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Nintendo Direct
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70 年 6 月発表の「3(Third)」は、これぞジャズロック、という意気込みが感じられる好盤。 アナログは、二枚組で片面一曲、計四曲のみ。 この CD は、十年ほど前に買ったままずっとラックの飾りになってたが、最近ふと思って聴いたところ、吃驚仰天、一気に頭と体にキてしまった。 本作品の時点のサウンドは、まだファースト/セカンド時の退廃的なポップ感覚がほんの少し残っているせいか、単なるジャズではなく、もっと微妙なニュアンスのサイケデリック・ジャズロックとでもいうべきものになっている。 ホッパー、ディーンの強烈なジャズ感覚とワイアットのサイケ/アヴァンギャルド感覚がバランスしている、といってもいいだろう。 また、変拍子が多用されテンポも頻繁に変化するにもかかわらず、即興ではない計算された器楽アンサンブルというイメージで貫かれている。 ホッパーのファズ・ベース、ジャズにはかなり過激な音だと思
70 年発表のアルバム「Lizard」。 フリップ、シンフィールド以外のオリジナル・メンバーがすべて去り、実質的に KING CRIMSON は解体された。 しかし、その音楽は、煮えたぎる混沌と情熱を孕みつつ厳然と偉容を保ち続けた。 前作を上回る英国ジャズ・シーンのサポートを得た本作は、大幅な管楽器セクションの導入によって、モダン・ジャズ、フリー・ジャズ、そしてポスト・フリーの世界をにらんだ、美しくもエキセントリックな英国らしい音楽世界となった。 アルバムは、前二作と同様に衝撃的な作品「Cirkus」で幕を開ける。 荒ぶるアコースティック・ギターをフィーチュアし、ブラスやメロトロン、初期型シンセサイザー、独特の逸脱感を孕むヴォーカルらが、繊細な叙情をにじませつつも気紛れで邪悪なパワーを迸らせ、どこまでも捻じれていく。 前作のティペットの参加で示唆された新たな前衛ジャズへの志向を明確にした、
70 年発表の第一作「Affenstunde」。 内容は、ムーグ・シンセサイザーを用いた電子音楽。 いわゆる旋律や拍子は存在せず、電子音特有の均一な色合いの音が漂うのみであり、脱音楽指向の現代音楽の一つである。 聴覚の受信機能のテスト・パターンのような音、といえばいいかもしれない。 ぼんやりと波状に広がる背景音と、その前に現れては次々に通り過ぎる発信音。 腫れ上がったようなノイズを、タブラやカリンバのようなパーカッションが切り裂き、煮詰める。 シーケンスといえるほどのパターン的なものはなく、短く仄かな波の動きが感じられるのみ。 提示される音の像はきわめて抽象的なのだが、これこそ人間精神不在の自然の叙景という大胆な試みとも考えられる。 いずれにせよ、きわめて神秘的なイメージを与えるものだ。 A 面最終曲開始前に、パーカッションが鳴りさざめく、クライマックスのようなものが訪れる。 そして、最終
91 年発表の第一作「Slow Up」。 内容は、凶暴にしてスピード感あふれるフリー・ジャズロック。 ビッグ・バンド調のホーン・アンサンブルの押し出す強烈なユニゾンと過激に突出するソロ、メタリックなギター、さらにはハードロック風の切れ味をもつリズム・セクションが、スピーディなプレイの応酬を繰り広げる。 エネルギッシュかつ小気味いい疾走を基本に、レコメン風の反転/屈折やサディスティックな狂気やせせら笑うようなユーモアも散りばめられている。 ほぼ全曲インストゥルメンタル。キーボーディスト、ジャン・リュック・プルヴィエールは、後期 UNIVERS ZERO のメンバー。 プロデュースはビル・ラズウェル。 1 曲目「Ffwd」(5:35) サックス・アンサンブルを核に、けたたましいリフでたたみかけ、疾走するジャズロック・チューン。 金属的なギターには生音に近いニュアンスもあり、それに気がつくと全体
イギリスのギタリスト、作曲家「 Fred Frith」。 70年代、HENRY COW における前衛音楽とロックの融合から出発し、RIO を通して多くのミュージシャンと共演を続け、意欲的に作品を発表する。 ギター、ヴァイオリン奏者といったプレイヤーとしての活動に加え、作曲者としてもさまざまな分野の音楽を手がけ、多くのアーティストに作品を提供する。 74 年発表の第一作「Guitar Solo」。 HENRY COW 在籍中のソロ・アルバムに、76 年、79 年に発表された二つのソロ・ギター・コンパイル作品よりフリスの演奏のみを抜粋した CD である。 写真は、ESD の CD ジャケット。 ほとんどの作品がギター一本による即興演奏であり(ただし、音だけではギター独奏とは到底思えない)、フリー・インプロヴィゼーショニストとしてのフリスを前面に出した内容である。 ギターという楽器の特性を知り尽
78 年発表の第一作「National Health」。 4 曲のジャズロック大作から成る作品。 一部スキャット風の女性ヴォーカルが入る以外は、インストゥルメンタルである。 ギターはフィル・ミラー、べースは元 GILGAMESH のニール・マーレイが担当。 アラン・ガウエンはすでに脱退しており、ゲスト扱いである(とはいうものの、脱退前の彼の曲を演っているのだが。ああややこしい)。 さらに、CARAVAN、SOFT MACHINE への参加で知られるジミー・ヘイスティングスが、ここでもゲストとしてフルートを演奏している。 内容は、精密な技巧と夢見ごこちのグルーヴはアメリカ産フュージョンと共通ながらも、ピリッとしたユーモアと独特のメランコリーが特徴的なジャズロック。 流暢にしてシニシズムあふれる語り口に不器用なイノセンス、純朴さも感じられるという、きわめてチャーミングなパフォーマンスであり、ヴ
79 年発表の第二作「One Of A Kind」。 クールな大傑作であった第一作に続く本作は、一言でいうと「NATIONAL HEALTH によるテクニカル・フュージョン」もしくは「ジャズロック型 U.K.」。 カンタベリー・スタイルと、KING CRIMSON、YES らに端を発し U.K. がまとめあげた幻想的なプログレ・サウンドが融合した大傑作である。 U.K. を離れたブルフォードが、第一作のメンバーと再会(スチュアートはこの時期 NATIONAL HEALTH を脱退している)して録音された。 全体演奏のテーマがアメリカンなフュージョン・タッチになると、英国プログレの陰鬱なロマンチシズムとは離れるような印象もあるが、演奏そのものは、サウンド、リズム、アンサンブル、ソロ、すべての面で技が尽くされた驚異的なものである。 ブルフォードは、エレクトリック・ドラムスも積極的に用いている。
75 年のデビュー作「Four Moments」。 夢幻の彼方へといざなうメロトロンとシンセサイザーと、ドリーミーなトーンを駆使しアルペジオ、ソロ、ヴァイオリン奏法で酔わせるギターによる、必殺のロック・シンフォニー。 包み込むように暖かく、風のように爽やかな音の流れに身をゆだねれば、無限の幻想は郷愁ととけあって、新たなヴィジョンへと深化する。 ちなみにマリオ・ミーロは、この時弱冠二十歳。 1 曲目「Glories shall be released」(6:40) オープニング、迫力満点のメロトロンの響きにガーンと脳震盪を起こし、巧みにたゆとうアンサンブルに抱き上げられ、気がつけばスケールの大きな主題にすっかり惹きつけられている。 すぐに、魅力的なムーグのリフがリズミカルに音程を変えつつ示されて、あたかも、解き放たれるのを待つようなギターのフレーズとの応酬を経て、期待はいやがうえにも膨らんで
74 年発表の第二作「Mirage」。 DERAM 移籍後第一弾。 本作の作風には、CAMEL のイメージとして定着した次作以降のファンタジックな音作りと比べると、ややハードな面も見られるのだが、決してハードロックではなく、キーボードとギターが機敏に反応しあう演奏に、フルートやアコースティック・ギターがリリカルなアクセントを添える独特のものである。 常にメランコリックな憂いをたたえた表情が特徴だ。 SANTANA を思わせるラテン色から生まれるほのかなジャズ/フュージョン・タッチと、英国風のブルーズ・テイストとが微妙にブレンドされ、バランスした味わいといってもいいだろう。 アルバムを締めくくる「Lady Fantasy」は、そのラテン/アラビア色とジャズ・フィーリング、幻想味が交じりあった大作であり、後々までのライヴの定番。 本アルバムは、おそらくラテン・ロック、ハードロックからジャズ・フ
72 年発表の「UT」。 名作の一つに上げられるが、内容は、クラシカルかつシンフォニックな作品とハードロックが混在し、トータルとしてはややまとまりを欠く。 しかし、演奏そのものは高度である。 特に、多彩なキーボードと縦横無尽に駆け巡るギターはみごと。 マウリツィオ・サルヴィの存在感が高まった。 本作で明らかなように、ディ・パロのハードロック路線に抵抗したスカルツィの脱退から、NEW TROLLS 受難の時代が始まった。 「Studio」(3:09) 冒頭、銅鑼の音が轟き、ピアノ、オルガンとギターのユニゾンによるベートーベン風の重厚な下降音形のテーマが、劇的に示される。 余韻の中をピアノのアルペジオが密やかにミステリアスに湧き上がり、オルガンの調べとともに、リスト風のスピーディなリフレインへと変化、加速とともに華やかに見得を切るようにスケールを駆け下りてゆく。 なんというか、中世王宮劇の華麗
73 年に英語盤として発表された第三作「Photos Of Ghosts」は、ピート・シンフィールドが英詩を担当し、EL&P 主催のマンティコア・レーベルからリリースされた。 イタリアン・ロックの傑出した音楽観を提示するとともに、ヨーロピアン・ロックの世界進出の先駆けとなった記念碑的作品である。 文字通り、世界的な絶賛に浴した。 邦題は「幻の映像」。 「River Of Life」(7:00)(第二作「Per Un Amico」より「Appena Un Poco」)。 バロック・アンサンブルとヘヴィなロックが、完全な融合を見せる叙情的なクラシカル・ロックの大傑作。 重厚にして悲劇的な予兆をもつグラーヴェで描く典型的な古典舞曲の序曲、そしてトリオによる変奏部のアンダンテからハードなプレストへと急転直下の変転を見せるイントロダクションは、まさにバロック音楽そのものの魅力である。 ギターと舞い踊
73年の第二作「Måltid」。 ギタリストとして名手コステ・アペトレアが加入。 内容は、エレピとギターが駆け巡る、初期型クロスオーヴァー/ジャズロックの過激な亜種。 濃厚なトラッド色のあるメロディ・ラインと、コミカルというにはあまりにオバカな効果音、ヴォーカルが特徴だ。 なぜか昭和の歌謡曲に通じるトラッド調のテーマをめぐって、変拍子を駆使した超絶アンサンブルが挑発的/暴力的に駆け巡る。 快速ユニゾン、急激な方向転換など、演奏技術にはまさに目をみはるものがある。 そして、ギターの入った SOFT MACHINE ともいうべき一体感のあるテクニカルな演奏に、どぎつ過ぎるユーモア感覚でひねりを加えている。 とにかく、超絶アンサンブルが突如チンドン屋/盆踊りになるわ、奇声は渦巻くわ、リズムは妙にそわそわし始めるわ、変態裏声コーラスは始まるわ、子供の歌のようなデタラメさが横溢するのである。 珍妙な
72 年の第二作「Birds Of Fire」。 前作の延長上で密度、硬度、速度が増大、演奏は計画的暴走ともいえる様相を呈し始める。 プレイヤーの素養からいうと、変拍子リフによるきわめてヘヴィなエレクトリック・ジャズなのだろうが、新しいロック=プログレッシヴ・ロックといっても何ら問題はない。 今聴き直すと、第一作よりも叙情性とトータル・イメージを保つような演出を心がけたような感じもある。 叙景的な流れや構成もあるようだ。 しかし、何よりも、この圧倒的な音のパワーとその力強さが生み出す緊迫感こそが、新しく、魅力的だ。 アンサンブル、ソロ、すべてに、沸騰するという表現が相応しい。 全編インストゥルメンタル。 作曲は、ジョン・マクラフリン。 プロデュースはグループ。 最高傑作といわれています。 第一曲「Birds Of Fire」(5:46)銅鑼の音が鳴り響き、エフェクトでうねるベースと歪みきっ
80 年発表の作品「Symphonie Pour Le Jour Ou Bruleront Les Cites」。 76 年発表の第一作の作品を、80 年にサックスとキーボードのメンバーを加えて再録音、リミックスしたもの。 内容は、熱狂的かつ怪奇、重苦しく真剣そのものの暗黒チェンバー・ミュージック。 パーカッション、ベース、ピアノらによるパターンの上で、男声による狂おしい絶叫と管弦楽器が暴れ周るかと思えば、陰鬱にささやきかけ、やがて不気味な沈黙に澱み込む。 作風は、管絃楽器のドローンと熱狂的なアンサンブルを交錯させて、狂騒し次第に昂揚を呼び覚ますものであり、楽曲にはクラシカルな構築性、平衡感覚とジャジーな敏捷性が満たされている。 ダークで厳格ななかに、恐ろしげな素振りばかりではなく、耽美な色彩も感じさせる魅力的な音楽なのだ。 素っ頓狂なアジテーションや高音ヘ突き抜けたがるベースは MAGM
73 年発表の第一作「Legend」。 内容は、カンタベリー・ジャズロックの即興性とアヴァンギャルドな面をクローズアップした快作。 「チェンバー・ロック」というと厳しく難解なイメージを与える恐れがあるが、カンタベリーという冠通り、冴えたポップ・センスがあることを強調したい。 また、フランク・ザッパからの流れをたどりなおして、「Uncle Meat」あたりに立ち返ったといってもいい音楽性である。 演奏は、俊敏なリズムの上で、クラシックやジャズ風味を交えた管弦/鍵盤楽器とロック・ギターが、挑戦的に荒々しく、ときにユーモラスに交流するもの。 おそらくは、即興とスコアが交錯する内容なのだろうが、推進力をもつ鋭いビート、歪んだ音色のギター・プレイ、そして、精度を求めつつも、呼吸のよさを優先してしまう若さや緩やかさを考えると、やはり、フリー・ジャズでも現代音楽でもないロックである。 リリカルなメロディ
91 年発表の第一作「Gladium Caeli」(剣の天)。 ロック・オペラ作品の音楽をレコーディングしたものらしい。 サウンドは、ロバート・プラントを思わせる圧倒的存在感のヴォーカルと、のしかかるようなプレイで押し捲るスピーディかつパワフルなハードロック。 アンサンブルにしなるような弾力性があり、ミドル・テンポの演奏にも、底知れぬパワーが感じられる。 数珠つなぎのように次々とプレイが折り重なり、発展する演奏も特徴的だ。 とにかく強烈なスタイルである。 しかしながらこれだけ強烈なのに、いわゆるプログレ・メタル調のクリシェはなく、ロックと他の音楽の邂逅が純化された形で行われている。 芸術性を感じさせるのだ。 そして、勇者の雄々しさと高潔な魂のきらめきがあるのだ。 おそらく、世の中なんでもマンガとプロレスで解釈できると信じてるのは、世界中で日本人とアメリカ人だけなのだろう。(余談) 演奏には
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70 年発表の第一作「Gentle Giant」。 THE BEATLES に端を発するアート・ロックやブルーズ・ロックの経験を活かして、流行のヘヴィなサウンドにさまざまなアイデアを盛り込んだ作品である。 後年、にわかに表現し難い個性派として名を馳せる本グループだが、本作では、巨人伝説のような幻想文学的な主題の採用やクラシックのカットアップなど、典型的なプログレのアプローチを取っており、比較的「分かりやすい」作風となっている。 演奏面では、自然に感じられる変拍子やアクセントずらし、立体的なヴォーカル処理、トリッキーなアンサンブルといった特徴もある。 ハードでファンキーなサウンドと感傷的で叙情的な表現が一つになった、ブリティッシュ・ロックらしい作品ともいえる。 往時主流であったブルーズ・ロックやハードロック、サイケデリック・ロックを消化して独自のやり方で再構築している。 プロデュースはトニー
POLLEN (Quebec) MANEIGE (Quebec) HARMONIUM (Quebec) ET CETERA (Quebec) OPUS-5 (Quebec) SLOCHE (Quebec) VISIBLE WIND (Quebec) MIRIODOR (Quebec) NATHAN MAHL FM NIGHTWINDS
This is just the personal memo (not review, nor critique, but maybe appreciation) of the artists and albums in the classical and contemporary "progressive rock" area. So please do not take it seriously, really.
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