとおりです。 知らない人のために簡単に解説すると、本田公夫さんは、今、北米の動物園業界に勤務する、おそらく
〈写真は「ホビット」が見つかったフローレス島のとある光景〉 「我々はなぜ我々だけなのか」が、講談社科学出版賞をいただくことになりました。先日の「科学ジャーナリスト賞2018」に続いて、高い評価をいただくことができました。本書にかかわってくださったすべての方々に感謝です。 講談社科学出版賞というのは、どんなものかと言いますと、今年で34回目を数えるということですので、とても由緒のあるものです。歴代の受賞作のリストがあったので、見てみますと…… 古くは、「バイオコンピュータ」(甘利俊一)、「ゾウの時間ネズミの時間」(本川達雄)など。 21世紀になってからは「プリオン説はほんとうか?」(福岡伸一)、「渋滞学」(西成活裕)、「ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ ハイテク海洋動物学への招待」(佐藤克文)、「大栗先生の超弦理論入門 九次元世界にあった究極の理論」(大栗博司)などなど。 こういった諸
いきなり重たい話で恐縮なのだけれど、妹の息子の学校のPTAであった話。 がんの治療を受けている(あとでそう分かった)お母さんが断り切れずに「委員長」になってしまった事件があったという。 しかし、病状が思わしくなく、1学期の途中、「交代する」との連絡が会員に配られた。 そして、夏休みが終わったら、亡くなっていた。 がん治療中というのは、あまり人には言わない。言えない。 だから、全員に強制力を持つPTA活動の中では、そういう人にまで網がかかる。 実は、一昨年、わりと近所のPTAで似たことがあった。 その時ぼくはニュージーランドにいたので詳しいことはリアルタイムでは知らないのだけれど、やはり、重たい病気で入退院を繰り返している(もちろん、あとでそう分かった)お母さんが、ある委員会を引き受けざるをえなくなった。 当然、定例会の欠席も多く、連絡もつきにくく、あの人は無責任なんて批判もあった。 そのお
〈写真に深い意味はありません↑〉 現在、色覚のサイエンスと「色覚多様性」をめぐるノンフィクションを準備中です。 いわゆる「色覚異常」について、これまでも多くのことが語られてきましたが、それを21世紀のサイエンスの知見を大いに踏まえた上で、考えて直してみようという内容です。 取材を続ける中で、20世紀から21世紀にかけて、わたしたちの社会において、「色覚異常」と、「色覚異常の当事者」が置かれている状況は変わってきたことを実感しています。 そこで、ネットを使ってエピソードを募集してみることにしました。 基本的には「色覚異常」を持つ当事者、あるいは当事者が身近にいる人を想定しております(もっとも、強い思いがありましたら、どなたでも歓迎です)。ブログのコメント欄(非公開にします)や、twitterのダイレクトメール(@Rsider)、Facebookのメッセージなどで、ご連絡くださればと思います。
〈↑窓辺に置いてみました。骨はドードーの嘴のキャストです〉 2013年から取材をはじめていたアジアの原人についての本をやっと上梓できました。 ほっと胸をなでおろしています。今回は国立科学博物館の海部陽介さんとの共同作業です。とても勉強になり、達成感に満ち満ちております。 ぼくにとっては2015年末に、ドイツのマックスプランク宇宙物理研究所の小松英一郎所長と一緒に作った「宇宙の始まり、そして終わり」(日経プレミアシリーズ)に続く、新書判型のノンフィクションであり、「ぼくらのはじまり」について探求する「起源本シリーズ」の第二弾になりました。 さて、本書のウリはなにかというと── いくつか、類書にない部分があって、おそらくは「●●について詳述したはじめての一般書」という冠がいくつかもらえるはずです。 1)サピエンス以前の多様な人類の知識をアップデートして、アジアの「かつての隣人たち」を描こうとす
書店に並んだばかりの「青い海の宇宙港・春夏篇」、そして、8月5日発売の「青い海の宇宙港・秋冬篇」は、限りなく種子島のような架空の島、「多根島」を舞台にして、「宇宙遊学生」の1年を描いた物語です。 販促用のちらしはこちらからダウンロードできるので、よろしければご覧くださいませ。多少詳しいことが書いてあります。(販促用なので、転送など、大歓迎です) さて、すでに春夏篇を読んだ方から「宇宙遊学って本当にあるの?」と聞かれることが多いです。その疑問に回答しつつ、その関連のこともまとめておこうと思い、この記事をアップしておきます。 まずは── 回答 宇宙遊学、あります! ただし、実在の制度は「宇宙留学」と呼ばれています。 ぼくは、2012年度、宇宙留学の取材のために何度か、種子島を訪ねました。 そして、名は挙げませんが宇宙センターから一番近い小学校におじゃまして、宇宙留学生や地元児童と交流することが
津田敏秀さんの最新刊。 これまで津田さんの本を読んだことない人、最近、あちこちで聞かれるようになった疫学って???興味あるけど、入門書読むのは腰が重たい!ってな人などにはお奨めできる内容。 箇条書きします。 ***** ・ピロリ菌の発がん性についてどのように認定されたか学びつつ、疫学について触れることができる。日本現状と、世界標準の理解との違いも(さらに知識を深めるための入り口となる)。 ・WHOの機関である国際がん研究所(IARC)や、発がん物質の基準について知ることができる。 ・科学において、因果関係とはなんだろう、と考えるきっかけになる。 ・メカニズムを追及することが因果関係の追及だと思っている人は、誤解を解くことができる。 ・要素還元主義なるものへの批判は、なんとかホーリズムとか、ホーリスティックなんたらを言う人の言い分であって、それを聞いたら要注意!と思っている人も、そういうのと
伝説の民俗学論文「国家の装置としてのPTA」に加筆して、堂々の刊行です。 『PTAという国家装置』(岩竹美加子 青弓社) http://amzn.to/2or5nZg 岩竹さんは、戦前にさかのぼったPTAの起源(たとえば、連合婦人会)の研究や、PTAがPTAとなった後の教育行政や地域組織との関係、社会関係資本との関係を考察していきます。基本、「PTAいらない!」系の本です。 岩竹さんは、杉並区でPTA会員を体験してから、その後はヘルシンキ。おそらくは内情をある程度知りつつ遠巻きに見られる環境と、アプローチの仕方もあって、非常にマクロなPTA論になっていると思います。 その中では、小田桐誠、川端裕人、大塚玲子、山本浩資らによる、21世紀になってからのPTA論説(?)は、まとめて── 「PTAを維持しようとする真の意図は何なのかを問うことなく、表層の活動を積極的に、あるいは楽にやっていこうとい
自分のメールボックスを検索していたら、ひっかかって見つかった、本人も忘れていた計画。 2012年頃、「PTA再活用論」がほとんどもう品切れ重版未定状態になっており、その時に、たまたまPTA本を出さないかと打診してきた某社の編集者とのやりとりの中で、ぼくが書き記したアイデア。 つまり、「PTA再活用論」を「今の」の観点から徹底的に書き直す、というもの。オリジナルは、ぼくが役員をやりながら書いているので、かなり「入り込んでしまっている」部分がある。「今なら」、もうちょっと引いたところからものを見られるので、全面的に書き直しちゃえ、ということ。 この「今」のことを詳しく考えると、もちろん「PTA再活用論」以降であり、大塚さんや山本さんの本の前。でも、もう木村草太さんは、PTAについての言及を始めていた。そんな時期。 結果的には、その後、何度かのやりとりの後、編集者からのメールが途絶えた。だから、
「動物園にできること」(第3版)をKindle書籍として出版しました。 この後、紙の本としてもオンデマンド出版できるように準備中です。そちらはBCCKSというサービスで提供予定。かなりのクオリティのものになりそうですよ。 さて、この本の電子書籍化は、かなり長いこと懸案でした。 1999年に単行本、2006年に文庫版が出て、しばらくは流通していたものの、この数年は中古でしか手に入らなくなっていました。「ほしいけど、ない」という声を聞きつつ、「中古で1円で売ってるよ(送料別)」と切ないインストラクションをしておりました。 ところが、最近、中古価格か高騰しはじめて、とうとう4万5000円とか馬鹿げた値段がつくようになり、これは「切ない」ではすまない事態になってしまったのです。 〈↑ ふざけた値段〉 そこで、なんとか電子書籍化、できれば、オンデマンドの紙書籍にしたいと考えたのが2週間前。たまたま連
前から気になっていてやっと読めた。さすがにこれだけ大部になると、斜め読みのところも多いのだけれど、自分がやっていることについての背景情報として、押さえとかなきゃという部分はある。実はPTAについても、かなり言及がある本。 アメリカの社会でここ数十年、一貫して「市民参加」が減っているという。社会関係資本という、日本語としていまひとつピンとしない言葉で語られるのだけれど、この言葉をはじめて見る人は検索してみてください。結構ヒットします。ポイントは、我々の生活を支えるハードとしてのインフラ(電気、水道、ガスといったたぐい)ではなくて、人間関係、ゆるいつながりの集団、互助的な社会的なつながりを維持できる基盤をさす。ハードではなく、むしろソフト面。 英語でjoinerという言葉があるのだけれど、「参加したがり」である。このジョイナーが減っているということ。 ジョイナーは、職場でなにかインフォーマルな
> 乳ガンである人が、乳房Ⅹ線検査で陽性と出る... (raraki) 2010-04-23 18:40:26 えーと、乳癌の患者さんがX線検査で陽性とでる確率を示す指標は、感度です。 陽性的中率(陽性反応的中率、検査後確率)は、検査所見が陽性であったときにその疾患である確率で、 > あなたが40歳の女性で、検査結果が陽性だった > としたら、あなたが乳がんである確率はどれくらいか? という設問は、陽性的中率を問うていますね。 ついうっかり間違えやすいですよね。 (raraki) 2010-04-24 11:02:39 有病率(事前確率)、感度、特異度(1-偽陽性率)から陽性的中率(事後確率)を求めさせるような問題は、EBM、臨床疫学、臨床検査医学領域の出題として、様々なバリエーションを持たせ医師国家試験にも毎年のように出題されます。 この種の問題をとくときは、四分表 疾病あり 疾病なし
(写真はペルーのイキトス近辺の国立公園にて) 2016年の回顧を終えて、2017年の話。 抱負といいますか、ビジョンといいますか……そのどっちでもなく、「やりたいこと」を書いています。 前のエントリ「2016年回顧・物書きとしての川端裕人の第一大周期が終わったような気がする」に書いたとおり、大きな周期をひとつ終えたように感じています。真っ白に燃え尽きたわけじゃないですけど、よくやりました◎!という気分ではあって、次の大周期ふの抱負もビジョンもないんです。 しかし、ただやりたいことだけがある、と。 いいかんじのスピード感でやりたいことを表現できる場は維持しつつ(その代表がメルマガ「川端裕人の秘密基地からハッシン!)、Webなり雑誌なり、書籍なりで、書いていきたいことをざっくり書き出します。 編集者と話をしているものも、まったく自分の中で考えているだけのものも全部、同じに扱います。 小説系 ・
アクセス解析をみてみると、「PTA再活用論」や「PTA進化論」関係で、このサイトを見つけてくるれ人が増えている今日この頃です。 たぶん、来年度のPTAの「改革」を考えている現役員さんやら、新年度役員に内定した人やら、お子さんが就学を控えた「もうすぐ会員かも」な人たちが検索してくれているのだと想像します。 そういう方は、上の「PTA再活用論」を読んでいただいたり、その後新聞連載した「PTA進化論」(ここで読めますし、印刷・配布に適した形のPDFならコメント欄に書き込んで頂ければお送りします)を読んでいただければ「ためになる」こと請け合い。 類書・類文書(今、手に入りやすくまとまったものとして。ほかにも「岩竹論文」というのがありますが、それはおいおい)はありませんから。 しかし、それぞれ「過去に考えたこと」であることも否めず、今の言葉で伝えたいこともあったりいたします。そこで、特別企画として、
民俗学の岩竹美加子氏による「国家の装置としてのPTA 」、最初のセクション「A小学校のケースから」から、引用しつつコメントをしていく。 「内なる異文化」を見据える民俗学者に、PTAはどのように映ったのか。 今回は、「入会」をめぐるセクションから。 ここでは、強制的な入会の問題と、PTAがとことん「従属的」な存在であることが述べられる。 大々的に引用しつつ、ぼくの実体験・取材体験に基づいたコメントをつけていく。 まずは、岩竹氏のお子さんが入学し、PTA会員になった際の強烈な違和感から。 新入生の親に配られる『P.T.A.規約』を読んでも、活動の具体的内容はわからない。PTA会長の名で書かれた「PTA入会について」が加入申込書と共に渡される。そこには、PTAは「民主的に組織された団体」であり、「子どもが入学したら自動的に会員になるのではなく、本人の意思により入会していただく形をとっておりますが
民俗学の岩竹美加子氏による「国家の装置としてのPTA 」、最初のセクション「A小学校のケースから」から、引用しつつコメントをしていくシリーズは前回にておしまい。 ただ、それらは、論文の中のフィールドワーク部分を取り出したもので、そのあとのオリジナリティある考察は、追いかけていない。 先を知りたい人はなんとか入手して、読んでくださいませ。 とはいえ、具体的にどんな展開が待っているのか、冒頭の「論文要旨」を読めばある程度わかる。ここはフル引用してしまっていいだろう。 以下、「国家の装置としてのPTA」の冒頭の「論文要旨」。 ******************* 本稿は、東京都杉並区の公立小学校のケースから、日本最大の組織の一つとされ ながら見えにくい組織であるPTAを国民化の装置として論じる。戦前と戦後を断絶よりも連続の視点から捉え、戦前と戦後を共に国民国家による近代化プロジェク トに位置づ
「PTA再活用論」(川端裕人・中公新書ラクレ)が2008年の出版以来、毎年入学シーズン、総会シーズン、次年度本部役員決めシーズンなどに、ちまちまと売れ続け、8年目にして初版がやっとはけました。 ごくごく僅少なのですが、重版出来。同時に、新装版になりました。それは、数年前に中公新書ラクレ自体の装丁が変わったからなんですが。 出版後、いろいろありました。 「再活用論」って、「PTAの運営をまともなものにしようよ(悲劇の温床になるのはもうたくさん!)」というのと「PTAが、健全なコミュニティとして機能すればすばらしいよね!」というのを同時に扱っていたわけです。 自分が現役で役員をしていて、インサイダーとして活動しながら書いているから、どうしても、夢見がちなところもありました。 その後、ぼくは、自称負け組になってしまい、PTAから身を引きます。 はい、こういうことに勝ちも負けない、ですよね。でもね
(写真はアマゾンマナティ@イキトスですが、記事とは関係ありません) メルマガ・個人メディアである「川端裕人の秘密基地からハッシン!」の新企画のお知らせ。 「動物園にできること」が絶版になってかなりたつわけですが、それを若き動物園関係者と再読していこうという企画が立ち上がりました。 取材をしていたのは20年近く前だし、文庫版が出てからもたぶん15年くらい。 とっくに賞味期限が切れているはずの書籍ですが、未だに読んでくれる人たちがいます。 そして、「新しい(日本の)動物園にできること」を待望してくれる人も。 でも、なかなかそういう想いに答えられないのは、端的にいって、書く場所がないから、です。 取材して書き下ろすのを自分でやるというのは、それこそ、フィールドワーク系の研究者が博士課程やポスドクの時代に、一生分の半分以上のフィールドワークをやって足腰を固めるのに似たところがあって、ぼくにとって「
はじめまして。 (ライラパパ) 2010-03-11 19:17:43 私は中学校に通う子どもが傷害事件の被害者となり岡山市と裁判所にて調停をおこないました。 その時にPTAという組織に期待もしました。しかしPTAが何をするための組織かという事を会長をはじめ執行部が理解していないため全く機能しませんでした。 私もこのトラブルを通じて色々と勉強しました。その時にPTAのことについて調べていたときに「PTA再活用論」を購入し読ませていただきました。私たちが疑問に思っていることや判らないことの答えがわかりやすく書いていてとても参考になりました。 まだ小学校に通学している子どもがおります。先日この小学校のPTA執行部3名の方々と会い朝日新聞の記事の切り抜きのコピーと質問状を手渡しました。どの様な答えが返ってくるのか待っているところです。 私なりに学校、PTAのことを考えて生きたいと思っております。
写真は「銀河へキックオフ!!」ブルーレイディスクより。青砥ゴンザレス琢馬君(背中はしっかりタギーに守られ中) さて、「銀河へキックオフ!!」で、青砥ゴンザレス琢馬君を演じてくださった菊池こころさんから、拙作「声のお仕事」(文藝春秋)の感想が届きました。 許可を得て、公開させていただきます。 (以下、引用) ****** 川端せんせい!! 「声のお仕事」感想です!! 送って頂いていた「オール讀物」でも読んでいたのですが、一冊にまとまったのを読むとまた違いますね!!午後のロードショーで観た映画を改めてDVDで観る感じでしょうか……(笑) 結城の気持ちに何回も「分かるわ…」と共感しました。 特に、全部リテイク! 音響監督に対して自動的に恐怖を覚える、とか(苦笑) 他にも共感した事が多々あって、なんて嘘の無いお話なんだろうと思いました。でも物語ならではのフィクションもあって、そのバランスが絶妙です
(↑ メルマガ「川端裕人の秘密基地からハッシン12号より) 昨日、メルマガを出す数時間前に、ニュースが飛び込んできた。 アメリカのシーワールドが、シャチの繁殖をやめるという。今いる飼育下個体群が、シーワールドで最後の世代になるそうだ。 理由は、「時代の変化」。 徐々に撤退方向かなという印象は持っていたけど、いきなりスパッとやめるという発表。 ここまで潔い(?)かとびっくりした。 そして、うろたえている。 メルマガにもあわてて入れ込んで、月に2回の媒体として、めずらしく「速報」をしたけれど、それにしても、この話題、どう受け取ればいいんだろう。 飼育自体がいけないことだという眼差しが北米では年々強くなっている。 シーワールドは、シャチの人気を高め、それによって、シャチへの眼差しが変わり、結果、シャチの飼育をやめていく方向になったというふうに捉えているみたい。そして、今後、自然保護団体、アニマル
2月12日刊行の「声のお仕事」のリリースができたのでアップしておきます。 興味のありそうな方たちの間で、ぜひ回覧していただけたらと思います。 おいおい書きますが、ぼく個人としては、 「銀河のワールドカップ」→「銀河へキックオフ」という流れの延長上にある作品です。 (あらすじ) 「声で世界を変えてやる!」という大きな野望を持ちつつ、いまだ目立った実績 のない声優の結城勇樹。二十代後半、声優として崖っぷちにいる彼の目の前に、 ついに大きなチャンスが降ってきた!国民的人気野球マンガ「センターライン」 アニメ化企画のオーディション。しかし最終的に選ばれたのは別の役……マネジャー の飼い犬、サブだった。誰もが身近に感じながらも、知らないことの多い声優の 世界に光をあてた、リアリティたっぷり、胸が熱くなるお仕事小説です。 なお本の方は、もう予約可になっています。
市民ZOOネットワークの会でのトークについて、軽く報告。その2。 ドードー、ペンギン、イルカ、人類学、マナティー、オオサンショウウの話題を持って行って、その場の人の好みで軽重を変えるというやり方で、ドードーとイルカを30分ずつ、あとはコンパクトに語ってきました。 で、イルカ。 これが実に悩ましい! たぶん次回のメルマガ(http://yakan-hiko.com/kawabata.html)から何回かに分けて書くけれど、とにかく悩ましい。 まず、日本の水族館でのイルカ繁殖は、北米から見ると25年遅れ! そんなふうに言ってきたし、それは若干、過小評価(というか、過大、なのかな)なくらいの「事実」です。 でもね、25年先を行っている北米も、もう大変なことになってるんですよ。 繁殖できるとかできないとかいうレベルではなく、飼育自体が悪!みたいな流れ。 なんでそこまでいくの?ってくらいで、動物園水
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