サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
都知事選
dilemmaplus.nhk-book.co.jp
社会参加を考えるうえで要となる、住む人と地域の関わり合い。その貴重さや必要性は多く語られるものの、一方で「コミュニティ」「つながり」という言葉は、ともすれば敬遠されがちなことも事実です。当事者としての2人はかつて何を思い、そして今、何を考えるのか。コミュニティデザイナー・山崎亮さんと、哲学者・國分功一郎さんの白熱の対談「小さな参加の革命」第2回。見えてきたのは、「わざとらしさ」というキーワードでした。 「つながり」なんて胡散臭いと思っていた 國分 ランドスケープアーキテクトのローレンス・ハルプリンが、「優れたデザイナーは、住民の意見を聞けば聞くほどいいデザインを出せる」と言っているそうですね。山崎さんもいくつかのメソッドを使って、さまざまな意見の集積から、ひとつの完成されたデザインを、ある意味誘導するかたちで作っていくわけじゃないですか。これって、非常におもしろいなと思うんですよ。 山崎
数年に一度、選挙に行って投票するだけ。「民主主義」と謳われる社会で、住む人自身が地域の舵取りに関わる機会は、実は限られています。そして今まさに全国から注目を集めるのが、東京都小平市の都道建設問題。住民の合意なしに道路敷設が行われようとする事態に対し、たくさんの疑問が投げかけられています。 どうすれば住む人が、まちの決定から排除される仕組みを乗り越え、新たな「参加」の回路を生み出せるのか。そしてその「参加」は、どんな意味を持ちうるのか。今回は、2013年3月18日に行われた紀伊國屋サザンセミナー「小さな参加の革命」における、コミュニティデザイナー・山崎亮さんと、哲学者で小平市の住民運動に関わる國分功一郎さんの対話を、全3回でお送りします。 山崎 亮 (ヤマザキ・リョウ) 1973年生まれ。studio-L代表取締役・コミュニティデザイナー。京都造形芸術大学教授。地域が抱える課題を、そこに住む
2013年9月29日(日)0:00~1:00〔土曜深夜〕放送予定のニッポンのジレンマ「“救国”の大学論」収録後、北川拓也さんにインタビューを行いました。 北川 拓也 (キタガワ・タクヤ) 1985年生まれ。楽天株式会社 執行役員。高校卒業後、現役でハーバード大学に合格。数学、物理学科を専攻し、ダブルメジャーで最優等の成績をとり卒業。大学院に進み、今までに15本以上の論文が国際雑誌に取り上げられ、そのうちの3つの論文が編集長に特別な論文として指定された。現在は、楽天でデータサイエンスのチームを率いる。 ――今回の番組で“最も伝えたかったこと”は何でしょうか。 北川 学生たちに、自分では見えなかったような新しい幸せや喜びをあたえ、興奮を味わえる場を提供することこそ大学や教育の役割だ、ということです。 ――今回の番組で“興味を持った、あるいは、印象に残った発言や話題”はありましたか。 北川
社会学者・鈴木謙介さんの新刊『ウェブ社会のゆくえ――〈多孔化〉した現実のなかで』が、本日2013年8月29日に発売となりました。スマートフォン全盛の今日、情報技術が現実空間を侵食する〈多孔化〉はますます進んでいます。ソーシャルメディアは分断をもたらすのか? ウェブ社会はつながりを取り戻すことができるのか? ソーシャルメディア疲れが進む若者の姿から、東日本大震災後の共同性の危機まで、〈多孔化〉した現実のゆくえを探る、待望の書き下ろしです。 本書の目次はこちら(※PDFファイルが開きます)で見ることができます。また、「はじめに(抜粋)」が以下からご覧いただけます。 ● はじめに(抜粋) 現実とウェブが融合する時代 (……) 結局のところ私がこの本で論じたいのは、ウェブは既に(というよりも始めから)現実空間と区別の付かないものになっており、それゆえ、ウェブで起きていることだけを独立して論じたり、
著書『採用基準』が10万部を超え、ジレンマ世代を中心に注目を集めている、キャリア形成コンサルタントの伊賀泰代さん。高校卒業後にフリーターを経て、現在はベンチャー企業の代表を務める大竹智也さんを、伊賀さんは「大竹さんは高卒で、色覚障害もあって、そういう点だけをみれば“かわいそうな若者”に分類してしまう人もいるかもしれない。でも実際には海外で起業したり、本を出せるだけの専門性を身につけていたりと、すごく前向き。こういう若者を見ていると、就職活動の厳しさなどをことさらに取り上げて“今の若い人は大変”と言う世の中の風潮や、“やっぱり学歴は重要”という考え方には違和感を持ちます」と語ります。 そんな伊賀さんと大竹さんの対談は、「元気ー?」「まさか、こういう場でお会いすることになるなんて(笑)」と、にぎやかに始まりました。既存のしくみや価値観がジレンマ世代に与える影響から、未来の働き方のヒントまで、痛
いよいよ最終回。今回は質疑応答編として、参加されたみなさんの質問に、お二人が答えます。とかく感情的、抽象的になりがちな改憲や日韓関係の論議を、未来へ向けて論理的、具体的に転換していくヒントが見えてきました。 ■感情論には論理だけでなくユーモアとやさしさでも対処 ――憲法9条、96条以外も改正される可能性はあるのでしょうか。 木村 それは国会議員と国民の皆さん次第です。ただ、今、出ている改憲提案を見ていると、憲法を改正しないとできない政策というのがあまり示されていません。改憲論議というのは、普通は、(1)やりたい政策があるのに、(2)憲法で禁止されている、(3)だから憲法を改正する、という順番になるはずなのですが、日本の改憲論は、あまりそういうされ方をしません。 なぜそうなってしまうのかというと、日本国憲法自体が怨念の対象になってしまっている面があるんだと思います。そんなにたくさんではないと
――今回の収録にあたって、どのような問題意識がありましたか。 猪子 例えば、子どもの学力が低い問題があるとします。調査すると、ケータイの使用時間が長ければ長いほど、学力が低いという結果が出ました。そこで、子どものケータイの使用を禁止する条例を作りました。問題を解決したつもりになって酔いしれています。これは、実際最近あった話だし、同じようなことはよくある話です。でも、実際に子どもの学力が上がらないですよね。何か禁止されても、勉強をするわけではないので。本当は、勉強そのものをよりもっとおもしろいものにしたら、学力の問題は少しだけ改善するでしょう。そして、そのおもしろくするというものは、些細だけれども、とてもじゃないけど思いつかないようなことの連続で、おもしろくなっていくんだと思うのです。例えば、『えいご漬け』というDSのゲームソフトは、みんな、好んで英語の勉強をするわけです。それは、英語を勉
同じに見える現象でも、異なるアプローチから見えてくるものがある。憲法と政治、法学と政治学、そして日本と韓国……「96条改正」から、そもそも「憲法とはどういうものか」。第3回は、日々、更新される私たちの憲法と、その創造力について論じていただきました。 ■96条先行改憲は「革命」に匹敵する? 浅羽 憲法改正手続きを規定している96条については憲法学者の間でも多様な評価がされていると承知しています。96条を改正するのは「革命」に匹敵するとお考えの先生もいますが、木村さんはどう考えていますか。 木村 そもそも、「96条によって96条自体を改正することはできない」という憲法96条改正限界説、あるいは、憲法96条改正論理的不能説は、50年ほど前まではメインストリームの学説でした。ただ、岸内閣が退陣して、改憲を政権が本気で議論しなくなった時期から、96条についての議論はあまりされなくなっていました。安倍
「9条を守らないと戦争が起きる」、「96条先行改正で改憲できるような憲法に」――。とかく抽象的な議論に陥りやすい憲法談義。第2回は、具体的な事例と判例から独りよがりにならず、相手の立場に立つことで、日本社会の知的アドバンテージを生かしながら、交渉を有利に進め多様な社会を守る方法を探ります。 ■空中戦で終わりがちな憲法論議 浅羽 対談に際して、木村さんの本をあらためて再読しました。もう五回か六回読んでいるのですが、そのたびにいろいろなフックが仕掛けられていることに気がつきます。前回読んだときには、このフックには気がつかなかったな、と悔しい思いをしながら毎回読んでいます。「はしがき」で、奥平康弘『憲法の想像力』(日本評論社、2003年)を受けて、今回の『憲法の創造力』を書いたとあります。 お読みになった方は、気がつかれていると思いますが、それぞれの章の「まとめ」に、「創造力」と「想像力」という
第1回は、政治体制の違いから、「橋下発言」を通して見えてくる「慰安婦問題」や「強制性」についての認識のズレまで、日韓のジレンマについて、忌憚なく解説していただきました。 制度がゲームを決める 木村 浅羽さんのご本を読ませていただいて、考察の出発点となるべき国連憲章や日韓基本条約の内容が、しっかりと説明されていて、浅羽さんは法学リテラシーが非常に高い政治学者だと思いました。今日は、まず、私から浅羽さんに質問して、そのあとで、浅羽さんから私に質問をいただこうと思います。 韓国政治で特徴的なのはやはり大統領制ということになると思います。日本では首相を直接選ぶ「首相公選制」が議論されることもありますが、憲法学の世界では、日本国憲法がそうなっていることもあり、大統領制というのはあまりよくない制度で、議院内閣制のほうがよいと教えることが多いわけです。 なぜ、大統領制がよくないかという理由の一つに、立
著書『採用基準』が10万部を超え、ジレンマ世代を中心に注目を集めている、キャリア形成コンサルタントの伊賀泰代さん。「就職活動の厳しさなどをことさらに取り上げ、“今の若い人は大変”と、時代にネガティブなレッテル貼りをすることに違和感があるんです」という伊賀さんと対談するのは、高校卒業後にフリーターを経て、現在はベンチャー企業の代表を務める大竹智也さんです。 「元気ー?」「まさか、こういう場でお会いすることになるなんて(笑)」と、にぎやかに始まった2人のお話は、既存のしくみや価値観がジレンマ世代に与える影響から、未来の働き方のヒントまで、痛快きわまりなく展開していきます。 伊賀 泰代 (イガ・ヤスヨ) 1963年、兵庫県生まれ。キャリア形成コンサルタント。日興證券引受本部(当時)での勤務、米国へのMBA留学を経て、McKinsey and Company, Japanに入社。コンサルタント、採
――空気を読む、読まないという議論がありましたが、ご自身はどう思われましたか?また、なぜそう思うのかなどをざっくばらんに教えてください。 與那覇 番組のアンケート「会議などの話し合いの場で『空気を読む』ことについて、あなたはどう思いますか?」の4択で、私だったらD「空気を読む必要などないし、自分も読まない」を選ぶと思うのですが、どうやら同志は15%もいないらしい。逆に「空気を読むべき」という人が6割5分で、「実際に空気を読んじゃう」人が7割を超えている。 いかに日本が「空気の社会」とはいえ、正直衝撃を受けましたね。ニッポンのジレンマのような教養番組の、しかもウェブでのアンケートだったら、回答者の側にも絶対「俺って、周囲よりちょい意識高いぜみたいな回答をしちゃおう」的なバイアスがあると思うんですよ(笑)。その補正がかかってもこの数値というのは、多くの人が「しかたなく」空気を読んでいるというよ
濱野 智史 (ハマノ・サトシ) 1980年生まれ。批評家・株式会社日本技芸リサーチャー。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター研究員を経て現職。専門は情報社会論・メディア論。著書に『アーキテクチャの生態系』(NTT出版)、『前田敦子はキリストを超えた―〈宗教〉としてのAKB48』(ちくま新書)。共著に『希望論』(NHK出版)、『AKB48白熱論争』(幻冬舎新書)など。 ――空気を読む、読まないという議論がありましたが、ご自身はどう思われましたか? また、なぜそう思うのかなどをざっくばらんに教えてください。 濱野 だいたい有識者とか知識人とか、頭が良くて偉そうな人達って、「空気を読む」のはよくないという結論ありきで議論をしがちだと思うんです。収録中もいろいろ言いましたけど、まあ確かに山本七平が『空気の研究』で日本が戦争に負けたのは
今年のはじめに起こったアルジェリアの人質事件は、日本政府の危機管理に対する様々な問題点を浮かび上がらせました。安倍政権のもとで日本版NSC(国家安全保障会議)の創設に対する気運が高まるなか、はたして国家や組織は情報をいかにして扱うべきなのでしょうか。インテリジェンスに関するホットな議論を、情報史の第一人者である小谷賢さんに解説していただきます。 小谷 賢 (コタニ・ケン) 1973年、京都府生まれ。防衛省防衛研究所戦史研究センター主任研究官。専門は、イギリス政治外交史、インテリジェンス研究。著書に『イギリスの情報外交 インテリジェンスとは何か』(PHP新書)、『インテリジェンス 国家・組織は情報をいかに扱うべきか』(ちくま学芸文庫)、『日本軍のインテリジェンス なぜ情報が活かされないのか』(講談社選書メチエ)など。 ■日本にとっての情報分析 前回、対外情報機関とは情報を収集し、質の高い情報
ネット専業の新しい生命保険会社を起業した岩瀬大輔さん。独立系の生命保険会社に金融庁からの免許が下りたのは1934年以来、戦後初の快挙でした。2012年には株式上場も果たし、歴史の長い保険業界に新しい風を吹き込む岩瀬さんから、仕事と向き合う姿勢を学びます。 岩瀬 大輔 (イワセ・ダイスケ) 1976年生まれ。ライフネット生命保険株式会社代表取締役社長。東京大学法学部を卒業後、ボストン・コンサルティング・グループなどを経て、ハーバード経営大学院に留学。同校を日本人では4人目となる上位5%の成績で卒業(ベイカー・スカラー)。世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2010」。著書に『生命保険のカラクリ』(文春新書)、『入社1年目の教科書』(ダイヤモンド社)など。 神原 一光 (カンバラ・イッコウ) 1980年生まれ。NHK放送総局 大型企画開発センター ディレクター。主な
人口が減少して高齢化が進む「縮小する日本社会」で、私たちは“住まい”をどのように考えればよいのか? 大手不動産会社で新商品開発を担当しながら、1976~1985年生まれの「ポスト団塊ジュニア世代(PDJ世代)」の暮らしと住まいを考えるプロジェクトを仕掛ける刈内一博さんが、マクロの視点と自らの経験から“住まい”を考えます。 刈内 一博 (カリウチ・カズヒロ) 1978年生まれ。筑波大学大学院修了、野村不動産株式会社入社。分譲マンション「PROUD」の事業推進・建築部門を経て、商品開発部では「かやぶきの里プロジェクト」を起案、グッドデザイン賞3部門受賞。2014年4月より海外事業部に配属、海外市場の開拓に従事。業務外活動として「新宿360°大学」を立ち上げ、独立企業でも社畜でもないサラリーマンの働き方として、イントレプレナーシップの可能性を探る。共著に、『新世代トップランナーの戦いかた 僕たち
2013年3月30日(土)0:00~1:30〔金曜深夜〕放送予定のニッポンのジレンマ「僕らの地域活性化作戦」収録後、出演者のみなさんにインタビューを行いました。 西田 亮介 (ニシダ・リョウスケ) 1983年生まれ。立命館大学特別招聘准教授。専門は情報社会論と公共政策。著書に『ネット選挙とデジタル・デモクラシー』(NHK出版)、『ネット選挙 解禁がもたらす日本社会の変容』(東洋経済新報社)、共著書に『統治を創造する 新しい公共/オープンガバメント/リーク社会』(春秋社)、『無業社会~働くことができない若者たちの未来~』(朝日新聞出版)などがある。 ――今回の番組「僕らの地域活性化作戦」の出演にあたって、最も伝えたかったことは何ですか? 西田 さまざまな歴史的事情によって、これまで日本の近代の地域においては「理念」が不在の状態が続いてきました。むしろ、日本=東京を発展させるために、それらを積
『電車男」『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』…これまで数多のヒット作を手がけ、日本映画を牽引し続ける若き映画プロデューサー・川村元気さん。昨年10月には初の小説『世界から猫が消えたなら』を上梓し、2013年本屋大賞にもノミネートされています。 世代を超えて多くの人の心を動かす作品は、いかにしてつくられているのか。2010年に公開され、第34回日本アカデミー賞で4冠を達成した映画『告白』のエピソードから、そのヒットの秘密に迫ります。 川村 元気 (カワムラ・ゲンキ) 1979年生まれ。映画プロデューサーとして『電車男』『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』などを製作。2010年、米The Hollywood Reporter誌の「Next Generation Asia 2010」に選出。2011年には優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞。著
開沼 博 (カイヌマ・ヒロシ) 1984年生まれ。社会学者。福島県出身。福島大学うつくしまふくしま未来支援センター特任研究員、東京大学大学院博士課程在籍。専門は社会学。著書に『漂白される社会』(ダイヤモンド社)、『フクシマの正義「日本の変わらなさ」との闘い』(幻冬舎)、『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』(青土社)、『地方の論理 フクシマから考える日本の未来』(佐藤栄佐久氏との共著、青土社)、『「原発避難」論 避難の実像からセカンドタウン、故郷再生まで』(山下祐介氏との共編著、明石書店)など。 ――番組の視聴者が、復興のために明日からできることは何でしょうか? 開沼 あえてうざい返し方をしましょうか。「何でしょうか」とか2年たっても聞いてくる人がいるんなら「復興」に中途半端にかかわらないほういいかもしれないですね。 編集後に使われているかはわかりませんが、番組の中では子どもにも
日本建築家協会賞、日本建築家協会新人賞など、若くして多くの受賞歴を誇る気鋭の建築家・中村拓志さん。昨春にも、神宮前交差点の角地に建設した「東急プラザ 表参道原宿」が竣工するなど、その活躍は留まることを知りません。 3.11以降、コミュニティの重要性があらためて問われる現代において、建築や公共空間のゴールとは何か。中村さんの哲学には、それを解決するためのヒントがありました。 中村 拓志 (ナカムラ・ヒロシ) 1974年生まれ。NAP建築設計事務所代表。隈研吾建築都市設計事務所を経て現職。主な受賞歴に日本建築家協会賞、グッドデザイン賞金賞、日本建築家協会新人賞など。主な著書に『恋する建築』、『微視的設計論』、共著に『地域社会圏』などがある。 神原 一光 (カンバラ・イッコウ) 1980年生まれ。NHK放送総局 大型企画開発センター ディレクター。主な担当番組に「NHKスペシャル」「週刊ニュース
――「格差を超えて 僕らの新たな働き方」の討論を終えられて、率直な感想をお聞かせください。 石井 そうですね……難しいですね(笑)。格差というテーマでしたが、何を定義して格差というのかが非常に曖昧だったかなと思います。いろいろと話を聞いていて、どうしてもやっぱり勝者のほうにとっての格差理論だったり、勝者にとっての働くことの意義だったりというような意味合いが、僕には強く聞こえました。 例えば、「企業で働きながら、副業をすればいい」とか、「フリーになっても、友人から仕事をもらうことができた」という意見がありましたよね。確かに、それは理屈としては間違っていないと思います。でも、「副業をできる環境や能力がない」、「仕事をくれるような友達がいない」ということが現実としてあるからこそ存在する格差もあるのではないでしょうか。 格差には、多くの形態があります。この番組に出演している人々が直面している格差
男女逆転時代 つづき 古市 前回(ジレンマ女子会【前半戦】)、結婚と階層の話が出ました。今の未婚化の原因の一つには階層下降があると思うんです。未婚者の大体7割は親と同居していますよね。親と同居していた女性が、結婚して彼と住むとします。すると、お互いが共働きでも、もともとの生活水準を下げなくちゃいけない場合も多い。実家ではすべてお小遣いにできていた給料を生活費にあてなくちゃいけなくなったりとか。 千田 だからみんな結婚しないんじゃないですか。 古市 もちろん、それだけじゃないと思いますけど。 西森 いろんなものが目減りすると考えられますからね。 水無田 例えば酒井順子さんの『負け犬の遠吠え』を読んで思ったのが、都心の私立女子校上がりの人たちは、自分の所属集団の目が気になっちゃって、仲間内でうらやましがられるような結婚じゃないとできないっていう意識が、すごく強い。 千田 特に40代のバブル世代
――「格差を超えて 僕らの新たな働き方」で、他の出演者のコメントで印象的だったもの、また特に伝えたかったことを教えてください。 宇野 安藤美冬さんが「私は格差について実感がない」とおっしゃったことですね。こういう番組に出るとみんな“いい子ちゃん”になりたいから、そうは言わないですよね。でも、彼女は言った。その一点をもって、僕は彼女を信用します。いちばん印象的だったことをピックアップするなら、そこですね。こういう議論をすると必ず「俺は本当の弱者を知っているぜ」というカードを切って優位に立とうとする人が出てくる。でも、そういう人に限って「じゃあ自分は?」と聞かれると何も言えなかったりする。だから、こういうときは正直に自分の立場はこうだ、だからこう見えている/見えないでいる、って話すしかないと思うんです。 ――個人を変えることと社会を変えることをつなげるのは難しい、という話の中で、「昼の世界と夜
サイトの更新中断のお知らせ 次世代の論客を応援するサイト「ジレンマ+」は、 この度、NHK出版Webサイトのリニューアルに伴い、 ひとまず、情報の更新を中断することになりました。 長いあいだご愛顧いただき、ありがとうございました。 2015.04.24
サイトの更新中断のお知らせ 次世代の論客を応援するサイト「ジレンマ+」は、 この度、NHK出版Webサイトのリニューアルに伴い、 ひとまず、情報の更新を中断することになりました。 長いあいだご愛顧いただき、ありがとうございました。 2015.04.24 安藤 美冬(アンドウ・ミフユ) 1980年生まれ。㈱スプリー代表。多種多様な仕事を手がける独自のノマドワーク&ライフスタイル実践者。『自分をつくる学校』学長、NOTTVの『テレビをほめるYESTV』レギュラーMC、『DRESS』の女の内閣 働き方担当相を務め、商品企画、講演など幅広く活動中。TBS系列『情熱大陸』、NHK Eテレ『ニッポンのジレンマ』などメディア出演多数。著書に『冒険に出よう』がある。 安藤 至大(アンドウ・ムネトモ) 1976年生まれ。経済学者。現在、日本大学准教授、政策研究大学院大学客員准教授。内閣府規制改革会議の専門委
163万部を売り上げた『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』をはじめ、『99.9%は仮説』『若者はなぜ3年で辞めるのか?』など、光文社新書でヒット作の編集を担当してきた柿内芳文さん。2011年9月からは、講談社初の社内ベンチャーとしてできた新しい出版社・星海社で、「星海社新書」の編集長を務めています。競争が激しい出版業界でヒット作を生み出し続ける哲学とは何か。NHKで働く若手が集まる「ジセダイ勉強会」からのレポートです。 神原 本日の勉強会は、163万部を売り上げた『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』を光文社に入社して3年目でつくったほか、『99.9%は仮説』『若者はなぜ3年で辞めるのか?』『就活のバカヤロー』『4−2−3−1』『ウェブはバカと暇人のもの』『非属の才能』など新書のベストセラーの数多く手がけて2010年9月に星海社という新しい出版社に電撃移籍、さらには、NHKEテレNHK総合「N
千田有紀・水無田気流・西森路代によって行われた「女子が自由に生きるには ジレンマ女子会」【前半戦】 で、「国を滅ぼす男子」というレッテルから一転、「彼のような価値観の男性がこれからの女子にとっての希望」という評価を受けた古市憲寿さん。そんな彼が、女子会に参加してみた率直な感想とは? 古市 憲寿 (フルイチ・ノリトシ) 1985年生まれ。社会学者。著書に『希望難民ご一行様』(光文社新書)、『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)、『僕たちの前途』(講談社)などがある。 女子会に出て得たもの、失ったもの 古市: 女子会というのは、さしたる目的もなく、ただただ女子たちが話す会のことである。つまり、井戸端会議。それがオシャレなカフェやレストランで開かれると、一気に「女子会」という名前が与えられる。 今回、僕は女子でもないのに、女子会に呼ばれた。しかもその「観戦記」を書いて欲しいという。あの女子会は
安藤 美冬 (アンドウ・ミフユ) 1980年生まれ。㈱スプリー代表。多種多様な仕事を手がける独自のノマドワーク&ライフスタイル実践者。『自分をつくる学校』学長、NOTTVの『テレビをほめるYESTV』レギュラーMC、『DRESS』の女の内閣 働き方担当相を務め、商品企画、講演など幅広く活動中。TBS系列『情熱大陸』、NHK Eテレ『ニッポンのジレンマ』などメディア出演多数。著書に『冒険に出よう』がある。 ――「ニッポンのジレンマ」に二度目のご出演となりましたが、印象に残ったことはありましたか? 安藤 2012年3月放送回に続いて、今回は「格差と新たな働き方」というテーマで呼んでいただいて率直に感じたのは、「経済格差が拡大するにつれて、精神格差も広がっている」ということ。イベントもご一緒させていただいた人事コンサルタントの城繁幸さんの言葉を借りれば、まず「シャレにならないほどの格差が広がって
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『いま、ここから考える ジレンマ+』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く