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2007年08月31日21:30 カテゴリ小林秀雄 顔つきで小林秀雄に一喝される キリスト教信者で文芸評論家である佐古純一郎という人がいる。この人は小林秀雄に私淑すると同時に森有正のことを信仰の先達と敬愛する、という人である。その『森有正の日記』(新地書房)は、日記と作品を丁寧に読み込むことで、森有正の思想の核心に迫った好著である。文体が素直なので、難しいテーマでも文意がすっと読み手に伝わるのが、この人の美点である。 その佐古が小林秀雄のエピソードを書いていて、非常に印象に残っている。佐古が戦地から帰還して、小林のところを尋ねた時に一喝されたというのである。「なんだぁ、その面は」と。ふつうは憔悴し、落ちこんでいる帰還兵が訪ねてきたら、まずねぎらうだろう。だが、小林は喝した。身体もそうだが、佐古の精神がだめになっていることを直覚的に感じたのであろう。だから、間髪を入れずに怒鳴ったのである。佐
2007年04月18日22:16 カテゴリ小林秀雄近代文学 名文「ゼークトの「一軍人の思想」について」 小林秀雄についてもう少し述べておきたい。小林の名文に「ゼークトの「一軍人の思想」について」というのがある。これは、短いものだし、扱われているのが現在ではあまり興味関心をもたれない対象だし、しかも軍人の考えだということで、とりあげられることが少ないものである。しかし、私見によればこれは非常な名文である。 「…形より先づ強度が感じられる思想の精髄といふ様なものである。打てば響く。」というような一節はすばらしい文章である。自分の能力と職業の特性、そして経験と環境について熟知、熟考したゼークトという人間の思想を、単に分析的に解説するのではなく、その堅固な触感を文体を以って伝えたものである。この前述べたことに関する考えを、その中から引いておく。 「恐らくゼークトは、経験によって熟知した事柄の世界を
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