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ドラクエ3
blog.livedoor.jp/koredakecinema
June 01, 201200:00 カテゴリ★S F ★サスペンス Gattaca / ガタカ(97年米) ‘不適正者’の夢、‘適正者’の母胎回帰 『ガタカ』は大好きなマイケル・ナイマンが音楽を担当していることもあり、観たいと思いつつ鑑賞を先延ばしにしてしまったアンドリュー・ニコル監督の傑作だ。‘そう遠くない未来’を舞台としたこの作品は、リアルタイムで進む物語と、前半で挿入される主人公の生い立ちの回想によって構成されている。リアルタイムのシーンは主に、主人公のヴィンセントが勤務するガタカという組織の研究所と、彼が密かに共に暮らしているジェロームという脚の不自由な障害者の邸宅にて展開されており、この二つの建物は正しく未来を感じさせる、シックでモダンなデザイナーズ・ビルだ。それに反してヴィンセントの出生から子供時代は、まるで1960年代を彷彿とさせるような敢えてレトロ・モダニズム一色に染
April 15, 201200:00 カテゴリ★芸 術 ★ミステリー Amadeus / アマデウス(84年米) 天才を見出す凡人の才能 今となっては『アマデウス』と聞いて、ピンと来る方々は昨今どれほどいるのだろう?84年にピーター・シェイファーの名戯曲を当人自らが脚色し、ミロシュ・フォアマン監督によって映像化されたこの作品は、161分という長めの映画でありながら、最後まで観る者を圧倒させる傑作として公開当時は数多の映画賞を総なめにした。ストーリーは1800年代初期にアントニオ・サリエリという老人が自殺未遂した末に精神病院に隔離され、そこで彼のもとを訪れた若き神父に衝撃的な過去を物語る形式で描かれる。サリエリはかつて、オーストリア皇帝ヨーゼフ二世に仕えるエリート作曲家だった。音楽への愛と神への感謝を常に心がけて満足な暮らしを送っていたサリエリだったが、彼の人生に一人の男が登場することに
May 25, 201200:04 カテゴリ★S F ★サスペンス Silent Running / サイレント・ランニング(72年米) ノアになれなかった男の夢 『2001年宇宙の旅』(68年英米合作)や『アンドロメダ…』(71年米)の特撮を担当した、ダグラス・トランブル監督の『サイレント・ランニング』は、知る人ぞ知るサイエンス・フィクション映画の名作だ。この作品は派手な宇宙戦闘シーン等は無く、人類が存亡を懸けて戦わねばならない宇宙人も登場せず、宇宙を舞台とした数多の映画の中ではかなり地味な作品。登場人物も大活躍するロボットらを除けば、主人公を含めてたったの四人だけ。そうでありながら、この作品は一度観ればずっと心の片隅に余韻を永遠に残してくれるような、詩的な悲しみと美しさに満ちた逸品だ。ロボット達の愛らしさと、ジョーン・バエズが唄う主題歌と挿入歌も素晴らしい。物語はいつとも知れない遥
June 16, 201200:03 カテゴリ★社 会 ★宗 教 The Mission / ミッション(86年英) 愛の調和と二極の世界 ローランド・ジョフィ監督の『ミッション』(原題:"The Mission"/‘布教の本部’という意味だが、本作においては舞台の中心となっている集落を示している)は、カンヌ国際映画祭でグランプリに該当するパルム・ドールを受賞した大作だ。既に受賞を果たし、故ダイアナ妃まで鑑賞しては涙したとの鳴り物入りな状況で少し遅れて日本公開された。そのためか、当時この作品を観た日本の観客達は、素直に感動したと述べる者もあれば、逆に期待したほどではなかったと大きく二派に分かれていたような印象が残っている。後者に関しては、今までにない奇抜な映像表現を用いた作品や難解なアート・フィルムをグランプリに選ぶことが多いカンヌ国際映画祭にしては、『ミッション』はあまりにも正統派 ――
May 02, 201200:33 カテゴリ★人間関係 ★コミュニケーション Gran Torino / グラン・トリノ(08年米) イーストウッドの集大成 『グラン・トリノ』はお馴染みのクリント・イーストウッドによる、製作・監督・主演作品だ。彼はご存知の通り、若き頃はマカロニ・ウェスタンや『ダーティー・ハリー』(71年米)シリーズ等で活躍し、演技派というよりは数多のヒーローを演ずるタイプの職人的俳優だったとの印象が強い。しかし、後年彼は監督も兼ねるようになり、『許されざる者』(92年米)と『ミリオンダラー・ベイビー』(04年米)で米アカデミー最優秀作品賞並びに最優秀監督賞をそれぞれ二度に渡って獲得している。彼は監督として実に見事な手腕を発揮し、イーストウッドが作った映画は80年代以降のもなら、ほぼどれも一見に値する価値は充分あるだろう。その中から一番好きな作品を選ぶとすれば、私は迷わず『
February 12, 201420:10 カテゴリ★番 外 篇 ★スポーツ 【番外篇】祝ソチ開幕!五輪ドラマ映画・個人戦の巻 開催中の冬季五輪で初めてフィギュア・スケートに国別対抗チーム戦なるものが導入され、噂によると女子フィギュアを最後に放送したがった米NBC局の一身上の強いご要望で、個人戦よりも先に行われることになってしまったらしい。まずは個人戦に向けて備えたいだろう選手達の気持ちを無視して、こうした流れになったのは残念だが、浅田真央がトリプル・アクセルで転倒してしまったので、個人的には今回はチーム戦が先だったことを有難く思っている。だが、実はこのチーム戦が先とう構成には恐ろしい落とし穴があるのだ。転倒等のミスをした上で1位を逃した日本女子はとても幸運だったとしか言いようがない。ショートとフリーでほぼ完璧な演技をしながらも、2位に位置づけられてしまったイタリアとアメリカの女子選手ら
March 17, 201200:38 カテゴリ ★サスペンス ★ヤクザ・マフィア ソナチネ / Sonatine(93年日本) 子供達の任侠劇 容疑者が入って行った家を電柱の影に潜んで張り込んでいた刑事が、あまりに動きが無いもので退屈し、同じ道端にいた子供達と無邪気にも晴天の空の下で遊び始める。刑事の温かい人柄も感じられる、ほのぼのとした映像が続く…と、いきなり犯人が背後から現れ、バットで刑事の頭部を激しく殴打する。刑事の脳天はあっと言う間に割れてしまい、大量の鮮血が勢いよく噴き出した。一瞬にしてそれまでの穏やかな光景が一転し、スローでこの惨劇が描写されたシークエンスを観た時、この映画を撮った監督は今までにないセンスの持ち主だと衝撃と共に実感した。映画の題名は『その男、凶暴につき』(89年日本)。監督はビートたけし改め北野武。彼のデビュー作だった。 しかし、北野映画がその本当の魅力を発揮
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