チェーン居酒屋が花盛りである。覚えきれないくらい多数のブランドを展開する大手チェーンがある一方、わずか一〇店前後を展開するだけの中小チェーンも多い。都心の居酒屋街など、チェーン店でない店を見つけるほうが難しい。 バブル崩壊以降、居酒屋の店舗数と売上はいずれも減少傾向が続いているが、チェーン居酒屋は店舗数・売上げともに、わずかながら増加傾向にある。大手チェーンになると、多様な業態の外食店や給食事業などを展開しているので、居酒屋部門のみの売上が分らない。このため正確なところはつかみにくいが、現在ではおそらく、年間一兆円弱となっている居酒屋全体の売上げ(統計上の分類では「居酒屋・ビヤホール等」)の半分前後を、こうしたチェーン居酒屋が占めるようになっているのではないかと思われる。 チェーン居酒屋の歴史は、もうかなり長くなった。ビヤホールを含めた居酒屋チェーンをビジネスモデルとして確立した立役者とし